PROFILE
1984年1月9日生まれ。埼玉県出身。中学時代よりバレーボールをはじめ、埼玉県の強豪校・深谷高校に進学。高校時代は「春の高校バレー」で優勝。筑波大学でもバレーボール部の主将を務め、卒業後はVプレミアリーグの堺ブレイザーズに所属、2006年のワールドリーグで全日本代表に選抜される。2006年9月から翌年の4月まで、ブラジルのサンパウロ・ウィザード・タウバティー、ウルブラに移籍し外国人選手として試合に出場した。帰国後は再び堺ブレイザーズに所属し、チームのウイングスパイカーとして、また全日本代表選手として活躍。2010/2011シーズンでチームは5季ぶりの優勝を果たし、石島選手は2年連続のベスト6、初の最高殊勲選手賞を受賞。石島 雄介選手の学生時代は・・・
バレーをやるなら、一番強いチームでやりたかった
僕の父が学生時代から剣道をやっていたこともあって、小学校3年生から僕も剣道を習い始めました。そのまま中学に進学しても剣道を続けていくつもりだったし、警察官になって剣道のスペシャリストになりたいななんて思っていました。ところが中学には剣道部が無くて、でも週末には剣道の練習を続けていくのに支障のない部活と思ってバレー部に入部したんです。入部した時は5人しかいなくて試合もできなかったんですよ(笑)。ですから当時は「週末には剣道の練習があるので、バレーの練習には出られません」って言っていました。当時の僕にとって、バレーボールは高校で剣道部に入るまでのつなぎのような思いがあったんです。
中学2年になってバレー部に新入部員が2人入って、やっと試合ができるようになったんですが初試合では惨敗でした。でも、すごく楽しかったんです。それまで、ろくに練習もしてこなかったし強いわけはないですよね。ただ試合に出られたことが楽しかったんです。ただ僕らは、試合に出られた楽しさが忘れられなくて、僕自身どんどんバレーにのめり込んでいきました。そして中学3年の進路決定の頃、身長の高かった僕に「うちでバレーをやってみないか」と声をかけてくれたのが、当時、埼玉でバレーの一番強かった深谷高校でした。普通科で勉強もしっかりできるし大学進学への選択肢も多いと思ったこと、そしてもう一つは、やはりバレーをやるなら県下でも1番の高校でやりたかったという思いもあって入学を決めました。中学校では県大会にも行けない弱小チームだったので、強豪校のバレーボール部には最初、面食らっちゃいました(笑)。練習もチームの雰囲気にも。でも、もうその頃はバレーが大好きだったから。
ただ当時の僕は我が強くて、妙にプライドも高い所があったんです。だから監督や仲間にも反抗したりして、一時バレーから気持ちが離れそうになったこともありました。でも監督もチームメイトも僕を見捨てること無く接してくれました。またクラスの友だちも、バレーをやってることに関係なく僕とつき合ってくれたことが僕の気持ちを変えていってくれたんだと思います。
中学2年になってバレー部に新入部員が2人入って、やっと試合ができるようになったんですが初試合では惨敗でした。でも、すごく楽しかったんです。それまで、ろくに練習もしてこなかったし強いわけはないですよね。ただ試合に出られたことが楽しかったんです。ただ僕らは、試合に出られた楽しさが忘れられなくて、僕自身どんどんバレーにのめり込んでいきました。そして中学3年の進路決定の頃、身長の高かった僕に「うちでバレーをやってみないか」と声をかけてくれたのが、当時、埼玉でバレーの一番強かった深谷高校でした。普通科で勉強もしっかりできるし大学進学への選択肢も多いと思ったこと、そしてもう一つは、やはりバレーをやるなら県下でも1番の高校でやりたかったという思いもあって入学を決めました。中学校では県大会にも行けない弱小チームだったので、強豪校のバレーボール部には最初、面食らっちゃいました(笑)。練習もチームの雰囲気にも。でも、もうその頃はバレーが大好きだったから。
ただ当時の僕は我が強くて、妙にプライドも高い所があったんです。だから監督や仲間にも反抗したりして、一時バレーから気持ちが離れそうになったこともありました。でも監督もチームメイトも僕を見捨てること無く接してくれました。またクラスの友だちも、バレーをやってることに関係なく僕とつき合ってくれたことが僕の気持ちを変えていってくれたんだと思います。
筑波大学からVリーグへ、そして世界のコートへ
個人の能力を積み重ねて作る強さが、日本の持ち味
筑波大学に進学したのも「日本一強い大学チームでやりたい」という希望があったからです。バレーにおいても一番の大学でこそ学べることがあるんじゃないかと思っていました。実際、高校でもたくさんのことを学び、経験できたという確信がありましたから。でも大学のチームは、さすがに半端じゃないくらいキツかったです。体力的だけでなく、精神的にも強くなければついていけない世界でした。だから、この経験をしたからこそ何でも我慢できる、どんな環境でも自分の力を発揮することを身につけることができたんだと思います。
大学時代にも堺ブレイザーズには合宿などで参加させてもらっていて、海外チームへの挑戦を快く認めてくれたのは堺ブレイザーズだけでした。海外でプレーすることが一番の希望で、その前に少しV(プレミアリーグ)のチームでやりたかったんです。でも、どのチームも認めてはくれませんでした。堺ブレイザーズだけが「いいよ」って言ってくれたんです。チームの心の広さにびっくりしたのと、実際にチームの一員としてプレーさせてもらったときにすごく自分にはあっていると感じました。僕は人と馴染むのに時間がかかるんですが、このチームでは1週間で馴染んでいましたから(笑)。
そしてブラジルでのプレーが実現したんです。ブラジルでの印象は、選手はフレンドリーなんだけどバレーに関してはシンプルに厳しい。異国で生活しプレーすることの難しさを実感しました。でも学び感じることは多かった。まずブラジルのバレーは個人スポーツかと思うほど、個人の個性や技術が際立っていました。「僕は僕の仕事をしっかりとやるから、おまえも自分の仕事をやれ」みたいな感じで、すごくシンプルです。だから個々の力が集まると爆発的なものになる。それに比べて日本はコートの内外でも上下関係や信頼関係があって、個人の能力を積み重ねて作っていく強さだと感じます。だからこそチームワークが大事だし、チームの核や中心を示してくれる選手がいて、そこに向かってみんなが集中できるのがいい所だと思います。いい相乗効果になってチームとしてもまとまりができ強くなる。これが日本バレーのスタイルだと思います。
大学時代にも堺ブレイザーズには合宿などで参加させてもらっていて、海外チームへの挑戦を快く認めてくれたのは堺ブレイザーズだけでした。海外でプレーすることが一番の希望で、その前に少しV(プレミアリーグ)のチームでやりたかったんです。でも、どのチームも認めてはくれませんでした。堺ブレイザーズだけが「いいよ」って言ってくれたんです。チームの心の広さにびっくりしたのと、実際にチームの一員としてプレーさせてもらったときにすごく自分にはあっていると感じました。僕は人と馴染むのに時間がかかるんですが、このチームでは1週間で馴染んでいましたから(笑)。
そしてブラジルでのプレーが実現したんです。ブラジルでの印象は、選手はフレンドリーなんだけどバレーに関してはシンプルに厳しい。異国で生活しプレーすることの難しさを実感しました。でも学び感じることは多かった。まずブラジルのバレーは個人スポーツかと思うほど、個人の個性や技術が際立っていました。「僕は僕の仕事をしっかりとやるから、おまえも自分の仕事をやれ」みたいな感じで、すごくシンプルです。だから個々の力が集まると爆発的なものになる。それに比べて日本はコートの内外でも上下関係や信頼関係があって、個人の能力を積み重ねて作っていく強さだと感じます。だからこそチームワークが大事だし、チームの核や中心を示してくれる選手がいて、そこに向かってみんなが集中できるのがいい所だと思います。いい相乗効果になってチームとしてもまとまりができ強くなる。これが日本バレーのスタイルだと思います。
石島 雄介選手からのワンポイントアドバイス
自分で考えて努力するからこそ、身につく力
一般的に高校生のバレー部の練習というのは、ウォーミングして、パス、レシーブ、スパイク、そしてゲーム練習というのが多いと思うんです。深谷高校でもメニューは同じですが、少し違っていました。まず練習時間も朝練と夕方の練習を3時間。これは高校のトップチームの練習としては決して長くはありません。でも内容こそが大事なんだと思いました。ちなみに練習メニューは
(1) ウォーミングアップと体力トレーニング
(2) サーブ・レシーブの練習
ここまでは同じですが、そんなに長い時間はやっていませんでした。
何より重点的に練習したのは
(3) ブロックとスパイク
この練習が徹底していました。ゲーム形式でもひたすらブロックとスパイクの練習です。そしてポイントは、何が何でもスパイクを決める、なんでもいいからブロックする、どんな形でもいいからレシーブし返す。すごくシンプルなんです。でもこれが基本的なことじゃないでしょうか。ただ、そこで重要なことは「どうやって決めるか、どうやって返すか」を自分自身が考えながら練習することなんです。
監督はスタイルなんかは言いません。でも決めなければ怒られる。だから決めるために考えるんです。練習というのは、やらされるものじゃなく、自分で考えて向上心を持って挑まなければ身にはつかないと思います。そのかわり自分で考えて得たものは、伸びる可能性も大きいんです。
最後にサーブ、スパイクのポイントは、「体の中心で打つ」です。レシーブやパスにおいても同じです。力を発揮するにはバランスがいいことが大事だと思います。このことも頭において、基本練習を積み重ねていくことが上達の一番の近道だと思います。
(1) ウォーミングアップと体力トレーニング
(2) サーブ・レシーブの練習
ここまでは同じですが、そんなに長い時間はやっていませんでした。
何より重点的に練習したのは
(3) ブロックとスパイク
この練習が徹底していました。ゲーム形式でもひたすらブロックとスパイクの練習です。そしてポイントは、何が何でもスパイクを決める、なんでもいいからブロックする、どんな形でもいいからレシーブし返す。すごくシンプルなんです。でもこれが基本的なことじゃないでしょうか。ただ、そこで重要なことは「どうやって決めるか、どうやって返すか」を自分自身が考えながら練習することなんです。
監督はスタイルなんかは言いません。でも決めなければ怒られる。だから決めるために考えるんです。練習というのは、やらされるものじゃなく、自分で考えて向上心を持って挑まなければ身にはつかないと思います。そのかわり自分で考えて得たものは、伸びる可能性も大きいんです。
最後にサーブ、スパイクのポイントは、「体の中心で打つ」です。レシーブやパスにおいても同じです。力を発揮するにはバランスがいいことが大事だと思います。このことも頭において、基本練習を積み重ねていくことが上達の一番の近道だと思います。
※プロフィール等は2011年9月時点のものです。
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