立教大学  総長 大橋 英五さん| 私の幼少期~両親の教え~ - 日本の学校

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私の幼少期 ~両親の教え~
(お名前の五十音順です)
※プロフィール等は取材時点のものですので
ご了承ください。

立教大学 総長 大橋英五さん プロフィール

強く、やさしく、まじめに生きていくことを教わりました

家族から教わったこと 存在を肯定しながら育て、自信を植え付ける

写真

私はおばあちゃん子でして、よく甘えさせてもらいました。私が「抱っこ」といえば、祖母は非常に嬉しそうに私を抱き上げてくれました。誰もが幼い私を「可愛い可愛い」と言ってくれて、「僕ってみんなにとってかわいい存在なんだ」と思うことができました。
また、私は工作が好きで、いろいろなアイディアを出しては母や兄たちと協力して、カタチにしていました。 私が作った工作が、学校で賞をもらった時も母は非常に喜んでいました。私が考え出したものが、皆を喜ばせ楽しませている。それが嬉しくて、また自分自身への自信につながったのではないかと思います。
自慢じゃないのですが、中学の数学の授業で「これが出来たら“5”をあげる」と先生が言うほどの難問を、私が解いてしまったことがありました。この時も「僕って凄い!」と思い、自分の可能性を感じることができました。幼い頃に存在を認めてもらえていたことが自分の自信につながり、何事にも積極的に取り組むことができるようになったのではないかと思います。今でも、論文を書き終えた後は「自分って凄い!」と思うことにしています。

大橋英五さん

お父さんに教わったこと 一所懸命仕事をする父を見て育つ

大橋英五さん

父は輸出用陶器の製造業を営んでおり、陶器の全体のデザインをして上絵付けなどを職人に頼み、それを海外へ輸出していました。平日の帰宅はいつも夜中で、土曜、日曜も休まず働いていました。私はそんな父を尊敬していましたから、将来は父のように、皆で協力して何かを作りあげる仕事に就きたいと思っていました。


お父さんに教わったこと 家業を手伝わせる、子どもに仕事の話をする

夏休みは子どもたちのしつけとして工場へよく手伝いに行かされました。父は大きな商談をまとめた時、家族にその仕事について話をしてくれていました。ある時、私は学校でアメリカの大量生産体制について学び、その知識をもとに、父の会社の体制について提案をしたことがありました。父は中学生だった私からの提案を突っぱねず、何故会社がそうしないかを私に説明してくれました。そして、父の言った通りになった時、私は父を「すごいな」と思わずにはいられませんでした。今になって私の中学生の頃の父への質問を思い出してみると、子どもは意外と早く大人として歩き始めているのかもしれないと思います。このように父から会社の仕組みや経営の話を聞いていましたので、私は次第に経済に興味を持つようになりました。


お父さんに教わったこと 仕事の厳しさ、しんどさを見せる

父は経営者でもありましたから、月末になるといらついている姿を見せることもありました。それを見て私は「仕事は大変なんだ」と思ったものです。子どもは、父の背中を見て育ちます。親も子どもに「なりふりかまわず」、「みっともない姿」を見せるのは素晴らしく、大事な事だと思います。私も同じように今、家で論文をむずかしい顔でしんどそうに書いている姿を家族に見せています。


お父さんに教わったこと 質素を教える

マックス・ウェーバーというドイツの社会学者が、資本主義の精神は、プロテスタントの「まじめ」で「質素」で「合理的」な考え方が基礎であると説いていましたが、我が家ではまさにそれを実践していたと思います。陶器が売れ、我が家にはある程度の財はあったと思いますが、父は無駄使いをせず、質素な生活を心がけ、必要な時には、かなりのお金を使っていました。


お父さんに教わったこと 仏様、神様を大切にする心を教える

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父は、両親を早くに亡くし、祖母に育てられましたので、仏壇にお供物をして、毎日拝んでいました。お稲荷さんもお祭りし、毎日拝み、年に何回かは神主さんがお参りに来てくださり、その時はみんな正座して拝みました。信心深い家族に囲まれた環境で育ったことで、私は、自分の範囲を超えた仏、神様という存在を自然に理解することができ、眼には見えない絶対的な存在というものを受け入れることができたんだと思います。


ご両親のしつけ 悪いことをした時は頬を平手打ちされた 食事は父の着席後に食べ始める

父は明治生まれの人でしたので、しつけに関しては厳しかったですね。あまり口でお説教をするタイプではなく、悪い事をした時はよく頬を平手打ちされました。母は父をきちんと立てることができる人で、父が食卓につくまでは食事を始めてはいけないということが徹底されていました。


お母さんに教わったこと 体に気をつけて、元気で、やさしく、まじめにやっていけば食べていける

大橋英五さん

母は子どもたちと一緒にいたずらをする事が好きな、大変ほがらかな人でした。私が母の日にプレゼントした、今でいうストラップみたいなものをとても喜んでくれ、磨いて大切にしてくれていました。そしてそれをまた、会う人会う人に嬉しそうに話すのです。私は照れくさいながら、子ども心に大変嬉しかったことを記憶しています。そんな母が、よく子どもたちに話していた教えがありました。「体に気をつけて、元気で、やさしく、まじめにやっていれば、どうやってでも食べていける」これは、母も祖父に言われた言葉らしいのですが、母はこの教えに沿い、子どもたちに「名声も地位も大した事ない」。「まじめに一所懸命、自分のできることをやっていきなさい」と言い続けていました。「勉強しろ」や「学校へ行け」とは一度も言われたことがありませんでした。


兄弟から教わったこと 兄弟が多いので「人間はそれぞれが違う」と理解

我が家は8人兄弟で、みんな性格が異なっていました。弟には出来ることでも、私には出来ない事がある。料理の上手な姉もいれば、掃除の上手な姉もいました。両親は私たちの個性の違いを尊重し、私たち兄弟を比べることは決してしませんでした。子供を比べて欠点を指摘した事はありませんでした。そのことは今、私が働く教育現場でも生きています。大学も、勉強好きな学生が集まる大学はそのような対応をすれば良いですし、勉強のあまり好きではない学生の集まる大学は、そのような対応をすることが大切だと思うのです。


大橋英五さん
子育て中のパパママにメッセージをお願いします。 その子の性格や能力を見極め、身の丈に合った生き方をさせてあげてください

もしお父さんお母さんが、我が子に「強くてやさしい子」に育って欲しいと望まれるのならば、ご自身が強く、やさしい大人になることです。理由もなく厳しい親からは、決してやさしい子どもは育ちません。同様に、やさしい社会でないと、やさしい人間は育たないと思います。
生きづらい世の中になってきましたが、何が起こったとしても大したことはないんです。「元気」「やさしく」「まじめ」でいれば、必ず生きていくことができます。親は、その子の性格、能力を見極め、どのように育てるかを考え、身の丈にあったその子らしい生き方をさせてあげることが大事だと思います。お金があれば良い、名声や地位があれば幸せになれるとは、限らないのです。

立教大学 総長
大橋 英五

2008年6月掲載

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