善きことをした小学生・中学生達
世のため、人のために立派な行いをしている小学生・中学生達を紹介します。
子供達の活躍を、ぜひご覧ください。
村特産、幻の桃「砂丘桃」を全国へ メッセージカードでPR
新潟県 刈羽村立刈羽小学校 6年生のみなさん
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新潟県のほぼ中央、日本海側に位置する刈羽村の村立刈羽小学校の児童は、お米の販売で得た収益金を社会福祉協議会へ寄附するなど、地域への貢献活動に力を入れている。中でも全校あげて取り組んでいるのが、村の特産品で高い糖度で知られる「砂丘桃」について学び、全国へアピールする活動だ。
砂丘桃は、同村の西側に広がる砂丘地で江戸時代から栽培されてきたが、近年、生産者の高齢化や砂丘地で傾斜地という作業性の悪さなどから、栽培農家が減少。危機を感じた同村の働きかけもあって、同校は、2022年度から特産品砂丘桃の認知度を上げ、継続的に受け継がれていくことを目標に、「砂丘桃100年プロジェクト」を実施している。
1、2年生は学校で桃の植樹や桃畑への見学、3年生は「摘花」、4年生は「袋がけ」、5年生は収穫体験などの学習を通して砂丘桃への理解を深めている。



そして6年生は、村特産の砂丘桃の知名度を上げるため、全国にPRするためのメッセージカード600枚を作成し、7月19日に代表児童が地元郵便局で生産者組合の組合長に手渡した。子供たちが砂丘桃への愛情と思いを込めたメッセージカードは、砂丘桃3キロパックのふるさと小包に入れて20日から順次発送された。砂丘桃を送られた消費者から「甘くておいしかった」など、高い評価のコメントが学校に寄せられており、児童たちも笑顔に。同校では地域を愛し、地域に貢献できる児童を育む教育活動として、今後も継続していく考えという。
(2023年8月掲載)
プール清掃前に生き物たちを救出 観察後、水路に放流
高知県 土佐清水市立下川口小学校 全校児童のみなさん
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「命を大事にし、元気で明るい子」の育成をめざす土佐清水市立下川口小学校。2021年度より全校児童が参加して、学校プールの清掃前に、プールに生息する水生昆虫などを採取、観察する授業を実施している。
高知県立足摺海洋館の提案でスタートした特別授業「生き物救出作戦」で、今年度は5月30日に開催し、全校児童16人が参加した。
水泳授業が終わった後の学校プールには、秋から冬にかけてトンボが、春になるとカエルたちが産卵に訪れ、アメンボやゲンゴロウたちも。プール授業が始まる頃は、生まれたヤゴやオタマジャクシが大人になり始める時期。これまでは、プール清掃の際に排水と一緒に流されてしまうため、清掃前に助けようと始まったのが「生き物救出作戦」だ。


当日は、初めに同館職員がゲンゴロウについて説明。「何種類ぐらいいるのですか」という児童の問いに、「世界に約4千種」と答えた職員から「新種もまだまだいるかも。土佐清水でも探してみて」との呼びかけに、子どもたちは興味津々。網を手に浅く水の張ったプールに入り、生き物たちを捜索。時折雨の降る天気だったが、子どもたちは「アメンボおる」「オタマジャクシ捕れた」「ゲンゴロウ見つけた」と多くの生き物たちを救出した。
終了後、助けた生き物についての授業を行い、児童たちは容器に入れた生き物たちを熱心に観察していた。
「今年もいっぱい救出できた」と喜ぶ児童たちは、元気に育ってと願い、同校近くの水路に放流。足摺海洋館の職員は、この授業を通して、土佐清水の豊かな自然や、身近な生き物に少しでも関心を持ってもらえたら、と話していた。
(2023年7月掲載)
育てたトマトの収益で、ランドセルを海外の子どもたちに
福島県 須賀川市立義務教育学校稲田学園 6年生のみなさん
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2021年、須賀川市立義務教育学校稲田学園の6年生は、総合的な学習の時間「いなだスタディ」の一環として、6年間使用したランドセルをアフガニスタンなど海外の子どもたちに送る活動を始めた。ただ、海外に届けるには輸送料が必要なため、6年生は自分たちでトマトを育て、販売した収益金で賄おうと考えた。
児童の活動に賛同した地元食品加工会社が協力。苗の植え方や育て方、製品作りや販売の指導をしてくれることになった。
今年3月、2022年度の6年生は、自分たちの分と卒業生や地域から寄付されたランドセルを、海外に送るための準備作業を行った。児童たちは6年間の感謝と、受け取った子どもたちに喜んでほしいとの思いを込め、ランドセルひとつ一つをていねいに布で磨き「6年間ともに過ごしたランドセルです。大切に使ってください」など、英語で書いたメッセージを添え、段ボール箱に詰めた。



また、収益金の余剰金3万円を「トルコ・シリア地震の支援に役立てたい」と県内の新聞社を通して寄付した。
3年目となる2023年度も、ランドセルを海外に送る支援を実現するため、6年生31人が、今年も地元食品加工会社会長の指導のもと、地域住民から提供されたトマトの苗40株を校舎南側の畑に植えた。大きいトマトの苗は、子どもたちの活動に賛同した地元の苗屋さんから無償で提供を受けた。5年生もミニトマトを植えるなど、活動を手伝っている。今後は児童たちで水やりや除草など、自分の子どもと思って大切に育み、7月下旬頃から収穫の予定という。
トマトは食品加工会社がドライトマトに加工。6年生がパッケージデザインも考え、「稲田っ子ブランドドライトマト」として販売も行う。
児童たちのこの取り組みは高く評価され「ふくしまジュニアチャレンジ」でジュニアSDGs賞を受賞した。
(2023年7月掲載)
島の玄関口を気持ちよく 16年目のフェリーターミナル清掃活動
北海道 羽幌町立焼尻(やぎしり)小中学校 児童・生徒のみなさん
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約5万本のイチイの木(オンコ)を中心に見事な原始の森と大自然の楽園、北海道羽幌町の焼尻島。例年多くの観光客が訪れる同島の町立焼尻小中学校では、2008年からゴールデンウィーク前に児童・生徒が、島の玄関口の焼尻フェリーターミナルの清掃ボランティアを実施。長年の港内等の環境美化活動に、2019年、「北海道開発局 海をきれいにするための一般協力者の奉仕活動表彰(北海道開発局長表彰)」を受賞している。
今年は4月22日に児童3人と中学生1人が参加し、ターミナル周辺のごみ拾いやターミナル内のモップがけ、窓ふきなどに取り組んだ。ターミナルの職員から「これからもみんなで協力してボランティア活動を頑張ってください」と感謝と励ましの言葉を贈られた4人は、「観光客や島民のみなさんが気持ちよくターミナルを利用してもらえればうれしい」と笑顔で話していた。
また4人の児童・生徒は、夏の観光シーズンを前にした6月、教職員と一緒に島内の白浜海岸に漂着したごみを拾う清掃ボランティアを行った。この活動も毎年実施しているもので、約1時間、海岸に流れ着いたロープの切れ端などの漁具やペットボトルなどのごみを拾い集め、45リットル入りごみ袋25袋分にもなった。


4人は、「みんなで力を合わせてきれいにできた」と話し、地域の一員として、今後も焼尻島に役立つ活動を続けていきたいと意気込んでいた。
(2023年6月掲載)
36回目 卵から育てたサケの稚魚放流 累計約10万2000匹
北海道 稚内市立富磯小学校 全児童のみなさん
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1900年創立の稚内市立富磯小学校。1988年から総合的な学習の一環として、生命の尊さを学び、自然を愛する心を育む「サケ学習」に取り組んでいる。
35年となる2022年度も、昨年12月上旬に「サケの卵を迎える会」を実施。中頓別のふ化場から発眼卵(卵の膜から魚の目が見える卵)約3000粒を譲り受け、児童たちが7度に設定した水槽に入れた。
10日ほどして始まった孵化に「感激した」という児童たちは、水温を5度に調整し、静かに稚魚の成長を見守った。2月下旬からは魚粉をすりつぶした餌を与え始めた。また、10日おきに水の入れ替えや、底に溜まった餌を網ですくうなど、稚魚が暮らしやすいよう環境整備に努めてきた。


2023年4月20日、4センチほどに成長した稚魚約2700匹を、同校近くの追久間内(おいくまない)川に放流する「サケの子どもとお別れする会」を開催。前日にはPTA環境部の保護者が、子どもたちが安全に放流できるよう川につながるパイプを準備した。
お別れする会では、全児童11人が5ヶ月かけて育ててきたサケの成長記録や世話をした感想などを、参加した保護者や地域住民に発表。児童会長の「心を込めて放流しましょう」の呼びかけに、児童たちは水槽から稚魚をカップに移し、優しく見守るようにパイプから川へ放流した。
同川では、一昨年、昨年とサケの遡上が確認できたといい、児童たちは「安全に海に行って、元気に大きくなって戻ってきて」と願っていた。
稚魚の放流は今年で36回目、累計約10万2000匹となり、同校では次の世代にも続けられるよう、大切に取り組んでいきたいと話している。
(2023年6月掲載)
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