【特集】髙瀬愛実選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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髙瀬 愛実選手

髙瀬 愛実選手

サッカー選手(INAC神戸レオネッサ所属)
サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)

PROFILE

1990年11月10日生まれ。北海道北見市出身。5人兄姉の末っ子として育ち、小学校1年の時から兄の影響でサッカーを始めた。中学時代は北海道のクラブチーム、釧路リベラルティでプレーし、全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会にも出場。北海道文教大学明清高等学校に進学後は北海道女子サッカーリーグをはじめ北海道高等学校女子サッカー選手権など数々の大会で活躍し、北海道女子リーグでは2年連続得点王を獲得した。2009年、高校卒業後にINAC神戸レオネッサに入団しリーグ戦19試合に出場、新人王を受賞した。その後もチームの主力メンバーとして活躍し、なでしこリーグでは2012年に得点王と最優秀選手賞(MVP)を受賞、そしてチームは2011年から3連覇中。また日本代表としても2011年のFIFA女子ワールドカップの優勝、2012年ロンドンオリンピック準優勝、2014年AFC女子アジアカップ優勝など素晴らしい成績を残した。

髙瀬 愛実選手の学生時代は・・・

全国大会に出場できた嬉しさ、でも勝てない悔しさが

髙瀬 愛実選手写真
 私は5人兄姉の末っ子で、上の兄も姉もすでにサッカーを始めていたので、自然と私も少年チームに入って始めたのが小学校1年の時でした。特に一番上の兄がすごく上手で、妹としても憧れがあったのだと思います。最初は何回リフティングができるかという遊びのようなものでしたが、試合に出られるようになるとドリブルで何人抜いたか、何点取れるかといった面白さに段々変わっていきました。元々スポーツは何でも好きだったのですが、その中でもサッカーの面白さにはまってしまい、中学時代は釧路リベラルティというクラブチームでプレーをしていました。
 中学時代には全日本女子ユースサッカー選手権大会にも出場していたので、高校進学もサッカーが盛んな北海道文教大学明清高等学校を選びました。既に3つ上の姉が通っていたので、自然と私もその高校に進学するものと思っていました。学校は札幌だったので下宿生活でしたが、いま思い出すのはサッカーのことばかり。特に高校選手権や全国大会に出場できたときの試合は、印象に残っています。でも、北海道では通用するものが全国に枠を広げたときには全然勝てない悔しさは、自分の中にありました。そんな思いが将来はリーグでプレーしたい、世界で戦いたいというモチベーションになっていったと思います。
 高校卒業を前に進路ではいろいろと考えました。卒業後になでしこリーグに進みたいという気持ちはありましたが、高校時代のコーチに「無名のまま大学に行っても潰れるだけだ」と言われて、その時にINAC神戸から声をかけていただいていると聞きました。実際、リーグのチームにそんなには詳しくはなかったのですが、高校2年の時に一度練習試合をさせていただいて、チームのレベルの高さは感じていました。そして何より自分をほしいと言ってくれているチームだったので、入団を決めました。


INAC神戸の、そして日本代表の主要メンバーとして・・・

どんな状況にあっても、勝つという強い気持ちを持つ

髙瀬 愛実選手写真
 2009年にINAC神戸レオネッサに入団し、当初はこれまで通用してきたことが通用しないもどかしさもありましたが、同期の仲間たちと励まし合いながら少しずつ自分らしさを出せるようになっていきました。まずはレギュラーとして試合に出ること、そして兄のように力強い選手になることを目標に頑張っていました。その成果もあって初年度は19試合に出場し結果を出せたことで、新人王をいただき、またAFC U-19では日本代表として出場も果たしました。
 INAC神戸レオネッサは、どんな状況にあっても「勝つ」という強い気持ちを持ったチームだと思います。2005年にL・リーグ(現なでしこリーグ)に加盟以来、どんどん新しい戦力が加入し着実に力を増してきたチームです。そして2011年のリーグ初優勝から3連覇を果たしました。そんなチームの中でフォワードとして勝つために点を取りに行く、それが私のやるべきことだと考えています。
 また、日本代表選手として世界の強豪選手と戦える喜び、そして難しさも感じています。特に欧米の選手はスピードも速く体も大きいので、対戦すると思うようにいかないこと、できないことがほとんどです。でも、その中でも自分にできることを見つけながらプレーすることが、自分の成長にもなっています。特に日本選手独特の俊敏性やチームの組織力を、自分たちの持ち味としていかに発揮するかを目標にしてきました。2011年のFIFAワールドカップ、そして2014年のAFCアジアカップでの優勝は、そういった日本の持ち味が生かされた結果です。特に今年のアジアカップ優勝は、自分たちが女子サッカーに、また新たな歴史を刻めたことがすごく嬉しかったです。

髙瀬 愛実選手からのワンポイントアドバイス

どんな練習にも、決して手を抜かない

髙瀬 愛実選手写真
 高校時代は毎朝、起きたら坂道を6kmぐらい走って、そして朝食後も誰よりも早くグランドに行ってボールを蹴っていました。授業の後も部活で一番遅くまで残って練習していましたね。休みの日もずっと公園でボールを蹴っていたり、人一倍練習していました。 その頃から私が一番心がけていたことは、絶対に手を抜かないことです。学生時代は両親やコーチなどいろんな人に支えられてサッカーができていることに、感謝の気持ちを忘れてはいけないと思っていました。だから、どんなに疲れていても、練習で手を抜くなんてできません。
ちなみに私が学生時代、毎日欠かさなかった練習は、
(1)走る・・・基礎体力を付けるためには大事なトレーニングだと思います。毎日欠かさず、同じ距離、または同じ時間、走るようにしていました。
(2)止める・蹴る・・・これはサッカーの基礎だと思います。まずはボールを確実に止めること、そして正確に蹴ることからパスにつなげる練習になると思います。とにかくボールに触れることを大事にしていました。
(3)フリーキック・・・学生時代はよくフリーキックの練習をしていました。ボール(を蹴る)の種類や質も増やせるので、いろんな角度や距離で練習するのも大事だと思います。


 他にもフォワードというポジションからアドバイスすると、ボールに対しての動きだしの俊敏性やシュートの正確性は大事な要素です。そのためにも基礎体力をしっかり付けて、正確なパスやシュートができるように、できるだけボールに触れて練習することが大事だと思います。

髙瀬 愛実選手からみんなへメッセージ

今しかできないこと、仲間たちとの時間を大切に

髙瀬 愛実選手写真
 サッカーの面白さは、一つのボールにたくさんの選手が関わって、いろんな形でゴールにつながるところです。そしてフォワードというポジションの魅力は、みんなからのパスをつなげて最終的にゴールを決めて点を奪いにいくところですね。でも、ゴールを決めるためにはチームのコミュニケーションは大事です。互いに信頼があるからパスを出せるし、ボールに飛び出していくこともできます。サッカーを通して、選手同士が刺激しあい、信頼を築いていけたことで私は人間性を育んでこられたと感じています。それは選手である前に一人の人間としての存在を教えられた、大事な時間だったと思います。
 高校生の皆さん、今しかできないこと、そしてそこで出会った仲間たちと大事な時間を過ごしてください。きっと生涯を通して素晴らしい経験、宝物になると思います。最後に、私たちINAC神戸レオネッサは今シーズンも連覇を目指して、そして私個人としてはチーム優勝のために点を積み重ねていくことにチャレンジし続けます。皆さん、応援してくださいね。

※プロフィール等は2014年9月時点のものです。

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一