福藤 豊選手
プロアイスホッケー選手
福藤 豊選手
プロアイスホッケー選手PROFILE
1982年9月17日生まれ。北海道釧路市出身。小学校3年からアイスホッケーを始める。ジュニアリーグで活躍し、中学はホッケーの名門・釧路景雲中学校へ進学し全国優勝を果たす。この活躍から、宮城県仙台市の東北高等学校へ推薦入学。U-18世界選手権や世界ジュニア選手権に出場し、高校生初の日本代表に選出される。卒業後、2001年にコクド(現プリンスホテル/SEIBUプリンスラビッツ)に入社。2002~03年はECHL(NHLの下部組織相当リーグ)のシンシナティ・サイクロンズでプレー、2004年にはNHL(世界最高峰に位置づけられる北米のプロホッケーリーグ)のロサンゼルス・キングスからドラフト指名される。そしてキングス傘下のAHL(NHLの下部組織相当リーグ)マンチェスター・モナークスと1年契約を結ぶが活躍の場には恵まれなかった。しかし翌2005年には、ロサンゼルス・キングスと2年契約を結び、日本人初のNHL選手が誕生。その後、怪我で悩まされたが2005年は初のAHL出場、2006~7シーズンには初のNHL出場を果たした。福藤 豊選手の学生時代は・・・
ホッケーは子どもたちにとって、憧れのスポーツだった
北海道はウィンタースポーツの宝庫ですが、釧路はアイスホッケーが盛んな町です。ほとんどの小学校、中学校にはホッケーチームがあり、子どもたちはみんなホッケーに憧れていました。だから始めたきっかけというよりも、いつも身近にあったので当たり前のようにホッケーに惹かれていきました。小学校時代は、楽しさが勝っていたホッケーですが、中学に入ってからはホッケーに対する意識も変わってきましたね。釧路景雲中学校はホッケーの名門校で、どうしても行きたかったので家族に引っ越しまでしてもらったんです。ホッケー部は部員が50人くらいいて、その中で自分のポジションを確保することがどれだけ大変かを痛感しましたね。でも、試合に出たければ必死になるしかない。中学に入って初めてライバルというものも意識しました。その頃のみんなの目標は全国大会で初優勝をすること。だから中学3年で全国大会決勝に進んだときは、試合前から監督もコーチもみんなして泣きました。3年間の辛かった練習があったからこそここまで来られたんだと。そして残り何十秒で逆転し優勝したときは、まさに感動の嵐でしたね。
高校はスカウトを受けて、宮城県の東北高等学校へ入学。この頃は「将来は実業団で」とハッキリとした目標もありましたから、県外に出て色んな選手とプレーすることもいいんじゃないかと思いました。インターハイ出場が必至だと感じていて、北海道でプレーするより僕の活躍するチャンスも多いと考えたんですよ。すなわち実業団にアピールできるチャンスですから(笑)。そして高校時代には国内外のいろんな選手権も経験できました。何より日本代表に選出されたことは将来に大きなプラスとなりました。
高校はスカウトを受けて、宮城県の東北高等学校へ入学。この頃は「将来は実業団で」とハッキリとした目標もありましたから、県外に出て色んな選手とプレーすることもいいんじゃないかと思いました。インターハイ出場が必至だと感じていて、北海道でプレーするより僕の活躍するチャンスも多いと考えたんですよ。すなわち実業団にアピールできるチャンスですから(笑)。そして高校時代には国内外のいろんな選手権も経験できました。何より日本代表に選出されたことは将来に大きなプラスとなりました。
学生時代の、そして現在の夢は・・・
あの興奮のリンクに、必ず戻ってみせる!
僕は高校進学で北海道を出た時、「どうして北海道でプレーを続けないんだ、間違った選択じゃないのか」と言われていたんです。だから、なんとしても実業団に入りたかった。みんなに僕の選んだ道を証明したかった気持ちもありました。そして実業団に入ったからこそ、世界への道にも繋がったんです。学生時代はアメリカでプレーをしている日本人選手もいなかったので情報も知識も少なかった。だからNHL(世界最高峰に位置づけられる北米のプロホッケーリーグ)なんて夢のまた夢でした。ところが実業団では世界選手権に出場させてもらえるチャンスにも恵まれて、世界レベルのプレーヤーたちを見た時、「世界のトッププレーヤーに混じってプレーしたい!」という気持ちが沸々と湧いてきたんです。そして、当時のコクド(現プリンスホテル/SEIBUプリンスラビット)に申し込んで留学をさせてもらいました。試合にも出られなくて待遇面でも辛い思いをしましたが、その経験があったからこそ今の自分があると思っています。下部のチームに降格したら、その場所で次に繋がるプレーを頑張ればいいんだと思えるようになりました。そして、やっとつかんだNHLの出場。それは今までに味わったことのない空気感でした。周りはスター選手ばかりですし(笑)。メジャーだと2万以上はいるリンクでプレーするんですよ。声援やヤジもたくさん飛んでくるけど、あの興奮はたまりませんね。だから絶対、あの場所に戻りたい!
福藤 豊選手からのワンポイントアドバイス
初心者に大事なのは、下半身の強化練習
アイスホッケーは、氷上の格闘技とも言われるくらい激しいスポーツです。スピードや選手同士の激しいぶつかり合いもさることながら、何より氷上をスピーディーに自由自在に動き回るのは大変な体力と強固な下半身が必要です。その為には、下半身を鍛える練習を中心にやってください。
僕の学生時代の練習はというと、
(1)陸上トレーニング・・・10kmのランニングと、300mトラックを、決められたタイム内でこなすダッシュ10本。下半身を鍛えるにはやはり走り込みは欠かせません。
(2)腹筋・背筋・・・高校生の時は、ウエイトトレーニングはしませんでしたが、激しい動きや相手のアタックに耐えられるように腹筋と背筋を鍛えておくことも大事です。
(3)チェックの練習・・・試合でパックを奪い合う時にはボディコンタクトといって相手選手にチェックする(あたっていく)こともあります。その上、氷上では予想もしないスピードが出ます。激しいチェックに耐えるためにも、まずは陸上でぶつかる練習もしておきましょう。
(4)氷上練習・・・パックとスティックを使ってシュートとパスの練習。そして氷上で自由自在に動き回るためには、優れたスケーティングも必要です。
以上が基本練習ですが、僕の学生時代には氷上でパックを使わずにダッシュで走りまくるという激しい練習もありました。陸上よりもかなり体力がいりますが、これを毎日、朝と夜にやっていましたね。それともう一つ、テニスボールを後ろから投げてもらい、前の壁に当たって跳ね返ったボールをキャッチするという練習もしました。これは動体視力を鍛える訓練にもなります。特に夜は見えにくいので効果的です。
僕の学生時代の練習はというと、
(1)陸上トレーニング・・・10kmのランニングと、300mトラックを、決められたタイム内でこなすダッシュ10本。下半身を鍛えるにはやはり走り込みは欠かせません。
(2)腹筋・背筋・・・高校生の時は、ウエイトトレーニングはしませんでしたが、激しい動きや相手のアタックに耐えられるように腹筋と背筋を鍛えておくことも大事です。
(3)チェックの練習・・・試合でパックを奪い合う時にはボディコンタクトといって相手選手にチェックする(あたっていく)こともあります。その上、氷上では予想もしないスピードが出ます。激しいチェックに耐えるためにも、まずは陸上でぶつかる練習もしておきましょう。
(4)氷上練習・・・パックとスティックを使ってシュートとパスの練習。そして氷上で自由自在に動き回るためには、優れたスケーティングも必要です。
以上が基本練習ですが、僕の学生時代には氷上でパックを使わずにダッシュで走りまくるという激しい練習もありました。陸上よりもかなり体力がいりますが、これを毎日、朝と夜にやっていましたね。それともう一つ、テニスボールを後ろから投げてもらい、前の壁に当たって跳ね返ったボールをキャッチするという練習もしました。これは動体視力を鍛える訓練にもなります。特に夜は見えにくいので効果的です。
※この記事は2007年9月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。
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