【特集】栗原三佳選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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栗原 三佳選手 プロフィール

栗原 三佳選手

バスケットボール選手 トヨタ自動車アンテロープス所属

PROFILE

1989年5月14日生まれ。大阪市枚方市出身。小学校3年生からバスケットボールを始め、名門大阪薫英女学院高校のスポーツクラスに進学。3年次には主将としてインターハイベスト8に進出した。大阪人間科学大学に進学後もバスケットボール部に所属。途中、怪我でプレーできない時期もあったが、4年次にはエースとしてインカレ準優勝を果たし、関西女子学生リーグでは最優秀選手賞を獲得した。2012年、大学卒業後はトヨタ自動車アンテロープスに加入。初年はルーキーながらWリーグ全試合に先発として出場、チームの準優勝に貢献した。2013年にはオールジャパンで優勝、Wリーグではベスト5に選ばれた。2014年に日本代表に初選出され、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは20年ぶりのベスト8進出を果たした。その後再び怪我で戦列を離れるも2018年1月に復帰、日本代表にもカムバックした。現在はチームの要として、そして日本屈指の3ポイントシューターとしてこれからも活躍が期待されている。

栗原 三佳選手の学生時代は・・・

高校はレベルが違いすぎて、頑張らなければついて行けない

栗原 三佳さん写真
 私がバスケットボールを始めたのは小学校3年生でした。三人姉妹の真ん中の姉がバスケットボールをやっていて、すごく楽しそうで興味を持ったんでしょうね、私も練習について行くようになりました。小学校のバスケットボールチームで、参加は4年生からですが、姉がいたので3年生から入れてもらっていました。でも小学生の頃は姉の真似をするのが楽しかっただけで、中学生になってバスケットボール部に入り、好きだから続けているくらいの気軽さだったんです。そんな思いが変化し始めたのは高校進学を前にしたときでした。バスケットの強豪校でもある薫英女子学院高校の推薦を受けてみないかという話があり、挑戦することにしました。初めてバスケットボールにおいても挑戦してみたいと思えたからです。でも実際にバスケットボールへの意識が変わったのは、大阪薫英女学院高校に入学してからでした。
 中学時代と比べて周りの選手のレベルが違いすぎていましたから「これじゃだめだ」と痛感しました(笑)。とにかく頑張らなければみんなについて行けないという思いで、意識が変わっていきました。また、高校入学と同時に寮生活が始まり、バスケットボールに打ち込める環境になったことも私の中では大きな変化だったと思います。実は当時、寮生活に憧れていたんです(笑)。実際に始まってみると、下級生時代は寮の掃除など仕事が多いんですよ。中でも結構キツかったのが残り物を1年生が食べることです。特に私は食べるのが遅くて、必死で遅れないようにかき込んでました(笑)。でも何より楽しかったのは、同じ目標に向かって頑張る仲間がいつもそばにいることが嬉しかった。同じ夢や悩みを語りあったり共有できる心強さもありました。それに寮だけでなく練習も大阪人間科学大学の先輩方と一緒だったので、バスケットでもすごく刺激を受けていました。

大学から社会人へ、そして日本代表として世界へ・・・

自分の役割を一生懸命にすることを目標に、走り続けてきた

栗原 三佳さん写真
 卒業後は系列の大阪人間科学大学に進み、さらにバスケットボールにハマっていきました。1年生から先発で出場させてもらえたりと順調だったのですが、大学2年生になる前に前十字靭帯断裂し長期間のリハビリもあり、復帰しても他の怪我で思うようにプレーできない苦しさも経験しました。中でも一番悔しかったのは、大学4年の時のインカレの決勝ですね。思うように調子が上がらず自分たちの力を出し切れずに負けてしまった試合です。でもその悔しさはオールジャパンでWリーグのチームに勝って学生でベスト8に入り、Wリーグの強豪チームとも対戦することができました。自分の中で学生時代を満足のいける結果で締めくくれたことは、その後のモチベーションにもなっていたと思います。そして卒業後の道を決めたのは大学4年生の10月でした。
 大学生の頃、遠征でトヨタ自動車アンテロープスと練習試合を行いました。遠征中には、自分たちが練習する時間もありトヨタの監督が教えてくれる機会もありました。チームには大学の先輩もいましたし、何より当時の監督のバスケットボールに興味を感じていたこともあって、チームへの加入を決めました。最初に感じたアンテローブスの印象は、ベテランの方も多く個々の役割をわかった上でプレーされているということ。そして個々がチームとして団結し、強さにつながっていると感じました。だから私も自分の役割を一生懸命にすることを目標に夢中で走り続けていました。1年目から、オールジャパン優勝とリーグ準優勝を経験させてもらえたし、翌シーズンにはベスト5、2014年には初の日本代表にも選ばれました。そして2015年のアジアカップ、2016年のリオデジャネイロオリンピックでもプレーすることができました。
 当時のチームメンバーは皆が初めてのオリンピックだったので、とにかく楽しかったですね。変なプレッシャーもない中、初戦を勝てたことでモチベーションというかテンションがどんどん上がっていきました。本当にゲームを楽しんでいました。最後にアメリカに当たっていなかったら、ベスト8よりもっと上に行けていたとチーム全員が思っていました。でもやはりアメリカはすごかったですね。日頃ネットで観ていたスター選手が揃っているんですから(笑)。プレーのサイズもスピードも、そして経験もあって負けてしまいましたが、挑戦できたことは素晴らしい経験になったと言えます。

栗原 三佳選手からのワンポイントアドバイス

個々の力を伸ばしたうえで、チーム力の向上につなげていく

栗原 三佳さん写真
 バスケットボールはチームスポーツです。その面白さは、チーム力をいかに発揮できるかというところではないでしょうか。例えば運動能力があるから成功するスポーツではないし、一人の優れた選手がいてもそれだけでは勝てません。コートの中にいる5人とベンチメンバー全員がそれぞれ個々の役割をして、その総合力を高めていく。すなわちチーム力が必要とされるスポーツです。強いチームを目指すには、まず個々の運動能力を伸ばし、基本をしっかりと身につけた上でチームが一丸となれる練習に取り組んできました。ちなみに高校時代の練習は・・・
(1)アップ・・・まずはジョグすることで体を温めたり筋肉をほぐし、練習に入る前の体を準備をします。
(2)フットワーク・・・バスケットボールではオフェンスでもディフェンスでも、様々なフットワークが必要なので何種類ものフットワークメニューを日替わりでしていました。
(3)シューティング・・・相手がどのようなディフェンスをしてくるかで、シュートも使いわけられるように、様々なシチュエーションを想定し、ドリル形式で練習が組まれていました。
ドリブルをついてシュート、ステップを踏んでシュート、動いてディフェンスをかわしてシュートなどのスキルが入っていたり、ボールをもらう時のミート(パスを自ら迎えにいく)の仕方が何種類もあるドリルだったり、味方の動きに合わせて動いてパスをもらってシュートなど、いろいろと組み合わせた練習がありました。
(4)対人練習・・・スキル練習したことを実践形式で行う練習。
(1対1~5対5)
オフェンスはディフェンスの動きで判断してスキルを使いわける、ディフェンスはオフェンスに好きなプレイをさせない練習と状況判断の練習もしていました。
パスやシュートといったオフェンスはもちろん、ディフェンスにおいても必要な動きをマンツーマンや2対2でフットワークを生かして身につけます。
(5)ゲーム・・・個々の動きだけでなくチームとしての動きを意識して、それぞれの役割を考えながら実践していくことでチーム力を高めていきます。試合形式で5対5を行うことで、より実践に近づくことができます。そこで積み上げてきたことを表現できるように練習していました。

練習は技術を身につけることを目標にしていますが、自分の短所を克服したり長所をさらに伸ばすためにも重要です。そして大事なことは、どのような練習でも自分のためにするという意識が大事だと思います。誰かに言われてやらされているのではなく、辛い練習でも頑張った分、必ず自分の力になるとプラス思考で頑張ってみてください。

栗原 三佳選手からみんなへメッセージ

どんなときも前向きに頑張ったから、今の自分が楽しい!

栗原 三佳さん写真
 トヨタ自動車アンテロープスに入って今年で8年目を迎えます。それなりに経験も積んできたという今の私ができることは、若い選手が多い中で誰よりも冷静に判断できる強みもあります。その経験と判断力でチームを支えたり、積極的にシュートを狙う自分らしさを生かしてチームを盛り上げていくことが私の役割だとも感じています。そして目標はリーグ優勝です。オールジャパンでは優勝があるんですが、トヨタ自動車アンテロープスとしてWリーグではまだ優勝がありません。そのためには個々のレベルアップはもちろんですが、チーム力を上げて苦しいときに全員で頑張れるチームを目指したいですね。そして次は日本代表として2020年の東京オリンピックを狙いたいです。
 私は学生時代、そして社会人になっても怪我で苦しんだ時期はたくさんあります。怪我をして、バスケットボールができないので、しんどかったし、苦しくて悩むこともありました。でも怪我をしたことに対して、決してマイナスに思わないよう心がけていました。怪我=マイナス(悪いこと)に思いがちですが、怪我をしたから気づけることもたくさんあります。その気づいたことを、復帰した自分のプラスにすれば、もっといい選手なれると前向きに思い、今できること、その時にできることを一生懸命に向き合ってきました。なので怪我をして競技ができない時間はあったけど、その時間は無駄ではなかったし、それがあったからこそ今の自分がいます。
 今の高校生の皆さんは、勉強やスポーツなどいろんなことに挑戦できる時期です。まずは今を楽しんでください。勉強やスポーツなど、もちろん楽しいことばかりではなく、頑張らなきゃいけないし、しんどいと思います。無理はせず、マイペースに自分らしく未来を明るくするためにも、様々な可能性を信じて挑戦してください。可能性は無限大です。全力で楽しみ、悔いのない高校時代を過ごしてください。

※プロフィール等は2019年7月時点のものです。

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髙田 真希選手
髙田 真希選手(バスケットボール選手)
失敗を経験に変えるくらいのチャレンジ精神でいこう!
比江島 慎選手
比江島 慎選手(バスケットボール選手)
確かな目標があれば、きっと頑張れるはず!
馬場 雄大選手
馬場 雄大選手(バスケットボール選手)
スポーツを通して、人として大事なことを教わった
渡嘉敷 来夢選手
渡嘉敷 来夢選手(バスケットボール選手)
自分らしさを楽しんで、今の時間を大事にしてほしい!
川村 卓也選手
川村 卓也選手(バスケットボール選手)
自分を貫き続けることから、個性は生まれる
竹内 公輔選手
竹内 公輔選手(バスケットボール日本代表選手)
今の時間を切磋琢磨して、有意義なものにしてほしい
田臥 勇太選手

2010年3月

能代工業高等学校 出身 ブリガムヤング大学 出身
田臥 勇太選手(バスケットボール選手)
大事なのは、情熱を持てること
五十嵐 圭選手
五十嵐 圭選手(バスケットボール日本代表)
好きという気持ちがあれば、打ち込める
森下 雄一郎選手

2007年11月

森下 雄一郎選手(プロバスケットボール選手)
まずは自分を信じて好きになって欲しい
佐古 賢一選手
佐古 賢一選手(プロバスケットボール選手)
プラス志向が、自分を高めるためにはとても大切

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一