岩手県 北上中学校 | 古里北上の風景を古着で表現 見事なリサイクルアートに市民感動 | 善きことをした小・中学生達 - 日本の学校

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古里北上の風景を古着で表現 見事なリサイクルアートに市民感動

岩手県 北上中学校 生活文化部のみなさん

甘くせつない青春の愛唱歌「北上夜曲」で知られる岩手県北上市の中心地で、江戸期、市を流れる北上川の舟運の中継地として栄えた黒沢尻に市立北上中学校がある。

「ほくちゅう」と愛称される同校は、1947年の創立以来、開かれた中学校として地域との交流に力を注いできた。生徒も同校の伝統を受け継ぎ、確かな郷土愛を育んでおり、地域への貢献活動にも積極的に取り組んでいる。

今年春には、生活文化部が“古里北上”を主題に昨年創作したリサイクルアートが、市役所(同市芳町)のロビーに展示され、そのすばらしい出来栄えに、来所した市民が足を止め見入っていた。

作品はおよそ畳5枚分という大作で、「さくらの名所100選」に選ばれた展勝地や北上川の風景が、美しいデザインと配色で表現されている。

この作品で注目されるのは、絵の具で彩色されたのではなく、すべて生活文化部の部員が集めた古着で制作されていることだ。

同部員によると「生徒会のテーマである“エコ”を自分たちなりに形にしようと考えた時、古着によるリサイクルアートが浮かんだ」という。「100年経っても残したい風景を描こう」を合い言葉に、まず部員が描いたイメージ画にふさわしい古着の回収からスタート。最終的に畳5枚ほどの作品となるため、回収には多くの人々の協力を得た。そして、古着の選定、素材、配色などを考えながら制作を進め、昨年10月の同校文化祭で披露した。

同作品を見た人々から「出来栄えがすばらしいだけでなく、エコ活動や環境問題を考えるうえでも優れた作品」との高い評価を得た。

そこで今回、より多くの市民に見てもらおうと、市役所での展示が決まった。部員らは北上市役所ロビーに展示された作品を前に、「不要なものの再利用で、きれいな作品が出来上がり感動した。多くの市民に見てほしい」「私たちの古着アートを通して、古里北上の自然や環境を守る意識を育んでもらえたら嬉しい」と力を込めて話していた。

生活文化部による古着を使ったリサイクルアート制作活動は、同校の校訓である「向上一路」の考えが、生徒の心に深く浸透していることの証と言えるだろう。

(2009年4月掲載)

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