太田 雄貴選手
フェンシング選手 北京オリンピック銀メダリスト
太田 雄貴選手
フェンシング選手 北京オリンピック銀メダリストPROFILE
1985年11月25日生まれ。滋賀県出身。父の影響で小学校3年生からフェンシングを始め、小、中学と共に全国大会を制覇。高校時代は史上初のインターハイ3連覇を達成し、高校2年の時には全日本選手権で最年少の優勝を果たす。2004年以降は数多くの国際大会に出場し、アテネオリンピックでは9位、2006年のアジア競技大会では男子フルーレ個人で優勝、そして2008年の北京オリンピックでは日本フェンシング史上初となる銀メダルを獲得し、自身とそしてフェンシングという競技を一躍有名にした。その後11月に森永製菓株式会社へ入社。現在は社会人プレーヤーとして活躍しながら実績を積み、2012年のロンドンオリンピックを目指す。太田 雄貴選手の学生時代は・・・
勝てば新聞に載り、褒めてもらえることが嬉しかった
そして小学生時代は僕にとっても人生の大きな出会いがあった時でした。一人は当時の平安高校フェンシング部のキャプテンだった飯村さん。高校在学中からフェンシングの指導をしてもらっていました。そしてもう一人は二度のオリンピックにも出場した市ヶ谷さんです。香川県で高校の教師をされていましたが、父がお願いして、毎年、夏と冬には香川県に行って練習を見てもらっていました。こうした出会いと、練習のチャンスを作ってくれたのが父で、僕をいろんなところに連れて行っては練習をお願いしてくれました。毎日父と一緒で、子どもだった僕は旅行気分で楽しかったけど、父は教員をしていたので大変だったと思います。今思えば、ここまで子どもに愛情を注げる父の素晴らしさに感謝ですね。僕にとって、この3人がいなければ今の自分がなかったと思います。
太田選手の高校時代、そしてオリンピック・・・
オリンピックでメダルをとって、見返してやりたい!
大学に進んでからは本格的にオリンピックの出場権をかけて、国際大会にも出場しました。オリンピックは子どもの頃からの目標だったし、何よりオリンピックで戦い勝つことで、フェンシングというスポーツをメジャーにしたいという思いもありました。確かにフェンシングは日本では知名度が低いですが、それでも僕が頑張ってこられたのは、オリンピックでメダルをとりたかったから。そしてフェンシングを知らなかった人たちを見返してやりたいという思いもありました。
オリンピックの印象を良く聞かれますが、あの大会はやはり別世界ですね。特にフェンシングのようにマイナースポーツであればあるほど、普段よりも明らかに良い環境でプレーできるし、モチベーションも上がりますよ。特に2度目の北京の時は夢のセンターピクト(フェンシングの試合場)で決勝を闘えたことは最高の感動でした。そして接戦の末にもぎ取った銀メダルは、次への挑戦のメダルでもあると思っています。
太田 雄貴選手からのワンポイントアドバイス
騎士道精神を受け継ぐ、誇り高きスポーツ
フェンシングの面白さは、対人競技の中でも相手との距離が近く、闘うスポーツだというところです。相手の動きや作戦を読んで駆け引きをするという面白さもあります。まず競技の簡単な説明からしましょう。
(1)フルーレ・・・僕もやっている種目ですが、日本で競技人口が最も多い種目です。剣も軽く、手足の長さが欧米人には比べて小さな日本人には向いていると思います。攻撃権というルールがあり、攻撃、防御、反撃といった技の競い合いが面白い種目です。剣先での突きだけを有効とし、有効面も限られています。
(2)エペ・・・世界的に競技人口が一番多い種目です。剣は3種目のなかで一番重く、剣先での突きだけを有効としますが、有効面は全身に広がります。他の種目のように攻撃権というルールがなく、どちらが先に突いたかだけで競うので、見ていて一番わかりやすい種目です。
(3)サーブル・・・エペの次に競技人口が多い種目。フルーレ同様に攻撃権というルールはありますが、騎馬民族の戦闘が発祥とされている種目だけに、剣先での突きだけでなく斬りも有効です。
では次に練習のポイントです。
(1)的確に突く・・・フェンシングの基本ですが、目的の場所を的確に突くことが大事です。僕の場合は毎日自宅の居間で父と突きの練習をしていました。
(2)下半身のフットワーク・・・下半身が中心になるスポーツです。独特の姿勢で激しい動きをするので、足腰、腹筋、背筋といった基本の筋肉を鍛えておくことが大事です。
(3)持久力を鍛える・・・フェンシングの競技大会はほとんど一日で行われます。そのうえ防具などで全身をおおいながらプレーするので、汗の量も半端ではありません。その為には、一日に何試合でも闘える持久力と体力を鍛えてください。
基本練習はこれくらいですが、一番大事なことは継続するということだと思います。毎日の努力と継続が力となり結果を与えてくれるのです。まだ学校のクラブでは少ないですが、全国にフェンシングクラブは増えつつあります。みなさんも興味を持ったら、一度体験してみてください。
※プロフィール等は2010年7月時点のものです。
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2023年12月 見延 和靖選手(フェンシング選手)
目の前のことに一生懸命取り組み、突き詰めてほしい
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2021年9月 山田 優選手(フェンシング選手)
何ごとも、全力で楽しめる人になってほしい
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2019年1月 三宅 諒選手(フェンシング選手)
目標を見失わず、頑張った分だけ結果にこだわってもいい
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2013年3月 淡路 卓選手(フェンシング選手)
今の時間と有り余るエネルギーを大事にしてほしい
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2013年1月 千田 健太選手(フェンシング選手)
負けを次にどう生かすかが大事
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