【高校生の最新ニュースをお届け!】善きことをした高校生達|日本の学校

善きことをした高校生達

善きことをした高校生達

世のため、人のために立派な行いをしている高校生達を紹介します。高校生達の活躍を、ぜひご覧ください。

醸造のまち「鹿島」の新名物に 酒かす入りカレーを開発

佐賀県 鹿島高校 商業科3年生のみなさん

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佐賀県 鹿島高校 商業科3年生のみなさん1

佐賀県立鹿島高等学校商業科の生徒たちは、わがまち「鹿島」をもっと広く多くの人に知ってもらいたいと、地元企業と連携し、地域の特産食材を使った新商品の開発に力を入れている。2021年にその第一弾として、地元の柚子こしょうを使った豆菓子「ゆず空」を、2022年にはゆずの果汁、果皮が入った本物志向の飴「ゆず丸」を開発。今年度は、地元の老舗酒蔵と協力し、酒かすを使ったレトルトカレー「肥前かしま めぐみカレー」を商品化した。

生徒たちは、多良岳山系の豊かな地下水を利用した日本酒など、醸造のまち鹿島市の魅力をアピールしようと、今年4月から、日本酒の副産物、酒かすを使用したカレーの開発に着手。試行錯誤の末、複数のカレールーを調合し、酒かすの旨味とコクが溶け込んだスパイス香るレトルトカレーを完成させた。中辛で、子供から大人まで楽しんでもらえるよう、味付けにも工夫を加えたという生徒たちは、鹿島の豊かな水と五穀豊穣の恵み、昔から受け継がれてきた発酵文化の恩恵に感謝し「肥前かしま めぐみカレー」と命名。「鹿島の特産品を使った新たな名物にしていきたい」と意欲を見せる。

8月22日、JR肥前浜駅でお披露目され、生徒たちはJR九州の観光列車「ふたつ星4047」で訪れた観光客などに「鹿島自慢のカレーです」と呼びかけたところ、約20分で用意した100食分を完売した。

「廃棄処分される酒かすもあるので、食品ロスの削減につながる商品」と力を込める生徒たち。今後も校内や市内でのイベントなどで販売し、鹿島を盛り上げていきたいと話している。
(2023年9月掲載)

佐賀県 鹿島高校 商業科3年生のみなさん2
佐賀県 鹿島高校 商業科3年生のみなさん3

江戸期の農法「多数回中耕除草」を活用 無農薬、無肥料の稲作で成果

岡山県 瀬戸南高校 生物生産科のみなさん

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岡山県 瀬戸南高校 生物生産科のみなさん1

農業の将来を見据えた教育に力を入れる岡山県立瀬戸南高等学校。生物生産科のお米プロジェクト班の2年生4人は、2022年度から「多数回中耕除草」による無農薬・無肥料の稲栽培に挑戦している。

「多数回中耕除草」とは、江戸時代には確立していた農法で、田植え後、中耕(稲の生育中に、その周囲の表土を浅く耕すこと。除草を兼ねるので「中耕除草」と呼ばれる)を多数回行うことで稲の収穫量を増やす技術。

同科の教諭が有機栽培に取り組む企業などから同農法について聞き、生徒たちに提案。4人は同農法にスマート農業化を図るため「自動操舵システム、多数回中耕除草でらくちん農業を!」をテーマに、昨年6月、実習田で岡山県奨励品種「きぬむすめ」で試験栽培を始めた。

自動操舵システムとは、乗用型田植機が田植えした軌道を同システムに記録し、乗用型中耕除草機に取り付けることで田植機と同じ軌道を走り、稲を踏むことなく中耕除草が行える。

昨年度は実習田を0~4回、8回と中耕除草回数別に6区画に分け、稲の生育と収穫量を調査。4回が最多の10アールあたり508・4キロだった。品質も等級検査1等と優れた結果をもたらした。4人は肥料や除草剤などを散布する労力や費用も削減できた。雑草の発生もほとんど見られず、稲の生育にも影響がなかったと話す。

今年度は除草回数0~8回の9区画に分けて育成、調査を行う。生徒たちは自動操舵システムを用いた多数回中耕除草の良さを、無農薬、無肥料で収穫量が安定化し、環境負荷を低減する農業が可能。機械に乗るだけなので農作業の軽減化、省力化につなげることができると力を込めた。
(2023年9月掲載)

岡山県 瀬戸南高校 生物生産科のみなさん2
岡山県 瀬戸南高校 生物生産科のみなさん3

命の重みを味わう 育てた豚を食す「食味会」4年ぶり開催

熊本県 熊本農業高校 畜産科のみなさん

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熊本県 熊本農業高校 畜産科のみなさん1

熊本県立熊本農業高等学校の畜産科には、生徒が育てた豚を生徒たちで食べる大切な行事「食味会」があり、今年7月19日、コロナ禍の影響で4年ぶりに開かれた。

同科の生徒は家畜の分娩の立ち会いから、育み、ふれあうことで「いのちの営み」を学んでいる。

豚の飼育は養豚専攻の生徒を中心に、他の生徒も餌やりや豚舎の清掃などを行っている。餌には納豆やもち米など17種の食品廃棄物を活用したオリジナル飼料を用い、低コストで高品質の「シンデレラネオポーク」を生産・販売している。

日頃から愛情を込めて育成・管理してきた豚をいただく「食味会」は、命の大切さと食材への感謝の気持ちを再確認する貴重な時間で、同科の生徒全員が参加する。

今回選ばれた豚は、生後6カ月で120キロほどまで育った20頭の中から、肉付きが良く、健康なハイブリッド豚の雌1頭で、14日に出荷。生徒たちは食肉用に処理する工場で、豚を失神させて屠る現場や解体されて見慣れた肉の形になるまでを見学した。

18日、養豚専攻の3年生が戻ってきた肉の塊をスライスして、翌日の「食味会」用に準備し、当日は初めに同専攻の3年生が、食べる豚の写真を示しながら「私たちが育ててきた家畜の命を、感謝を込めていただく日です」と食味会の意義を説明。続いて生徒たちは屋外に張られたテント内で、肉を炭火で焼いて味わった。肉は柔らかくとてもジューシーで、生徒からは、食べ物の有難みを実感できた、肉になってくれてありがとう、いつもより美味しく感じたなどの感想も聞かれ、「命をいただく」ことの本当の意味を実感したようだった。
(2023年9月掲載)

熊本県 熊本農業高校 畜産科のみなさん2
熊本県 熊本農業高校 畜産科のみなさん3
熊本県 熊本農業高校 畜産科のみなさん4

7月から規制緩和 JR高知駅で電動キックボードの安全利用呼びかけ

高知県 高知追手前高校 生徒のみなさん

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高知県 高知追手前高校 生徒のみなさん1

今年の6月28日の夕方、7月から立ち乗り二輪車「電動キックボード」が16歳以上なら運転免許なしで乗れるようになる前に、高知県立高知追手前高校の生徒たちが高知警察署の交通課と協力し、JR高知駅前で通行人や乗降客などに安全利用を呼び掛けるチラシを配布した。

今回の改正道路交通法の施行で、最高速度20km以下などの条件を満たした車体であれば、16歳以上ならこれまで必要だった原付バイクの運転免許なしで、車道や自転車道の走行(歩道は時速6km以下)が可能になり、ヘルメットの着用は努力義務になった。

当日は「事前に改正内容と注意点を広く知ってもらおう」と実施されたもので、高校生も免許なしで運転できることから、生徒たちは帰宅途中の高校生に「基本ルールを理解して安全運転を」などと声掛けし、チラシと反射ベルトのセットを手渡しした。

活動に参加した生徒は「チラシを配っても、法改正を知っている高校生は意外と少なかった」といい、高知警察署は「電動キックボードはバランスが取りづらく、転倒しやすい乗り物。免許不要とはいえ、車道を走るのでヘルメットを被ってけがを防いでもらいたい」と話す。

警察庁によると、改正後1ヶ月間で全国で発生した電動キッキボードの検挙件数は、信号無視約190件、通行区分違反約150件、交通事故7件など400件以上の違反があったという。

歩道爆走や2人乗りなどの違法運転なども目立つといい、生徒たちは「危険性も知ってルールを守って安全利用してほしい」と願っていた。
(2023年9月掲載)

「入善ジャンボ西瓜」振興へ 四角い西瓜作りに挑戦

富山県 入善高校 農業科入善ジャンボ西瓜班のみなさん

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富山県 入善高校 農業科入善ジャンボ西瓜班のみなさん1

入善町特産の「入善ジャンボ西瓜」。楕円形の西瓜で平均サイズは、長さ約40㎝、直径は約30㎝、重さは平均15kg~18kgとまさに巨大西瓜。しかし近年、生産者が高齢化し、栽培ノウハウの継承が課題になっている。そこで、入善ジャンボ西瓜振興につなげようと研究栽培に取り組んでいるのが、富山県立入善高校農業科入善ジャンボ西瓜班の生徒たちだ。

同校が2019年から町の支援で進めている「NEW農チャレンジ事業」の一環。5年目となる今年度は4人の3年生が「四角い入善ジャンボ西瓜」の栽培に挑戦。生産農家が幾度も挑戦したが誰も成功しておらず、この難しいテーマになぜ挑むのか。目新しいジャンボ西瓜を作ることで唯一無二の特産品を全国にPRし、生産者の増加にもつながれば、と考えたからだという。

4人は同町ジャンボ西瓜生産組合の指導で、鉄とポリカーボネート樹脂を組み合わせた長さ30㎝固定の型枠1個、塩化ビニール樹脂製で長さ最大40㎝まで調節可能な型枠2個を用意。6月26日、同校の上田農場で約5kgまで育った3玉を、各型枠に傷つけないよう収めた。

その後生徒たちは3玉の成長を観察し、7月27日、型枠を外した。塩化ビニール樹脂製の型枠に入れた2玉は、型枠がスイカの成長圧に耐えきれず、通常の楕円形に育ったが、鉄とポリカーボネート樹脂の型枠に入れた一玉は見事成功。世界初の角形入善ジャンボ西瓜が誕生した。サイズは縦横25㎝、高さ32㎝だった。

生徒たちを見守ってきた同町ジャンボ西瓜生産組合は「初めての挑戦で、想像以上の出来」と評価。生徒たちは「角に丸みが残った。もう少し鋭くしたかった」「次につなげたい」と意欲を見せていた。
(2023年8月掲載)

富山県 入善高校 農業科入善ジャンボ西瓜班のみなさん2
富山県 入善高校 農業科入善ジャンボ西瓜班のみなさん3

吉野川市と地元スイーツ店と共同開発 桑の葉ジェラートで地域活性

徳島県 川島高校 高1の総探で組んだ3人組・生徒会・クッキング部のみなさん

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徳島県 川島高校 高1の総探で組んだ3人組・生徒会・クッキング部のみなさん1

2024年に創立100周年を迎える徳島県立川島高校。生徒に、課題解決に向けた探究力を身につけ地域社会に貢献できる力の育成を、スクールポリシーの目標の一つとする同校にあって、生徒も地元吉野川市の活性化に向けた取り組みに挑戦している。

2023年2月には、同市の「ふるさと対話集会」で、高1の総探で組んだ3人組の生徒たちが市長らに桑を使用した食品のアイデアを提案したのを機に、産官学連携で「桑の葉ジェラート」を開発することになった。

商品開発に参加するのは、アイデアを提案した3名に加え、生徒会長とクッキング部のメンバー、市内の老舗料理店が営むスイーツ店。「世代を越えて、夢紡ぐまち 新・生活創造都市をめざす」市が、生徒のアイデアを生かしたいと、無添加にこだわった和菓子やジェラートを製造販売するスイーツ店に呼びかけた。

同店は、生徒の意見を参考に、桑の葉、牛乳、生クリーム、砂糖、同市川島町産の蜂蜜をベースにジェラートの試作を重ね、6月、同校で試食会を開催した。当日は生徒の他、対話集会の出席者も参加して、用意された桑の葉や蜂蜜の量、砂糖の種類が異なる3種類桑の葉ジェラートを試食した。

参加者からは味に関するものや、消費者の嗜好など様々な視点からの意見が出され、味の方向性が固まった。スイーツ店のオーナーは、高校生と市と産官学連携で新たな名産品となる「今までにないジェラートができるはず」と力を込める。

7月、改良したジェラートを再度試食し、生徒たちも満足のいく「桑の葉ジェラート」が誕生した。

8月、生徒たちは市役所を訪れ、市長に試食してもらい、高評価を得た。今後は、年末までに商品化し、市の新たなふるさと納税返礼品として、全国に広めていく考えだ。
(2023年8月掲載)

徳島県 川島高校 高1の総探で組んだ3人組・生徒会・クッキング部のみなさん2
徳島県 川島高校 高1の総探で組んだ3人組・生徒会・クッキング部のみなさん3

鹿肉と廃棄野菜を有効利用 ~ドッグフード開発、食品ロス削減に貢献~

兵庫県 兵庫県立農業高校 動物科学科2、3年生のみなさん

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兵庫県 兵庫県立農業高校 動物科学科2、3年生のみなさん1

兵庫県立農業高等学校の生徒が、駆除された鹿肉と廃棄野菜を使ったオリジナルドッグフードを開発した。取り組んだのは動物科学科の2、3年生7人。きっかけは、2021年、同校で飼育するボーダーコリー「レオ」が皮膚病にかかり、獣医師から「餌が原因の一つかもしれない」と助言されたことからであった。7人は獣医師から宍粟市で鹿肉の有能性を広めるNPO法人と、鹿肉のドッグフードを販売している生産者団体を紹介され、22年3月に同団体を訪問。兵庫県で駆除された鹿の約9割が廃棄されていることを知った。7人は「命を無駄にしてはいけない」と、同校で栽培されている農産物についても調査。傷のある野菜や殻に亀裂が入った卵、酒米研究で使わなくなった玄米など、多くの物がまだ食べられるのに廃棄されてしまう現状を知った。

7人は同校の廃棄野菜を利用し、生産者団体からヒューマングレードのドッグフード作りのノウハウを、ジビエの普及に取り組むNPO法人からは鹿肉の提供を受けて、22年6月からドッグフードの開発をスタート。犬の健康を第一に試行錯誤を重ね、同年12月に作った試作品を23年1~3月、同校で飼育する3匹の犬と生徒が飼う20匹に行った試食実験では食いつきがよく、糞の状態も良好であることが分かった。

生徒が命名した「県農 Only one Dogfood」を商品化するには膨大な費用が必要なため、7人はクラウドファンディングを実施。農業高校生が作るドッグフードに多くの支援が集まり、約2ヶ月で目標の120万円を達成。生産者団体に協力してもらい製造を行い、地元のドッグイベントでの販売を実施する。7人は「この商品は鹿肉や野菜の命をつないだもの。犬の健康を促進し、食品ロス削減に貢献することもアピールしたい」と話している。
(2023年8月掲載)

兵庫県 兵庫県立農業高校 動物科学科2、3年生のみなさん2

萩・石見空港開港30周年記念 未来へ繋ぐ機体形バトン、アクリルコースター制作

島根県 江津工業高校 建築・電気科のみなさん

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島根県 江津工業高校 建築・電気科のみなさん1

島根県立江津工業高校は、地域の大切な公共交通機関である萩・石見空港が、2023年7月に開港30周年を迎えるのに関連して様々な教育活動を進めてきた。地歴・公民科では、萩・石見空港を教材とした探究学習、建築・電気科では、課題研究の授業で電気コースの生徒がジオラマを作成。また、建築コースでは、6人の生徒が7月2日に同空港で開催された開港30周年記念式典に合わせて、木製の機体形バトン10機とアクリル製のコースター約700枚を制作した。

機体形バトンは、同空港に就航しているANA(R)のボーイング737型機をモチーフにデザイン(長さ48センチ、幅40センチ)。式典の中で、来賓から小学生に機体形バトンとして手渡され、空港発展のバトンが未来を担う子供たちに繋がれた。



またコースターは、SDGsとアフターコロナに向けてみんなで力を合わせて前進していくことをコンセプトに、式典当日、萩・石見―羽田線利用客などに記念品としてプレゼントされた。材料は、江津、益田市内の事業所などから寄贈された飛沫防止用のアクリル板を再利用。30周年記念のロゴを中央に配置し、ボーイング737型機が力強く離陸する姿を表現。コースターには1年生が国語科の授業で書いたメッセージを添えるとともに、パッケージの水引の三輪の叶結は、青色で飛行機の形を示しており、家庭科の授業で制作した。また、水引の制作は益田養護学校、益田高校、益田翔陽高校の生徒も協力した。レーザー加工機でコースターを制作した生徒は、開港30周年記念という節目に協力できてよかったといい、「たった1枚のアクリル板から、ここまで作れる工業高校の技を知るきっかけになればうれしい」と話していた。
(2023年8月掲載)

島根県 江津工業高校 建築・電気科のみなさん2
島根県 江津工業高校 建築・電気科のみなさん3
島根県 江津工業高校 建築・電気科のみなさん4

利用者の想いに沿った介護を みやき町民生児童委員協議会会員を指導

佐賀県 神埼清明高校 総合学科生活・福祉系列のみなさん

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佐賀県 神埼清明高校 総合学科生活・福祉系列のみなさん1

佐賀県立神埼清明高等学校の生活・福祉系列の生徒は、近隣の小学校の児童やみやき町社会福祉協議会の会員などと交流し、認知症や障害のある人への介護のポイントなどを教える活動を進めている。

今年6月、みやき町民生児童委員協議会の会員17人が、同校を訪問。生活・福祉系列の生徒が、実習で使用する介護設備などを見学した。

同協議会とは、以前から福祉をテーマとした研修会を開くなど交流を深めている。会員たちは一人暮らしの高齢者宅への訪問活動もしており、今回は、2人1組になって、同校の介護設備を使って利用者との接し方や介護技術などの習得に挑戦した。

指導したのは「利用者一人ひとりに合った支援をしてほしい」と話す生徒たち。人形を使って正しいおむつの付け方や片腕が不自由な人に上着を着せる手順、杖を使った階段の上り下りの仕方、要介護者を介護リフトで移乗させる方法や介護浴槽の使い方、車椅子の利用者に負担をかけずに段差を乗り上げる方法などを、会員たちに実際に体験してもらいながら分かりやすく、ていねいに、実践的に教えた。

会員たちは「大変勉強になった」といい、「有資格者ではないので直接の介護はできないが、学んだことを地域の人に伝えていきたい」と感謝していた。

将来は地域の福祉リーダーとなれるような存在になりたいという生徒たち。今後も子供たちや地域の人々に、認知症や介護技術についての講習会や出前授業などを企画していきたいと話していた。
(2023年8月掲載)

佐賀県 神埼清明高校 総合学科生活・福祉系列のみなさん2
佐賀県 神埼清明高校 総合学科生活・福祉系列のみなさん3

模擬会社のショップ開店 全国水産高校の逸品販売

福島県 小名浜海星高校 模擬会社「海星屋(ひとでや)」のみなさん

福島県 小名浜海星高校 模擬会社「海星屋(ひとでや)」のみなさん1

2021年、福島県立いわき海星高等学校と小名浜高等学校が統合し、開校した小名浜海星高等学校。県立の水産系高校として様々な活動を展開している。

水産クラブの生徒たちは、2022年春、製造から流通、販売、消費までの流れを学ぶ場にとの顧問の教諭の提案で、模擬会社「海星屋」を設立。同年5月、同社のショップ「ひとでや」を、水産校舎正面玄関内で初出店した。販売商品は食品システム科の生徒が実習で製造するサバの缶詰、サッカー日本代表専属シェフと共同開発した「サバカレー」、生徒が製作したキーホルダー、実習船福島丸を描いたTシャツやトートバッグに加え、顧問の母校、青森県立八戸水産高校のほたて貝柱の水煮缶詰などを揃えた。

月に1~2回、同高や市内の店舗などでオープンするショップは、全国の水産高校が製造する商品を紹介するアンテナショップとして一役買っている。これまで八戸水産高校、岩手県立宮古水産高校、愛知県立三谷水産高校の商品を販売。1商品ごとに担当生徒を決め、買い物客に商品の特長、魅力をアピール。人気商品は再度仕入れるなど、顧客ニーズに対応。

他県の水産高校との取引も増えてきており、その交渉は顧問の教諭が行っているが、部員たちは自分たちに任せてもらえるよう努めたいと話し、生徒間交流を深め、協力して水産高校を盛り上げ、将来的には全国の水産高校の商品を紹介する物産展を開きたいと、意気込む。

今後は、SNSなども活用しながら「海星屋」の活動をPRし、多くの人に来てもらい、水産高校の多彩な商品を知ってほしいと話していた。
(2023年7月掲載)

湧別の美味しいものPR 内容充実 北大祭に2度目の模擬店出店

北海道 湧別高校 生徒会のみなさん

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北海道 湧別高校 生徒会のみなさん1

2022年6月、高校生で初めて北海道大学の「北大祭」に模擬店を出店した北海道湧別高等学校の生徒たち。湧別町の魅力を高校生の視点で発信し、多くの人に知ってもらいたいと、昨年に続き今年も出店した。

同校の模擬店出店は、2019年、当時の2年生が、地元の教育活動に協力する北大大学院の教職員に「北大とのつながりを深めたい」と提案したのがきっかけ。しかし北大祭は、20年はコロナ禍で中止、21年はオンライン開催となり、22年、生徒会が先輩の思いを受け継ぎ、初出店を実現させた。生徒たちは、地元産ほたて入りの野菜ほたてカレーの販売の他、「小さな町ですが、チューリップ公園やサロマ湖、冬には流氷が訪れるオホーツク海を望み、自然と海産物が豊富な魅力的な町です」と来場者に声かけしながら、手製の観光パンフレットを配布した。カレーは、ほろほろの野菜や大きなほたてが入って食べ応え抜群。美味しいと好評だった。

今回は、販売する商品を野菜ほたてカレーや地場産牛肉入りの野菜ビーフカレー、土産品としても人気の高い地域特産のとら豆を使った抹茶プリンやブリュレや、チューリップをイメージしたクリーム大福やゴーフレットなど、地元の名産品をずらり並べた。模擬店前には町の観光地を紹介するのぼりや魅力をアピールするPR動画を放映。時折雨の降る空模様だったが多くの来場者が訪れ、昨年を上回る成果を上げることができた。「地元への恩返しの気持ち」という生徒たち。今後も北大との関係を続けていきたいと話していた。
(2023年7月掲載)

地域の声に応えて 人と社会に役に立つこと、みんなで

広島県 美鈴が丘高校 あすなろ会のみなさん

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広島県 美鈴が丘高校 あすなろ会のみなさん1

広島市立美鈴が丘高等学校の生徒たちは、校訓「進取・友愛・節度」を指針として、日々の学習や部活動だけでなく、ボランティア活動にも積極的だ。中でも「あすなろ会」は、ボランティアを主体に部活動を展開。今年6月には、美鈴が丘公民館で高齢者や子どもたちが参加するコミュニケーション麻雀を実施。部員たちは、大きめの麻雀牌に、動物や食べ物など誰でも分かる可愛らしい絵柄を描き手作りした。また、初心者でもチャレンジできるよう、ルールも簡略化。参加者たちは世代を超えた交流を楽しんでいた。

6月には広島フラワーフェスティバルでユニセフ(国連児童基金)の活動に参加し、道行く人にウクライナを始めとする世界の子どもたちの現状を訴えた。

メンバーの活動は幅広く、ベルマーク・書き損じ葉書回収など。常時活動しているのは「ペットボトルキャップ回収」860個でワクチン一人分となり、校内3か所に回収ボックスを設けている。美鈴が丘公民館での「子ども食堂ボランティア」では、1階と2階を上がり下がりするスタッフの負担を軽減しようと配膳活動を手伝っている。また、毎年、美鈴が丘小学校の新1年生全員に、色とりどりの給食マットを作り、手作りのメッセージカードを添えて贈っている。

8月には公民館、小学生のオープンスペース「わわわの広場」において、小学生が夏休みの課題に取り組むことを支援したり、コミュニケーション麻雀などのレクをしたりして小学生や地域の方々と親睦を深める予定だ。

美鈴が丘地区の高齢者の見守り活動の一環である「まごころ弁当」の調理・配達活動など様々な活動を行うメンバーは「自ら進んで人のために力を発揮する」。ボランティア活動は、1人では難しいことも、同じ目的を持った人が集まり実践することで達成感や、自分の可能性を見出すことできるとその意義を強調。活動によって、地域の人の温かさにも気付いた。今後も地域の声に耳を傾け、困ったことがあれば手助けしていきたいと話していた。
(2023年7月掲載)

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広島県 美鈴が丘高校 あすなろ会のみなさん3
広島県 美鈴が丘高校 あすなろ会のみなさん4

泉北レモン(R)を全国へ レモンと味噌の万能調味料、開発・商品化

大阪府 泉北高校 泉北レモンプロモーション班のみなさん

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大阪府 泉北高校 泉北レモンプロモーション班のみなさん1

大阪府立泉北高校の生徒は2学年から「総合的な探究の時間」において、様々なテーマで課題研究を進めている。

「泉北レモンプロモーション班」の生徒は、堺市・泉北ニュータウンの特産品「泉北レモン(R)」を全国に広めることで同地区の活性化につなげ、SDGs11番の「住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献したいと、泉北レモン(R)を使った商品開発に取り組んでいる。

第一弾は滋賀県高島市安曇川町の特産品アドベリーと泉北レモン(R)を掛け合わせた「アドレモンジャム」。堺市の「泉北レモンフェスタ」や高島市の道の駅「藤樹の里あどがわ」、泉北高島屋で完売するほどの人気を得た。

第二弾は、泉北レモン(R)と味噌がベースの万能調味料「おふくろの味ミクス」だ。

レモン栽培が盛んなイタリアのアマルフィでは、パスタやリゾットなどの料理にレモンを使うそうで、日本料理の基礎調味料「味噌」と、それぞれの国のおふくろの味を支えてきた食材なら相性がいいはず、との生徒たちの思いを、堺市が、同校と同じ「さかいSDGs推進プラットフォーム」会員のカフェレストランに繋いだ。完成したレシピをカフェレストランが絶妙に調整し、同店で働く障害者たちが作り手に。試作を重ね、洋食にも和食にも合う万能調味料「おふくろの味ミクス」が誕生した。

商品名とパッケージデザインは生徒たちが考案。カフェの店頭で販売しており、レモンの「爽やかさ」、味噌の「コク」、トマトピューレ・ハーブの「イタリア風味」と一口で3度味が変わり、パスタやリゾット、冷奴にも合うと大好評。生徒たちは、開発商品を通して多くの人に泉北レモン(R)を知ってもらいたいと話し、堺市のふるさと納税返礼品を目指すと意気込んでいる。
(2023年7月掲載)

大阪府 泉北高校 泉北レモンプロモーション班のみなさん2
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大阪府 泉北高校 泉北レモンプロモーション班のみなさん4

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