2012/04
■ 勝間田高校校友会館の模型を2年がかりで製作、寄贈 岡山県 水島工業高校 建築研究部のみなさん
■ 津波被災の神社復興に 自作の祠と鳥居、灯籠を寄贈 熊本県 球磨工業高校 建築科伝統建築コース、伝統建築専攻科のみなさん
東瀬戸圏の拠点都市として発展を続ける岡山県倉敷市に、1962(昭和37)年創立の県立水島工業高校がある。生徒たちは日頃の学びで習得した知識や技術を生かして、様々な貢献活動を展開している。
今年2月に開催された、第33回「水工創作展」では、建築研究部の生徒が2年がかりで製作した「県立勝間田高校校友会館」の模型が展示され、訪れた人の目を引きつけていた。
建築研究部は、岡山県の明治、大正、昭和初期の洋風建築の模型製作を主な活動としている。これまでに旭東幼稚園旧園舎(国指定重要文化財)や倉敷物語館、三徳園農業展示館の模型などを製作、寄贈などを行っている。
今回、生徒が取り組んだ勝間田高校校友会館は、1923(大正12)年に勝間田農林高校の校舎として建造。66年から校友会館として使われていたが、2008年に老朽化のため取り壊しとなった。
同部では、2010年、模型製作のモデルとして県内の木造近代建築物の写真資料の中から同会館を選択。県建築士会を通じて設計図を取り寄せ、当時の3年生8人が製作をスタート、昨年度から4人の2年生(現3年生)が引き継いだ。
2年がかりで完成した模型は実物の30分の1のスケール(幅約77センチ、高さ約44センチ、奥行約41センチ)。屋根や窓は2千枚を超えるヒノキ板を1枚1枚丁寧に貼り合わせ、精巧に仕上げた。「ドーマー・ウインドー」と呼ばれる採光の飾り窓などの特徴も、見事に再現されている。
水工創作展の会場には多くの勝間田高校同窓生も訪れ、その出来栄えに感嘆しながら懐かしそうにながめていた。
模型は、創作展終了後、建築研究部の生徒により、今年、創立110周年を迎えた勝間田高校に寄贈されることになっている。

東日本大震災で被災した福島県南相馬市の神社復興を支援しようと、熊本県立球磨工業高校の生徒が、自分たちで製作した小型の祠(ほこら)と鳥居、灯籠を寄贈した。
贈り先は、大津波で流失した相馬市の山田神社。大型トラックで運ばれた後、南相馬市の磯ノ上公園に仮社殿として同校生徒が設置。神社関係者をはじめ生徒、教員らが参列して鎮座祭が行われた。
今回の活動は、地元、熊本県の志岐八幡宮の宮司が瓦礫処理などの奉仕活動に従事した際、山田神社の神職と知り合い、仮社殿の復旧協力を申し出たことがきっかけ。宮司は、国宝の青井阿蘇神社の協力を得て、同校に依頼し、快諾を得た。
祠は、ひのき材の銅板葺き一間社流造りで、平成6年度の伝統建築コースの生徒が製作、学校の玄関に飾っていたもの。銅板葺きの屋根が黒く変色していたが、在校生5人がきれいに磨き上げた。昨年末から青井阿蘇神社の境内に置かれ、参拝客に輸送費などの募金を呼びかけた結果、賛同した多くの市民や同校OBから約50万円が寄せられた。
同校はこの祠に加え、新たに伝統建築専攻科の生徒5人が地元のヒノキ材で高さ4メートルの鳥居を、伝統建築コースの生徒が杉材で灯籠4基を製作した。鳥居製作に参加した生徒は、「鳥居は初めて造った。貴重な体験ができた。被災地の方に気に入ってもらえればうれしい」と話す。
2月24日は、青井阿蘇神社で出発式を開催。神事の後、志岐八幡宮の宮司や生徒、教員らは現地へマイクロバスで向かった。現地訪問には同校野球部員2名も参加。県高野連が福島県の高校に贈る試合球46ダースと、「球磨工」のネーム入りの試合球、練習球を1ダースずつとバット1本を福島県立小高工業高校に届けた。