小野寺太志インタビュー | アスリートからの熱いメッセージ

　実はバレーボールを始めたのは、そんなに早くなかったんです。中学3年の夏までは野球少年で、部活を引退後の12月に行われた都道府県対抗のバレーボール大会で県選抜に呼ばれたのがきっかけでした。もともと僕の両親もバレーボールをやっていた関係で、「やってみないか？」と先生から声をかけてもらったんです。最初は嫌だったけど、半ば強制的に選抜選考を受けさせられて、身長も高かったからかもしれませんが選ばれてしまったんです（笑）。今思うと特にバレーボールが嫌いだったわけではありませんが、小学校時代は地元に男子のバレーボールチームがなかったし、スパルタのバレーボール人生を経験していた母は息子にはさせたくなかったようです。でも始めてみると楽しくて、今まで続いています。でも実際にはバレーボールは素人同然で、選抜の上手な子たちの中で僕だけが基礎からのスタートで、周りとの差をすごく感じました。当時はとにかくみんなの練習を見て覚えることから始まり、コーチも一人つきっきりで練習をさせてもらっていました。でもお手本とする周りのレベルが高いので僕の上達も早く、パスができるようになり、サーブが上手に打てるようになり、できることがどんどん増えていくと楽しくなりました。
　高校は父の母校でもあり、バレーボール日本一を目指すほどの強豪校である東北高等学校に進みました。とはいえまだ僕は素人も同然ですから、周りの先輩たちに教えてもらいながらの毎日で覚えることもたくさんありました。そんな中で僕なりの次のステップは「勝つために何をするか」で試合に勝つことを意識するようになったのが高校生からです。目の前の試合に勝ち、その先の全国大会で優勝するという目標ができました。そしてアジアユースや世界ユースに出場できるまでになり、練習に合宿、試合や大会とバレーボールしかないような毎日でした。でも一番の思い出は、3年の春高予選で県選抜のメンバーがたくさんいるにも関わらず負けてしまい、春高バレーに出場できずに部活を引退したこと。この悔しさと後悔は今も忘れられません。