鹿島 丈博さん
元体操選手 アテネオリンピック金メダリスト
鹿島 丈博さん
元体操選手 アテネオリンピック金メダリストPROFILE
大阪府大阪市生まれ。身長169cm、体重61kg。3歳から体操を始める。得意種目はあん馬。膝とつま先まで伸びた体の線の美しさと、体操選手としては比較的長身である169cmの身長、長い手足を生かしたダイナミックで雄大な演技が特徴。あん馬のスペシャリストである。中学3年生で全日本選手権のあん馬を男子史上最年少記録で制す。2003年世界選手権においては、世界選手権・オリンピックを通じて日本体操史上初となるあん馬での金メダル獲得となった。同年11月紫綬褒章を受章。アテネオリンピックでは団体で優勝、種目別でもあん馬で3位に輝いた。その後、2006年1月に左肩の手術、復帰後の2007年の世界選手権直前には左手の甲を骨折するなど、数々の怪我に悩ませられる。しかし、2008年の北京オリンピックでは、団体での銀メダル獲得に貢献した。2008年10月末に引退を表明。引退後は大東文化大学の専任講師となる。鹿島 丈博さんの学生時代は・・・
なにげなく通った体操クラブがライフワークに
兄が通っていた近所の体操クラブに連れられて行ったのが最初です。それで一緒にやってみればと誘われた…それがきっかけです。でも兄が小学4、5年生の頃に、クラブをやめると言い出したんです。それで僕も「お兄ちゃんが行かないならやめる」と言い出したんですが、先生に「なんでやめんねん」と聞かれると、本当はやめる理由がなくて「じゃあ、お兄ちゃんの年になるまでやってみたらいいんちゃうか」という事になって、続けてみました。体操自体は好きでしたし、面白かったので、そこからのめり込んでいきました。だから兄の年になった時でも「お前いつ辞めんねん」と言われましたが「がんばります」と言えましたね。
小学生の頃から学校の部活じゃなくて、外の体操クラブに通っていたので、中学生になっても部活動というのはやっていなかったです。高校に入ると体操部というのがあったので、そこからはずっと部活動で体操をやってましたね。部活は授業が終わって、4時半ぐらいから夜の9時ぐらいまでやってました。その後にさらにトレーニングの時間を設けたりしていたので、自宅での夕飯はいつも遅かったです。食欲はかなりあったんですが、本当に疲れると食べる元気もなく、箸も持ちたくないような日もありました。でも学校は楽しかったです。高校では別の運動部の人達と一緒にトレーニングをしたりして、色々な人達と知り合いになれたので、それは本当に面白かったです。
小学生の頃から学校の部活じゃなくて、外の体操クラブに通っていたので、中学生になっても部活動というのはやっていなかったです。高校に入ると体操部というのがあったので、そこからはずっと部活動で体操をやってましたね。部活は授業が終わって、4時半ぐらいから夜の9時ぐらいまでやってました。その後にさらにトレーニングの時間を設けたりしていたので、自宅での夕飯はいつも遅かったです。食欲はかなりあったんですが、本当に疲れると食べる元気もなく、箸も持ちたくないような日もありました。でも学校は楽しかったです。高校では別の運動部の人達と一緒にトレーニングをしたりして、色々な人達と知り合いになれたので、それは本当に面白かったです。
鹿島 丈博さんの現役時代
目標を立てると、意識も変わる
ずっとオリンピックに行きたいとは思っていました。ただ今まで夢だったものが、具体的な目標に変わった瞬間はシドニーオリンピックの選考会の時です。その時は最終選考会まで残ったんですが、結果は全く手の届かない感じで終わりました。その時、一緒に練習をしていた原田さん(原田睦巳さん)が代表になられたんですけど、彼は大学院に行きながら修士論文も書いて、さらにすごい練習をしているのを目の当たりにした時は「選ばれる人はすごいな」と実感しました。でもあれぐらいやればオリンピックに行けるんだという良いお手本になりました。
本当にオリンピックが夢じゃなくなったのは、今までの練習じゃ全然ダメだというのに気付いてからです。自分の中で変わったという実感が確実にありました。単に練習量を増やすということじゃなく、目標設定の仕方や心の持ち方を考慮にいれ、かなり計画的に練習するようになりました。やっぱり目標をたてると、いろんなものが見えてきます。出来ない事、やりたい事がいっぱい出てくると今まで思ってたオリンピックというものが、さらに遠く感じました。自分の力がいかに足りないかをすごく実感しました。しかし、同時にやりがいもすごく感じ、毎日練習のメニューを考え、充実した日々を過ごせました。これまでも同じような練習をしていたとは思うんですが、意識がすごく変わり、毎日の練習の大切さを改めて感じました。
本当にオリンピックが夢じゃなくなったのは、今までの練習じゃ全然ダメだというのに気付いてからです。自分の中で変わったという実感が確実にありました。単に練習量を増やすということじゃなく、目標設定の仕方や心の持ち方を考慮にいれ、かなり計画的に練習するようになりました。やっぱり目標をたてると、いろんなものが見えてきます。出来ない事、やりたい事がいっぱい出てくると今まで思ってたオリンピックというものが、さらに遠く感じました。自分の力がいかに足りないかをすごく実感しました。しかし、同時にやりがいもすごく感じ、毎日練習のメニューを考え、充実した日々を過ごせました。これまでも同じような練習をしていたとは思うんですが、意識がすごく変わり、毎日の練習の大切さを改めて感じました。
鹿島 丈博さんからのワンポイントアドバイス
地味でも積み重ねが目標への最短距離
(1)目標を持とう・・・やっぱり核となる目標、自分がどうなりたいのかというものはしっかり持ってもらいたいです。それぞれに気付くところやポイントはあると思うんですけど、それが早ければ早いほうがいいと思います。毎日の練習に追われて見え辛くなる部分だと思います。しかし本当に自分がどうなりたいかという目標が明確であればあるほど、こうしてみようというアイデアが出てくると思います。
(2)積み重ねを大切に・・・中学2年生の頃、一気に身長が伸びて筋力が追いつかなくなり今まで出来ていた事が急に出来なくなったんです。その時、指導者に言われたのが「基本に戻れ」という事。体力作りとか基本の技、旋回などをやり直しました。みんなにもそういう練習での積み重ねを大切にステップアップしてもらいたいですね。すぐにでもいろんな技をやりたいでしょうけど、それだと体を痛めたりするので、かなり地味なトレーニングを積み重ねることが大切だと思います。
(3)しっかり休もう・・・大学時代は何日間練習したら1日休養日がありました。練習のリズムというか、そこのやり方がボクにはすごく合っていました。やっぱり休息は大事なんです。休む時には休まなきゃいけないし、しんどい時に無理しても良い成果は上がりません。メリハリをつけることが大事だと思います。あと食事のバランスも考えていけたら怪我も減るだろうし、練習前と練習後のストレッチとかは大切にしてほしいですね。
(2)積み重ねを大切に・・・中学2年生の頃、一気に身長が伸びて筋力が追いつかなくなり今まで出来ていた事が急に出来なくなったんです。その時、指導者に言われたのが「基本に戻れ」という事。体力作りとか基本の技、旋回などをやり直しました。みんなにもそういう練習での積み重ねを大切にステップアップしてもらいたいですね。すぐにでもいろんな技をやりたいでしょうけど、それだと体を痛めたりするので、かなり地味なトレーニングを積み重ねることが大切だと思います。
(3)しっかり休もう・・・大学時代は何日間練習したら1日休養日がありました。練習のリズムというか、そこのやり方がボクにはすごく合っていました。やっぱり休息は大事なんです。休む時には休まなきゃいけないし、しんどい時に無理しても良い成果は上がりません。メリハリをつけることが大事だと思います。あと食事のバランスも考えていけたら怪我も減るだろうし、練習前と練習後のストレッチとかは大切にしてほしいですね。
※プロフィール等は2010年5月時点のものです。
2/2ページ