岡本 依子選手
テコンドー選手 シドニーオリンピック銅メダリスト
岡本 依子選手
テコンドー選手 シドニーオリンピック銅メダリストPROFILE
1971年9月6日生まれ。大阪府出身。小学校時代から少林寺や武道に興味を持ち、中学校1年の時に空手道場に通い始める。高校時代に正道会館へ入門し練習に通う傍ら、早稲田大学進学後はチアリーディングやラグビー、キックボクシングなどさまざまなスポーツを経験。その後、大学3年の時にアメリカのオレゴン大学に留学しテコンドーと出会い道場に入門。帰国後95年には世界大会2位、96年USオープン2位、98、99年と連続でアジア大会3位に入賞。また、97年から2年間は韓国体育大学テコンドー部で技を磨き、2000年のシドニーオリンピックでは67キロ級以下で見事銅メダルに輝く。そして続く04年のアテネオリンピックへも出場。現在は「ルネスかなざわ」に所属し、日本女子テコンドーの第一人者として国内外の大会で活躍中。岡本 依子選手の学生時代・・・
武道の精神に、憧れや興味を持っていた
子どもの頃は、近所の友達と田んぼや公園で遊び回っている普通の子どもでしたね。ただ少し、その辺の女の子と違っていたのは、映画「少林寺」やジャッキー・チェンの技や動きのかっこよさへの憧れが強かったぐらいかな(笑)。特に武道の持つ精神鍛錬や、文武両道という言葉のイメージにすごく惹かれましたね。だから中学校の時、近所にある空手道場に通い始めたんです。その当時は、「武道とは冬は裸足で練習したりして体を鍛え精神を強くするんだ」とイメージだけは膨らんでいたんですが、実際は本当に習い事みたいな感じだったんです。友達といっしょに習うことも楽しかったしね。真剣に練習に打ち込むようになったのは高校からかな。正道会館が開いていた大会を見に行って、またまたかっこよさや真剣さに惹かれて正道会館に入門しました。毎日、学校の帰りにある正道会館の道場に通ってました。空手の楽しさかどうかわからなかったけど、練習で頑張っている自分も好きだったし、試合にも出れるじゃないですか、すると勝負にも燃えるし勝てば楽しさやうれしさも大きいしね。
ちょうどその頃、新聞でスポーツ心理学のコラムを見つけ「これは空手にも活かせるんじゃないか」と興味を持って「これを極めてみたいなぁ~」と思ったんですよね。そこでスポーツ科学科という面白そうな響きに誘われて早稲田大学を受験しました。
ちょうどその頃、新聞でスポーツ心理学のコラムを見つけ「これは空手にも活かせるんじゃないか」と興味を持って「これを極めてみたいなぁ~」と思ったんですよね。そこでスポーツ科学科という面白そうな響きに誘われて早稲田大学を受験しました。
アメリカ留学で、自分が何かを見つけたかった
大学時代は、空手以外にチアリーディングやキックボクシングなどいろんなスポーツも経験したんですが、別にスポーツで今後の人生を進んでいこうなんて考えてなかったんです。でも3年生の時、「海外生活も経験してみたい」という気持ちからアメリカのオレゴン大学に留学したんです。自分が何かを見つけて変わりたかったんです。そしてこのオレゴン大学で、私はテコンドーと出会ったんですよ。
最初にテコンドーを見たときは「何となく空手に似てるなぁ~」ぐらいの印象でしたが、ソウルオリンピックでのテコンドーのビデオを見て「これはスゴイ!」って思いましたね。それで今度は、ダウンタウンにあるテコンドー道場に通い始めたんです。そこでは、アメリカらしくデフォルメされたテコンドーの技や形の楽しさ、そして老人から子どもまでが楽しんでやっている姿を見て「将来、こんなふうに楽しんでテコンドーを教える先生になりたい」と思ったんです。そのためには自分が強くなること、世界チャンピオンになるしかないと思ったことで自分が打ち込めるものを見つけたんです。でも、まだ世界チャンピオンにはなれていませんけど(笑)。
実は、テコンドーは女子格闘技の中で競技人口がすごく多いんですよ。200カ国近くが連盟に加盟しているし。どうせやるなら、そんな厳しい中で勝負したいという気持ちもあったしね。それと、試合では「ポイントを取られるんじゃないか」という怖さと、でも負けずに向かっていく意欲や緊張感、集中力がいいんですよ。これがテコンドーの魅力かな。
最初にテコンドーを見たときは「何となく空手に似てるなぁ~」ぐらいの印象でしたが、ソウルオリンピックでのテコンドーのビデオを見て「これはスゴイ!」って思いましたね。それで今度は、ダウンタウンにあるテコンドー道場に通い始めたんです。そこでは、アメリカらしくデフォルメされたテコンドーの技や形の楽しさ、そして老人から子どもまでが楽しんでやっている姿を見て「将来、こんなふうに楽しんでテコンドーを教える先生になりたい」と思ったんです。そのためには自分が強くなること、世界チャンピオンになるしかないと思ったことで自分が打ち込めるものを見つけたんです。でも、まだ世界チャンピオンにはなれていませんけど(笑)。
実は、テコンドーは女子格闘技の中で競技人口がすごく多いんですよ。200カ国近くが連盟に加盟しているし。どうせやるなら、そんな厳しい中で勝負したいという気持ちもあったしね。それと、試合では「ポイントを取られるんじゃないか」という怖さと、でも負けずに向かっていく意欲や緊張感、集中力がいいんですよ。これがテコンドーの魅力かな。
岡本 依子選手からのワンポイントアドバイス
ケリの強さと、ステップの良さがポイント
テコンドーの楽しさは、相手をよく観察し技や動き、スピードを駆使して、いかに試合を組み立てて優位に進めるかです。そのためにはパワーだけを重要視するのでは不十分だと思います。では、私なりの練習アドバイスですが、
(1)ケリの練習
まずテコンドーではケリが大きな武器になります。基本のケリをしっかりと身につけてください。ちなみに私は高校時代、よくサンドバッグを蹴っていましたが、足のあたり方や当たる場所を考えながら蹴ることも大事だと思います。
(2)ステップをよくする
ケリを武器として上手に使うには、ステップをよくして動きをよくすることが大事です。相手のタイミングを読み、フェイントをかけたり絶妙なタイミングで技をかけることがポイントにつながります。
(3)走る
ケリやタイミングには下半身や足を鍛えることも大事ですが、それだけでなく全身運動をしっかりこなすことが最も重要です。走る時にも、ただタイムや距離を基準にするのではなく、無駄のないフォームで走ることが一番です。また無駄のないフォームは競技にも活きてくるものです。
その他にも、練習前のストレッチや相手と組み合っての練習も忘れないでください。またメンタル面では、試合を意識し、相手をイメージしながら技や動きを身につけることも大切です。それと、私が一番アドバイスしたいのは、練習と試合をワンセットと考えてほしいということ。練習で身につけたことを試合で活かしながら、技術、そして精神面でもステップアップを目指してください。
(1)ケリの練習
まずテコンドーではケリが大きな武器になります。基本のケリをしっかりと身につけてください。ちなみに私は高校時代、よくサンドバッグを蹴っていましたが、足のあたり方や当たる場所を考えながら蹴ることも大事だと思います。
(2)ステップをよくする
ケリを武器として上手に使うには、ステップをよくして動きをよくすることが大事です。相手のタイミングを読み、フェイントをかけたり絶妙なタイミングで技をかけることがポイントにつながります。
(3)走る
ケリやタイミングには下半身や足を鍛えることも大事ですが、それだけでなく全身運動をしっかりこなすことが最も重要です。走る時にも、ただタイムや距離を基準にするのではなく、無駄のないフォームで走ることが一番です。また無駄のないフォームは競技にも活きてくるものです。
その他にも、練習前のストレッチや相手と組み合っての練習も忘れないでください。またメンタル面では、試合を意識し、相手をイメージしながら技や動きを身につけることも大切です。それと、私が一番アドバイスしたいのは、練習と試合をワンセットと考えてほしいということ。練習で身につけたことを試合で活かしながら、技術、そして精神面でもステップアップを目指してください。
※この記事は2006年1月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。
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