PROFILE
1967年8月28日生まれ。愛知県豊橋市出身。8才から卓球を始め、愛知県桜丘高等学校、明治大学文学部を経て1993年に日本初のプロ卓球選手となる。国内はもとよりスウェーデン、ドイツ、フランスなど海外のプロリーグでもプレー経験を持ち、ドイツのブンデスリーガでは「ボルシア・デュッセルドルフ」の中軸選手として1999~2000シーズンのチャンピオンズリーグ優勝にも貢献。また1992年のバルセロナ五輪からアトランタ、シドニー、アテネと4大会連続出場を果たし2001年からは日本ナショナルチームの男子コーチも兼任している。全日本卓球選手権大会シングルス・ダブルス優勝11回、世界卓球選手権で2個の銅メダル獲得という輝かしい成績を持つ、日本卓球界の第一人者だ。松下 浩二選手の学生時代・・・
小学校の頃から、高校の卓球部へ練習に通っていました
僕が子どもの頃は、小学生から卓球を始める子は少なかったですね。今のように民間の卓球教室なんて無かったし、もちろん小学校では部活動もありませんから。そんな僕が卓球を始めたのは8才の時で、5才年上で中学の卓球部に入っていた兄の影響ですね。兄が通っていた卓球場によくついて行ってましたから、自然と卓球で遊ぶようになったんでしょうね。すると、だんだんと卓球が面白くなってきて。でも小学生が練習に通える環境も無かったし、小学生の卓球大会もありませんでした。あるのは年1回の市内大会の小学生部門みたいなもの。出場者は僕と双子の兄弟とその友だちの3人ぐらい。だから1位になることも多かったんですよ(笑)。でも、その時の勝つという嬉しさが卓球を好きになっていくことにもつながったんだと思いますよ。
そんな時でした、同じ町内に住む桜丘高校卓球部の監督から声を掛けてもらったのは。「卓球を教えてあげるから、練習に来なさい」と言っていただいたんです。これが真剣に卓球へのめり込んでいくきっかけになり、小学校4年生の時から毎日、高校の卓球部に通いました。考えてみれば、小学生がランドセルをしょって高校に通うんだから不思議なことですよね(笑)。でも、この経験が卓球の上達に結びつきましたね。何たって毎日、高校生と一緒に練習しているんですから。それも桜丘高校卓球部は県でベスト8になるほどの実力。そんな先輩たちが練習相手になってくれるんだから、実際に同じ年頃の相手と競技しても負けることがなかったですね。本当に恵まれていましたね。
でも、そんな僕がなかなか勝てない相手がいたんです。大会などで対戦するたびにいつも僕が2位なんですよ。だからいつも、彼に勝ちたい!強くなりたい!と思ってました。彼も後にプロになり、昨年引退しましたが、僕にとって最高のライバルであり友です。きっと彼の存在がなかったら、今の僕もなかったかも知れませんね。
そんな時でした、同じ町内に住む桜丘高校卓球部の監督から声を掛けてもらったのは。「卓球を教えてあげるから、練習に来なさい」と言っていただいたんです。これが真剣に卓球へのめり込んでいくきっかけになり、小学校4年生の時から毎日、高校の卓球部に通いました。考えてみれば、小学生がランドセルをしょって高校に通うんだから不思議なことですよね(笑)。でも、この経験が卓球の上達に結びつきましたね。何たって毎日、高校生と一緒に練習しているんですから。それも桜丘高校卓球部は県でベスト8になるほどの実力。そんな先輩たちが練習相手になってくれるんだから、実際に同じ年頃の相手と競技しても負けることがなかったですね。本当に恵まれていましたね。
でも、そんな僕がなかなか勝てない相手がいたんです。大会などで対戦するたびにいつも僕が2位なんですよ。だからいつも、彼に勝ちたい!強くなりたい!と思ってました。彼も後にプロになり、昨年引退しましたが、僕にとって最高のライバルであり友です。きっと彼の存在がなかったら、今の僕もなかったかも知れませんね。
卓球とは相手をすごく感じることができる競技
近い距離で相手と向かい合い、その限られたスペースの中で、そして短い時間の中で作戦を考えゲームを組み立てていくことの面白さと難しさ。そしてゼロコンマ何秒という球を打ち合うスピード性があって、はっきり言って考えている余裕がないんですよ。でも、その緊張感がいいんです。それに何より、相手の動きや表情、作戦からゲームの組み立てまで細かく瞬時に読みとらなければ負けてしまいます。勝つためには相手を観察し読み切らないといけないんですよね。もちろん、相手に読み切られないように、焦りや不安を表情に出さないためのポーカーフェイスも必要なんです。だから、すごく相手を感じることのできる競技。それが卓球の魅力じゃないかな。
松下 浩二選手からのワンポイントアドバイス
確かな足の位置を決めて、体重移動とスイングの方向性を大切に
卓球はテニスや野球のように、手で道具(ラケット)を持ってやるスポーツです。でも、手でボールを打つということにこだわりすぎると、体がぶれたり、プレーに幅やバリエーションがなくなり上達の近道とは言えません。大切なのはラケットとボール、そして体と動きのバランスやコンビネーションでしょう。そのためには、まず基本となる練習や身体作りを大切にしてください。
そのうえで大事なポイントは・・・
(1)足の位置をしっかりと決める
卓球台に向かってどのような角度や位置で構えればいいのか。例えば右利きの場合は、左足が前で肩幅よりやや広めのスタンス(構え)をとる。台に向かって斜めに構えることによって、ラケットに垂直にボールをあてやすくなる。
(2) 体重移動とスイングの方向性を決める
構えた足はひざを軽く曲げ、柔軟な動きができる準備態勢を作る。そして左右の足へのリズミカルな体重移動にあわせて、上半身は肩の力を抜き、腕ではなく肩を動かしスイングすることによって、ラケットでボールを送り出してやる。
(3) 基本のスイングをマスターする
足の位置とスイングの方向性が決まったら、次は基本のフォアハンドやバックハンドのストロークを練習しよう。ポイントはボールをよく見て、ラケットの中央に当てること。目安は脇の下を卵ひとつ分くらいあけて、角度を変えずに打ち合いながら基本のスイングをマスターしよう。特にフォアハンドは、手や腕ではなく肩を動かして体でボールを送り出す感覚で。ひじを引きすぎたり、ひじが高く上がってしまわないように注意しよう。
(4)つま先立ちでのフットワークを重点的に
卓球は限られたスペースの中で、実にスピーディーな動きが要求されるスポーツ。だから敏速なフットワークは何より必要になる。日頃からつま先立ちでのフットワーク練習は有効だ。ストレッチや筋肉トレーニングも有効だが、まずは、基本となる土台の足をしっかりと鍛えよう。
(5)ボールに慣れながら、ラリーを多く続ける
プレースタイルや得意技を身につけることは大切だが、それは基本をマスターしてからの応用編。フォームやスタイルが固まるまでは、何よりボールになれてラリーを続けることが大切。単純なようだが、相手にラケットでボールを送り返すという基本プレーを忘れずに。
(1)足の位置をしっかりと決める
卓球台に向かってどのような角度や位置で構えればいいのか。例えば右利きの場合は、左足が前で肩幅よりやや広めのスタンス(構え)をとる。台に向かって斜めに構えることによって、ラケットに垂直にボールをあてやすくなる。
(2) 体重移動とスイングの方向性を決める
構えた足はひざを軽く曲げ、柔軟な動きができる準備態勢を作る。そして左右の足へのリズミカルな体重移動にあわせて、上半身は肩の力を抜き、腕ではなく肩を動かしスイングすることによって、ラケットでボールを送り出してやる。
(3) 基本のスイングをマスターする
足の位置とスイングの方向性が決まったら、次は基本のフォアハンドやバックハンドのストロークを練習しよう。ポイントはボールをよく見て、ラケットの中央に当てること。目安は脇の下を卵ひとつ分くらいあけて、角度を変えずに打ち合いながら基本のスイングをマスターしよう。特にフォアハンドは、手や腕ではなく肩を動かして体でボールを送り出す感覚で。ひじを引きすぎたり、ひじが高く上がってしまわないように注意しよう。
(4)つま先立ちでのフットワークを重点的に
卓球は限られたスペースの中で、実にスピーディーな動きが要求されるスポーツ。だから敏速なフットワークは何より必要になる。日頃からつま先立ちでのフットワーク練習は有効だ。ストレッチや筋肉トレーニングも有効だが、まずは、基本となる土台の足をしっかりと鍛えよう。
(5)ボールに慣れながら、ラリーを多く続ける
プレースタイルや得意技を身につけることは大切だが、それは基本をマスターしてからの応用編。フォームやスタイルが固まるまでは、何よりボールになれてラリーを続けることが大切。単純なようだが、相手にラケットでボールを送り返すという基本プレーを忘れずに。
※この記事は2006年5月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。
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