凍霜被害のリンゴ農家にお見舞いの手紙を贈る

長野県　松川中学校　全生徒のみなさん

長野県松川村の村立松川中学校の生徒は、２０年以上前から地元リンゴ農家の摘花作業を手伝っている。農作業を通じて、地域のために役立つことの素晴らしさを体感することを目的とした同校の伝統行事だ。

これまで生徒会のボランティア委員会が中心となり、摘花作業の目的など事前学習や各農家への連絡、計画などを生徒主体で進めてきた。２０１１年からはそれまでの学年ごとではなく、先輩が後輩を指導する学年混合の縦割り班を組んでいる。

今年も村内８ヶ所のリンゴ園での活動を予定していたが、４月下旬の凍霜によりリンゴの花の半分が結実できないほど大きな被害が出たことから中止を決めた。

そこで生徒たちは、「私たちは何もできないけれど、せめて心の支えになれば」と毎年お世話になっている農家のみなさんにお見舞いの手紙を送ることを決め、全生徒約３００人がひとり１０行の手紙を書いた。「３年生なので最後の摘花作業が中止になり残念ですが、おいしいリンゴができることを祈っています」「体に気を付けてがんばってください」など、日頃の感謝と激励の想いを込めてしたためた。

そして、ボランティア委員が５月２３日から８ヶ所の農家を訪問し、「少しでも励ましになったらうれしいです」と手紙を渡した。農家側も被害を乗り越える思いを強くし「また一緒に作業できるようがんばろうという気持ちになる。農業が自然を相手にした仕事であることも学んでほしい」と話していた。

（2013年7月掲載）