【特集】井上康生選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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井上 康生さん プロフィール

井上 康生さん

元柔道家 シドニーオリンピック金メダリスト

PROFILE

1978年5月15日生まれ。宮崎県出身。柔道五段。5歳から柔道を始め、東海大学付属相模高校では全国高校選手権で個人、団体ともに優勝を果たし、3年生時には山下泰裕以来の高校生での全日本選手権出場という快挙を達成する。東海大学へ進学後、99年のバーミンガム世界選手権に初出場して初優勝し、翌2000年のシドニーオリンピック100kg級では見事金メダルを獲得した。その後、全日本選手権と世界選手権をともに3連覇し、04年のアテネオリンピック100kg級にも出場。その他にも、全日本選抜体重別選手権や講道館杯、嘉納治五郎杯などの大会で数々のタイトルを持つ。卒業後は綜合警備保障に所属し活躍を続けるが、08年の全日本選手権への出場を最後に現役を引退。指導者の道を選び、スコットランドで2年間の留学生活を経験。11年3月に綜合警備保障を退職し、4月からは東海大学体育学部武道学科専任講師、東海大学柔道部副監督に就任する。

井上 康生さんの学生時代は・・・

宮崎県に家族を残し、初心を忘れず猛練習の毎日

井上 康生さん写真
 柔道を始めたのはまだ5歳の時、警察官だった父の練習を見に行ったことがきっかけだったんです。道場では、小柄な父が、得意の内またで大きな相手を投げ飛ばしている。そんな姿にすごく憧れて、私もすぐに練習を始めました。最初に覚えたのは背負い投げと大外刈りで、もう楽しくて仕方がなかったです。小学5年生ぐらいの時には、「僕は柔道のために生まれてきた。だから、一生かけて柔道を極めていきたい」と生意気を言っていたらしいですから。父もそれを十分理解してくれて、やる気があるなら本当に強くなる場所へ身を置けと、全国屈指の強豪である東海大学付属相模高校へ進学することになりました。
 家族を残して一人で行った神奈川県では慣れない寮生活に苦戦しました。それまで母がやってくれていた食事や洗濯などを全て自分自身でやらなければいけないので、最初は大変でした。もちろん練習は、中学時代とは比べものにならない量をこなさなければいけません。学校のある日は、朝に1時間半のトレーニングをして、午後になると3時間半ほど練習をしていました。休みの日はそれに加えて、午前中に2、3時間の練習が入ります。さらに、東海大学の練習に加わって先輩方の胸を借りる日もありましたからね。もちろんハードでしたが、ここに来たのは、強くなるため。「なんのためにこの場所にいるのか」と自分に問いかけることで、初心を忘れずに柔道に取り組んでいくことができました。また、自分を送り出してくれた家族のことを思えば、ここで私自身が弱くなったら申し訳ないし、情けない。自分なりにしっかりしたプライドを持って毎日練習していました。

柔道を通して学んだことは・・・

強い意志を持ち続けることで、夢は叶う

井上 康生さん写真
 高校生の時から自分の夢や目標というものをしっかりと見据えて、それに向かって努力をしていました。それはまず全国高校選手権で個人、団体ともに優勝すること。また、子供のころからの夢であるオリンピックで頂点に立つことです。何より「ここに来たのは日本一、いや、世界一を目指すためだ」という強い気持ちできつい練習を乗り越えてきました。また、これは東海大学付属相模高校を選んだ理由の一つでもあるのですが、OBである山下泰裕先生の存在も大きかったです。全日本選手権9連覇など誰も打ち破れないような記録を持ち、人間的にも素晴らしいあの偉大な方に少しでも追いつきたい。そのためには「日本で、世界でトップになるのは当たり前なんだ」という気持ちでやっていました。
 もちろん怪我をしたり、疲労がたまって調子が悪い時もありました。悩んだり、気持ちが乗らない日もありましたが、畳に上がると余計な考えがスッと消えて集中できるんです。モチベーションという意味では、環境も大きかったと思います。なにせ、頂点を目指すために全国から集まった集団でしたので、周りを見るとそういう連中ばかりです。1日練習を休めばそれを取り戻すのに3日はかかるといわれる世界です。自分になにか迷いがあれば、他の連中はすぐに私を超えていくだろうという良い意味での危機感を持っていました。
 最終的には強い意志を持ち続けたからこそ、自分の夢であったオリンピックでの優勝などが叶えられたのだと思います。柔道によって井上康生という人間ができたと感じていますし、それによって今に通ずるいろいろな道が開けてきたんだと思います。

井上 康生さんからのワンポイントアドバイス

受け身一つから、いろいろな要素が学べる

井上 康生さん写真
 練習の内容や進め方は指導者によってそれぞれだと思いますが、ここでは大事な基礎を理解し、身につけてもらえたらと思います。
(1)受け身を身につける・・・柔道でまず覚えなくてはいけないのは受け身ですが、これは他のスポーツにも応用できると思います。また、日常生活の中でも十分に役立ちます。転んだ時などにしっかりと受け身をとれれば、怪我の予防にもなります。また、受け身を覚えることは同時に痛みを理解することでもあるんです。人の痛みを感じとることで「投げたり殴ったりしたら痛いんだな」と分かれば人への接し方も変わってくるはずです。このように、受け身一つからさまざまなことを学べ、それは自分自身の糧になっていきます。受け身ができて初めて技を覚えたり、次の段階へ入っていけばいいのではないでしょうか。そうやって柔道の楽しさを感じてもらいたいですね。
(2)人間性を育成する・・・柔道には競技性だけでなく、教育的価値もあります。たとえば、礼に始まり礼に終わることは相手をしっかりと尊敬する心を見せ、お互いの健闘を称えあう姿勢を表わしています。道場の畳をまたぐ時も一礼して精神を落ち着かせると共に、激しい練習を行う場所に対しての敬意を表します。チャンピオンになるには素質が必要な部分もありますが、それだけでは本当に強くなることはできません。現在、私は全日本のナショナルコーチとして指導者という立場ですが、日本の柔道界を強くしなければという使命感と同時に、これからの日本の柔道界を背負う人には強さだけではない人間性を持った人になってもらいたいですね。
 柔道で大事な要素、そしてみなさんに身につけてほしいことは大きく分けてこの2つですが、やはり一番大事なのは柔道を好きになることでしょう。好きになればきついことや辛いことも耐えられるでしょうし、何事も上達するためには根気や忍耐は最も重要だと思います。

井上 康生さんからみんなへメッセージ

今の自分がいるのは、周りの支えがあってこそ

井上 康生さん写真
 どんな状況でも自分の夢や目標、希望をしっかりと持ち続けていくことが大事です。自分がこれまで生きてきた中で何かを達成するにあたって大切だったのは、やはりそういう気持ちの部分が大きかったと思います。みんな状況は違うと思いますが、例えばこれが学びたい、この仕事に就きたい、こういう自分になりたいとかそれぞれの目標を立てて、それに向かって突き進んでいくことができれば一番素晴らしいのではないでしょうか。
そして忘れないでほしいことが、人と人とのつながりです。自分が勉強をしたり、好きなスポーツができるのも家族や先生、友人など周りのいろんな人たちに支えられているからですよね。一人で生きていくことはできないし、みんながいるから今の自分がある。そのことを忘れないで生きていくことが大事です。
私自身は柔道の世界で生きていますが、ここまで来るまで本当にいろいろな人に支えられてきたと実感しています。それはやっぱり、みんなも同じだと思いますから周りの人への感謝を忘れないでほしいですね。

※プロフィール等は2011年2月時点のものです。

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一