PROFILE
1986年3月13日生まれ。岡山県総社市出身。中学3年生から倉敷守安ボクシングジムでボクシングを始める。関西高等学校から駒澤大学に進学後、2004年の彩の国まごころ国体と2007年の全日本選手権、秋田わか杉国体で優勝。2005年、2007年には世界ボクシング選手権にも出場した。2008年の北京オリンピックにはフェザー級日本代表として出場するが2回戦で敗れた。また2008年のプロ・アマチュア年間表彰選手選考会ではアマチュア部門の最優秀選手賞に選出。2009年4月、陸上自衛隊に入隊し同年のトキめき新潟国体に出場しライト級で優勝、同大会の3階級制覇を成し遂げた。2012年にはアジア選手権でバンタム級銅メダルを獲得し、2大会連続でロンドンオリンピック出場、見事、銅メダルに輝いた。清水 聡選手の学生時代は・・・
ボクシングで強くなって、目立ちたかった
僕が入学した関西高等学校は県下でもスポーツ強豪校として有名だったんですが、ボクシング部に入部したものの、直ぐに退部してしまいました。でもやっぱりボクシングがしたくて再び入部したのが高校2年生の9月でした。このときが本当の意味でのボクシングのスタートかもしれません。でも、部員が少なかったこともあり、2年生の僕がいきなりキャプテンを任され、今度はキャプテンとしてもボクシング部を強くしたいという気持ちが出てきて、夢中でボクシングに取り組んだ時期でした。
関西高等学校から駒澤大学に進むことは迷わなかったです。高校の先輩も駒澤大学に進んでいたし、高校でボクシングを教えてくれた先輩が駒澤大学ボクシング部のコーチでもあったので、僕も自然と駒澤大学に進みました。でも大学時代はボクシングと学業を両立させるのが結構大変でしたね。単位を取るのは大変だし、試合に出たら授業を欠席しなければいけない。何より学校に通いながら減量するのがめちゃくちゃきつかったですね。通学の自転車のかごには、いつ倒れてもいいように氷水をいつも入れていました(笑)。でも、どんなに大変でも目標があったから一生懸命になれたと思います。全国大会優勝、そしてその向こうにはオリンピックという大きな夢もありました。
全日本選手権で優勝、そして2度のオリンピック出場へ
チャンピオンベルトよりも、オリンピックのメダル
高校卒業時からプロ転向の誘いもありましたが、僕にはプロのチャンピオンベルトより、オリンピックのメダルの方が価値があるように思えたんです。それにアマチュアの方々にお世話になってここまでこられたので、メダルを取って恩返ししたいという思いもありました。自衛隊を選んだのは、アマチュアボクシングを続ける上で環境的にも良かったし、サポートもしっかりしてくれると思ったからです。それと実は子供の頃から自衛隊員にあこがれもありました。僕が中学の頃、岡山県で大きな山崩れの事故がありました。その時に自衛隊員が活躍する姿を見て、かっこいいと思っていましたから。
今回のオリンピックは北京に続いて2度目の出場でしたが、特に今回はロンドンということで特別な雰囲気がありました。現在のボクシングはイギリスが発祥といわれているだけあって、観客の盛り上がり方や会場の雰囲気もすごく良かったですね。特に今回は2度目ということもあり、落ち着いて試合ができたこともありました。その中で今まで練習してきたこと生かせたし、周りの人たちの協力もあってメダルにつながったと思っています。
清水 聡選手からのワンポイントアドバイス
練習は集中!そしてオン・オフを上手に切り替える
1 走る・・・ボクシングに限らず全てのスポーツの基本ですが、特にボクシングでは走り込むことで体力、ダッシュ力、動体視力も鍛えることが大切です。また、音楽を聴きながら走ってみることも、リズム感を養う上では有効的だと思います。
2 シャドーボクシング・・・ただがむしゃらにするのではなく、対戦相手をイメージしながらするようにしています。相手の動きや特徴を考えながらやってみてください。
3 サンドバック・・・これは毎日やっていました。肩とパンチ力を鍛えるためには大事な練習です。このときにフォームや肩・腕の動きを意識して練習します。
4 筋肉トレーニング・・・まずはマシーンを使うよりも自分でできる腹筋・背筋・腕立て伏せを中心にします。
5 柔軟体操・・・練習の最初と最後に、間接や筋肉を柔らかくしてケアすることも怪我の予防につながります。
僕はボクシングを始める前にピアノや卓球をやっていましたが、実はボクシングの動きに必要なリズム感や動体視力を養うにはプラスになったと思います。このようにボクシング以外の練習でも、自分にプラスになると思うものは取り入れてみるのもいいのではないでしょうか。それと毎日の練習は大切ですが、集中して練習する時と休む時の切り替えをするのも大切だと思います。オンとオフを上手に切り替えて、ストレスや疲れをためない練習こそが上達への近道だと思います。
※プロフィール等は2013年1月時点のものです。
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