【特集】山縣亮太選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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山縣 亮太選手 プロフィール

山縣 亮太選手

陸上競技選手(セイコーホールディングス所属)

PROFILE

1992年6月10日生まれ。広島県広島市出身。小学4年生から陸上クラブに通い始め、翌年の全国大会では100mで8位に入賞。修道中学校時代は全日中にも出場した。修道高校時代は広島県高校総体100m3連覇をはじめ国体少年B100m、中国高校総体100mなど、数々の大会で優勝。特に高校3年時は200mやリレーなどの優勝も含め、広島県高校総体・中国高校総体では4冠という成績を残した。また高校2年生の時に出場した世界ユースでは100mで4位、メドレーリレーでは銅メダルを獲得した。慶應義塾大学総合政策学部に進学後は、2011年国体3位、2012年織田記念1位、2012年日本選手権3位などの好成績を出し、2012年のロンドンオリンピックに出場。100mでは準決勝、4×100mリレーでは決勝に進出し5位入賞を果たした。2013年の日本選手権では初優勝を果たしユニバーシアードでは100m、4×100mリレー共に2位。そして大学卒業後はセイコーホールディングスに入社、2016年のリオデジャネイロオリンピックを目指す。

山縣 亮太選手の学生時代は・・・

自分が勝てる種目で勝負したい!

山縣 亮太選手写真
 子どもの頃からスポーツが好きで、小学生からサッカーと野球をやっていました。実は、その頃からメダルとか賞状といったものが大好きで、大会に出場して賞状とかをもらえるのが嬉しくて(笑)。そんな時、2歳上の兄が陸上の大会で8位入賞の大きな賞状をもらってきたんです。すごく羨ましくて、僕もその大会に出て賞状がもらいたいと思ったのが陸上を始めたきっかけですね(笑)。そして小学校4年生から広島ジュニアオリンピアクラブ(JOC)に入り、本格的に陸上を始めることになりました。当時は陸上クラブが少なかったのですが、JOCはあの為末大選手も通っていた、地元では有名なクラブでした。でも当時の夢はプロ野球選手で、当初は野球、サッカー、陸上をかけもちでやっていました(笑)。ところが小学4年生の時、初めて出場した広島市の陸上大会で優勝し「自分が勝てる種目で勝負したい!」と思うようになり、陸上以外は段々に気持ちも遠ざかっていった気がします。そして5年生で出場した日清食品カップで8位になり、走りで1番になりたいと強く思うようになりました。
 修道中学校時代は陸上部で、全日中という全国大会出場を目標に、そして修道高校時代はインターハイ出場を目標に練習に打ち込んでいました。そして高校2年生の時に世界ユースに出場しましたが、当時はそんなに世界とのレベルの差は感じなかったですね。でもこの出場をきっかけに、国内だけでなく世界の大会でも上を目指したいと思うようになりました。ところが高校時代は、部活以外の思い出と言ったらあまり無いんです(笑)。僕のクラスは国立大学を目指す生徒が多かったので、僕みたいに部活に打ち込んでいる生徒は珍しかったのかもしれませんね。

慶應大学進学、そしてオリンピック出場へ・・・

日本ジュニア記録樹立!オリンピックはもう雲の上の話ではない

山縣 亮太選手写真
 高校時代、広島県高校総体をはじめ、中国高校総体などで優勝できたことは、その後の進路選びにも大きな影響を与えたと思います。大学に進んでも陸上を続けたかったし、もちろん勉強や卒業後のこともいろいろと考えました。そして選んだのが慶應義塾大学でした。特に陸上を続ける環境として考えた時、「慶應競走部の自由な競技環境だったら、自分のやりたい練習が出来る」と思ったし、ここならもっと上を目指せると確信できました。実際、オリンピックというものをはっきりと意識したのも大学生になってからでした。それまでは漠然とした夢だったものが、大学1年の時の山口国体で100m、10秒23という当時の日本ジュニア記録で優勝したんです。これは翌年のロンドンオリンピック参加出場記録を少し超えたものでした。これでオリンピック出場の可能性も見えたし、雲の上の話ではなくなったと初めて感じました。
 そして翌年、オリンピック出場が決まった時は、僕自身すごく調子も記録も良かったので「日本チームを引っ張っていくんだ」というくらいの意気込みで臨みました。でもやはり、オリンピックというのは特別な大会だなと感じましたね。スタジアムに6万人という観衆が詰めかけ、まるで地鳴りのような歓声がわき起こるんです。そんな会場で皆の視線を受けて走るなんて、今までに経験ありませんから。ただ世界のトップランナーが同じスタートラインにいても、意外と開き直ってプレッシャーは感じませんでしたね。それよりも100mで準決勝、リレーでは5位入賞という結果は、その後の進路において大きなターニングポイントになりました。大学卒業後も、競技者の道を進む決心が生まれた時だったのかもしれませんね。

山縣 亮太選手からのワンポイントアドバイス

体幹を鍛えて、質の良い走りでタイムを伸ばす

山縣 亮太選手写真
 中学・高校時代はひたすら走ることが練習の多くを占めていました。当時は、走る筋肉は走って作るという考えを持っていましたから。でも、高校時代に骨折をしてしまい半年間走れない時期がありました。その時にトレーニングに加えたのが、補強の筋トレでした。走りにおいて体幹を鍛えることの大事さを改めて感じることが出来ました。ちなみに僕が高校時代にやっていた練習の内容は・・・
(1)ウォーミングアップ・・・100mを2往復ぐらい軽く流して体と筋肉をほぐしておきます。
(2)体操・・・これは主にストレッチです。走る時に使う筋肉や関節を柔軟にしておくことが大事だと思います。怪我の防止にも重要なトレーニングです。
(3)ドリル・・・これはメイン練習に入る前に、動きづくりといって予備動作で体をほぐしておくことです。特に短距離は股関節をよく使う競技なので、十分にほぐすようにしていました。
(4)流し・・・トラックを流して走ります。
*ここまでが準備運動ですが、この部分をしっかりとこなさないと思うようにも走れないし、体を痛める危険性もあります。
(5)メイン・・・準備運動(練習)をこなしたら、実際に100m、200mを走る練習に入ります。ただ僕の場合は、メインの走りは本数よりも質を重視していましたから、だいたい2~3本を時間を空けて走るようにしていました。
(6)体幹トレーニング・・・これは僕が個人的にやっていたことですが、骨折をしてから筋肉の補強の意味もあって筋トレを取り入れていました。走り方は人それぞれですが、僕の場合は体幹を鍛えることによって体がぶれずに安定した走りの形が出来るようになりました。

以上が僕の練習内容ですが、走る競技というのは、走る練習と同じくらいストレッチや体幹トレーニングが大事だと思っています。特に日本人と欧米人の走りを比べたとき、体型や骨格の違いもありますが一番の差は筋肉の強度だと感じます。そのためには、これからの日本人ランナーは体幹と筋肉を鍛え、無駄の無い質の良い走りをすることが大事だと思っています。そして何より継続は力だということ。すぐに結果は出ませんが、確実に自分自身の力になっていることを僕は実感しています。

山縣 亮太選手からみんなへメッセージ

失敗を恐れずに、自分の夢を楽しんでほしい

山縣 亮太選手写真
 僕にとって走ることは、一番面白いことなんです。何故かというと、走る・投げるという動作はほとんどのスポーツにおいて原点ではないでしょうか。その一番大事な部分で力を発揮できることは楽しいですよ。いつも走る前は、今までの練習で積み上げてきた力を100%出し切ることに集中しています。そして良い結果が出せれば、次の目標に繋がっていくんです。
 今、一番確かな目標は来年のリオデジャネイロオリンピックです。そこで9秒台を出して決勝に進むこと。そして、その4年後には東京オリンピックもあります。2020年を視野に入れた挑戦をしていきたいですね。
 僕は高校生の皆さんにも、何か熱中できるものを見つけてほしい。きっかけやジャンルは何だっていいと思う。誰にだって楽しいと思えることはきっとあるはずです。僕は走ることが楽しかったから熱中できた。そして成功も失敗もあって苦労もしました。でも失敗を恐れずに続けていたから、今、もっと大きな夢を追い続けていられるんだと感じています。皆さんも苦労や失敗をたくさんして、更なる大きな夢を追いかけてください。

※プロフィール等は2015年8月時点のものです。

右代 啓祐選手
右代 啓祐選手(陸上選手(十種競技))
スポーツを通じて、自分を磨いてほしい
荒井 広宙選手

2022年5月

長野県中野実業高等学校 出身 福井工業大学 出身
荒井 広宙選手(陸上選手(競歩))
今しかない時間と、出会いを大切にしてほしい
福士 加代子さん
福士 加代子さん(元陸上競技選手(長距離・マラソン))
自分の声に耳を傾けながら、自由に柔軟に歩んでいこう
多田 修平選手
多田 修平選手(陸上選手)
夢を叶える「階段」をしっかりと築き、進んでいこう
飯塚 翔太選手
飯塚 翔太選手(陸上選手)
更に大きな目標に向かって、挑戦し続けてほしい
上原 美幸選手
上原 美幸選手(陸上選手(長距離・マラソン))
今だからこそできることにチャレンジしてみてください
ディーン元気選手
ディーン元気選手(陸上選手(やり投げ))
自分には何が大事なのか、妥協せず、模索して見つけたい
新井 涼平選手
新井 涼平選手(陸上選手(やり投げ))
今だからできることを、思いきり楽しんでほしい
藤光 謙司選手
藤光 謙司選手(陸上選手)
積極的に挑戦した経験は、決して無駄にはならない!!
為末 大選手

2011年10月

為末 大選手(陸上選手)
夢を叶える為の過程も楽しむ
井村 久美子選手
井村 久美子選手(プロ陸上選手 北京オリンピック日本代表(走幅跳))
どうやって壁を乗り越えるか、そのプロセスが力に
金丸 祐三選手
金丸 祐三選手(陸上選手 北京オリンピック日本代表(男子400m))
楽しみながら頑張れる、そんな自然体の努力がいい
高平 慎士選手
高平 慎士選手(陸上選手 北京オリンピック銅メダリスト)
みんなに感謝する気持ちを持ってほしい
朝原 宣治選手
朝原 宣治選手(陸上選手)
挑戦する、経験することが大事
伊東 浩司さん
伊東 浩司さん(元陸上選手)
向上心、チャレンジ精神が自分を強くする
高野 進さん

2006年6月

高野 進さん(元陸上400m選手 日本記録保持者)
自分には選択肢はない、という気持ちでエネルギーを注いできた

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一