はり師／きゅう師の資格を取るには

　はりは鍼術といい、一定の経穴（ツボ）や皮膚の一定点に鍼をさし、神経を興奮または抑制することで、人間本来の自然治癒作用を旺盛にする施術です。人間の皮膚感覚のひとつである“痛みの感覚”をうまく利用した療法で、伝統的な東洋医学の理論に基づいています。神経痛や関節炎などの痛みを取り除くのに特に効果があるといわれており、最近では、極超短波、赤外線などを利用した機器による近代的な治療も行われています。
　きゅう（灸）は漢方療法のひとつで、体表の経穴などにもぐさを置いて燃焼させ、その温熱刺激によりツボを刺激し、経絡などに沿って流れるとされる「気血津液の流れ」を正常に戻すことによって、身体の不調を治療する方法です。
　また、治療を受ける側としても、急速に進むストレス社会や高齢化社会を背景にして、薬を一切使わず自然の治癒力を高めて治療する「はり」「きゅう」に、今注目が高まっており、若い人の間でも、癒しの効果が得られるとちょっとしたブームになっています。

　はり師・きゅう師は共に国家資格で、試験を受験するには、文部科学大臣の認定した学校、または厚生労働大臣又は都道府県知事が認定した養成施設で3年以上必要な知識・技能を修得することが条件となっています。はり師ときゅう師は共通点が多く、両方の資格をもって“鍼灸師”として活躍する人がほとんどです。というのも、養成施設で学ぶ場合これらの施設では、はり治療・きゅう治療ともに教えているため、卒業時には両方の受験資格が得られるためです。はり師試験ときゅう師試験を同時に受験する場合は、共通科目について一方の試験が免除されます。