留学物語(国立台湾師範大学・交換留学)-日本の学校
留学物語
【交換留学】
国立台湾師範大学(台湾)
National Taiwan Normal University
佐田 美緒 さん
日本の大学名 関西学院大学 日本の在籍学部 国際学部4年生(取材時)
①交換留学(国立台湾師範大学)
留学開始時期 2014年2月(1年生の2月) 留学期間 11ヶ月間
学校の種類 正規大学
②プログラム留学(Cross-Cultural College)
留学開始時期 2015年3月(2年生の3月) 留学期間 10日間
台湾留学
【交換留学】国立台湾師範大学(台湾)
留学の目的
留学に参加した目的
主に中国語と英語の修得です。元々語学学習が好きだったので、高校の頃から英語学習には注力していました。大学入学後、中国語にも興味を持ち始め、第二言語として履修しました。私の学部は留学が必須なのですが、折角留学するなら2つの語学を修得したいと思いました。また、私は元々人に左右されやすい人間だったので、内なる強さを身につけたり、自分の軸を持って物事を判断できる人になりたいとも思っていました。
留学したいと思ったきっかけ・時期
SNSで先輩方が留学している様子を見たり、オープンキャンパス等で留学経験のある先輩の話を伺ったりしていたので、高校生の頃から留学に憧れを抱いていました。そこで、留学が必須となっている関西学院大学の国際学部に入学し、折角行くなら短期留学ではなく、交換留学を目指したいと思うようになりました。 中国語を修得したいと思った理由は、家族との台湾旅行がきっかけです。私は幼少期をシンガポールで過ごしたのですが、当時話せた中国語をいつの間にか忘れてしまい、台湾では中国語が全く理解できず、悔しい思いをしました。同時に英語だけでは生きていけないことも目の当たりにました。第二言語で中国語をとっていたので、勉強するなら実際に使える武器にしたいと考えました。
留学先の学校を選んだ理由
私自身、中国語はゼロの状態だったので、直ぐに台湾人に混じって勉強するのは困難だろうと思い、留学先は、中国語教育に熱心な学校が良いと考えていました。国立台湾師範大学には台湾で一番有名な付属の語学学校があり、交換留学生だと語学学校の学費も免除されると聞いたので、中国語修得には最適だと思い、この大学を選びました。
留学の目標
語学面では、「中国語を日常会話レベルまで上げる」「英語で専門性を学び、深いディスカッションができるようになる」ということが目標でした。内面では、自分の中の軸を見つけること、人前でも積極的に発言できる強さを身に付けることでした。
事前準備
費用
交換留学だったので、留学先大学の学費は免除でした。また、成績や論文等の選考を通過して100万円の奨学金を受けることが出来たので、実費も殆どかかりませんでした。
関西学院大学の国際学部は奨学金制度が非常に充実しているので、とても良いと思います。
留学先の大学について
留学先大学の特徴
台湾で一番有名な付属の語学学校があります。学部で有名なのは、外国人が中国語を学ぶ学部です。建物も古く、歴史のある大学です。世界各国から交換留学生が来ており、その内日本人は10数名いました。語学学校は、日本人が半分以上占めていました。
キャンパスの雰囲気
大学のすぐ近くの寮に住む人が多く、学生は皆動きやすい格好をしています。台湾の大学は授業が朝早くから始まるので、朝食を食べながら授業を受けている人もいました。勉強熱心な学生が多かったです。
留学生へのサポート
留学生1人に台湾人のバディが1人が付き、留学生活をサポートしてくれます。初日は空港まで迎えに来てくれ、寮まで送ってくれました。大学には留学生を支援する部署もあり、国際交流会のような催しも度々開催してくれました。日本人や日本語が話せるスタッフはいませんでした。
履修した授業について
語学学校では、週5日間、毎日3時間の中国語の授業を受けていました。また、起業家精神(5単位、英語で開講)、観光概論(3単位、中国語で開講)、東アジアの経済(5単位、中国語で開講)等受講しました。これらの授業の中で一番大変だった授業は「起業家精神」です。これは、起業する際に必要な知識等を学んだり、自分たちで新しい商品を考える授業でした。グループワークが多かったため、授業外でもメンバーと集まることが多かったです。私は、モンゴル、シンガポール、ドイツの人とチームを組んでいたので議論も全て英語で行われました。更に、毎週英語の論文が3つ課題として与えられ、翌週小テストが行われました。課題が多く大変な授業でしたが、この授業のおかげで英語力が伸びたと感じています。
1日の流れ
9:00-12:00 語学学校
12:00-13:00 ランチ
13:00-16:00 授業、(授業がない時)課題、遊ぶ
16:00-    課題、遊ぶ、夕飯
単位について
2学期間留学して、合計36単位認定されました。私が留学中は、語学学校での授業も単位認定可能だったので、2セメスターで自由履修21単位に認定されました(現在は単位認定されていないようです)。
  • 語学学校のクラス
  • beach
得たこと
留学で得たこと
異文化適応能力やコミュニケーション能力は勿論ですが、それ以外の部分で、「失敗を恐れないこと」や「素直になることの大切さ」を学びました。「失敗を恐れない」という面では、留学当初は中国語がゼロの状態だったので、間違ったら恥ずかしいという気持ちがありました。最初は英語を使ったり、友達に頼ったりしていたのですが、これでは中国語を勉強しに来た意味がないと一念発起し、間違いを恐れずに使い出すと、語学力が飛躍的に伸びていくのを実感しました。また、日本人には本音と建て前がありますが、台湾では逆に表裏が少なく、思ったことを直ぐ口に出す人が多いです。そんな価値観の違いに最初はショックを受けましたが、思っていることを素直に伝え合う方が楽ですし、その方が信頼関係も築きやすいのではないかと考え方が変わりました。
語学力はどれくらい上がったか
英語:TOEIC660点(ある程度の会話力はありました)→TOEIC850点)
中国語:無し→HSK5(一時帰国時)→HSK6(帰国1年後)
留学を将来どのように活かしたいか
私にとって、留学が1つのターニングポイントになりました。大袈裟に言ってしまえば、留学で自分の人生が変わったと感じています。就職先が大学なので、留学を考えている学生や日本に留学している学生をサポートして彼らにも「変わるきっかけ」を提供したいです。その中で、台湾で身に着けた語学力を活かせたらいいなと思います。
一番苦労したこと、それをどう乗り越えたか
まず、「言葉の壁」と「価値観の違い」に苦労しました。中国語はゼロの状態で留学を開始したので、台湾の屋台で勢いのある中国語に圧倒されましたし、何でも直ぐ口に出す台湾人の接し方が日本人と違うので、受け入れるのに苦労しました。 「言葉の壁」に関しては、先ほども述べたように、失敗を恐れず繰り返し使うことで徐々に慣れて伸びていきました。「価値観の違い」に関しては、自分の価値観を変えることで乗り越えました。台湾の価値観に違和感を感じたのは、自分が日本の価値観に囚われていたからだと気付き、1つの価値観に縛られないように気を付けました。そうする内に徐々に自分の中で台湾の価値観も普通に感じるようになりました。 次に、専門分野(経済)の授業のディスカッションに苦労しました。チームメンバーは私より英語力も知識量も上回っていたため、当初は自分だけディスカッションについていけず、中々発言できませんでした。しかし、チームの一員なら自分も何か主張しなければと思い、分からないところは素直に質問したり、どんなに小さな意見でも口に出したりしました。それを繰り返す内に、いつの頃からか人前で発言することが怖くなくなっていきました。日本では何か意見があっても、挙手することが怖くて発言の機会を逃すことが多かったのですが、留学中のディスカッションの授業を通して、少しずつ自信を持てるようになったと思います。
就職
留学を就職活動でどう活かしたか
就職活動では、直接留学の話を全面的にアピールはしませんでした。自分の性格を問われた時に部分的に留学の話を織り交ぜたり、留学がきっかけで自分がどう変わったのか、留学の経験がいかに今の自分の土台を築いてくれたか、という話をしたのを覚えています。
現地での生活
休日の過ごし方
土曜日は主に溜めている課題を片付ける日にしていました。同じ交換留学生同士で図書館やカフェへ赴き、課題を終わらせた後は付近の夜一で遊んで帰ることが多かったです。日曜日は教会に通っていました。当時インターナショナルチャーチに通っていて、牧師と通訳の方が英語と中国語の交互で話してくれたので、語学力向上に非常に役立ちました。また、色々な考え方を持った人の意見を聞いて自分の視野を広げたり、交流を深めたり、私にとって日曜日の教会は1つのコミュニティの場でした。
寮・ホームステイ先の雰囲気
建物が想像以上に古くてびっくりしました。トイレ、洗面所、シャワールームはフロア内で共有でした。部屋は4人共同で、机とベットのみのシンプルな部屋でした。初日、ベットには布団がなく、台湾留学中の日本人の友達に、台湾のニトリに連れて行ってもらい購入しました。台湾は、自炊する人が少ないようで、大学の周りには、夜市やレストランが沢山あり、そこでルームメイトや友達と食事をしていました。
寮やホームステイの選び方
師範大学の寮に住んでいました。留学生は殆どそこに住んでいました。4カ月間で3万円程度と、非常に安かったです。
日本人との接触
英語や中国語を使う機会を増やす為に、日本人とずっと行動を共にすることは控えていました。他の日本人交換留学生もそういう考え方の人が多かったです。しかし、留学中の悩みや将来に対する不安を共有できるのはやはり日本人同士なので、定期的に集まってご飯会や誕生日会を開催していました。付かず離れずで良い距離を保てていたように感じています。
学校の授業以外の課外活動
授業以外でも積極的に色んな人と交流は深めていました。例えば、語学学校主催の郊外学習、日本語を勉強している台湾人との言語交換、教会で開催される季節のイベント、大学同窓会台湾支部への参加等です。
留学先の町について
治安はよく、都心なので何でも揃いますし、国民性も非常に良い国なので安心して暮らせる場所です。ですが、交通量が多いので事故等に巻き込まれないように注意は必要だと思います。また、日本と比べると衛生的にも良くはないので食中毒等への配慮も必須です。私も最初は、ここで1年間過ごせるか不安でしたが、慣れてしまうと何の不自由もなく、居心地が良い場所だと思うようになりました。
カルチャーショックを受けたこと/ホームシックになったか
私の場合、留学生活が本当に楽しかったので特に大きなショックはありませんでした。強いて言うなら、寮が想像以上に古く、部屋の狭さや汚さに驚いたことと、台湾人と日本人の性格の違いに戸惑ったくらいです。「ここは異国だから日本と違っていて当然」と考えていたので、あまり衝撃を受けなかったのかも知れません。
  • ルームメイトと旅行
  • 交換留学生(日本,韓国,アメリカ)

株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一