北海道大学 総長 佐伯 浩さん| 私の幼少期~両親の教え~ - 日本の学校

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私の幼少期 ~両親の教え~
(お名前の五十音順です)
※プロフィール等は取材時点のものですので
ご了承ください。

佐伯 浩さん プロフィール

自ら考え、動くことが求められた少年時代。その後も両親は私の意志を尊重してくれました。

お父さんに教わったこと 想いや信念を持って実行する背中を見せる

私の父は文部省(現・文部科学省)で働く公務員でした。父が満州大使館に勤めていた頃、満州で私は生まれました。満州大使館を出た後、女学校の教頭をしていた時に父は徴兵され、出征。終戦後は、宮崎県内にある高校の校長に就任しました。
頑固で厳しい教育者でしたが、自分の子どもには特に何も言わない父親でしたね。もっと広い目で「教育」を見ていたのかもしれません。父は校長として自らの戦略を実現するために周囲を説得して回り、新設の学校をのちに県内屈指の進学校にまで発展させました。信念を持って行動し、想いを実現させた父。私はその背中を見て育ちました。
父は熊本出身で7人の兄弟がいました。故郷から余儀なく離され、苦労して育った父。末っ子だった父は自ら働き、自力で大学に進学し、公務員になりました。私が高校生の頃、「お前は恵まれている」「やる気になれば何でもできる」とよく言われたものです。
父は教育者として学生の名前を全て覚え、名前を呼んで接することを実行していました。「おい君」ではなく「○○君」と名前を呼ぶ。私はこのことは「教育の原点」だと思っています。名前を呼び、一人の人間として認める。自分のことを知ってくれているという信頼感が、教師と学生の距離を近づけるのだと思います。

佐伯 浩さん

お母さんに教わったこと もらった恩は決して忘れず、恩を返す

佐伯 浩さん

母も元々は教師でしたが父と結婚してからは家のことをしていましたね。母はとても面倒見がよい、お人好しな人でした。
人が良すぎて、 時にはだまされることもありましたね。困っている人を見ると世話をやいてしまう、何でも信じる優しい母。そんな性格でしたので、私には母に怒られた記憶というものが無いんです。
終戦後、満州から引き揚げてきた時、一時、母方の兄弟や父方の兄弟のお宅に住まわせてもらったことがありました。母はよく「苦しい時に助けてもらった。お世話になった人にはお返しをしなくてはいけない。一生をかけて恩返ししなくてはならない」とよく言っていたものです。


両親に教わったこと 子どもに考えさせ決めさせ、意志を尊重する

佐伯 浩さん

私の子ども時代は食べるものが無く、自分たちで食べるものは自分でなんとかしなくてはならない時代でした。主食はサツマイモ。山菜採りや魚釣りも遊びではなく家族の食料のためにしていました。家の手伝いといえば、当時100羽ほど飼っていたニワトリたちの世話をしていました。その卵を弟と交代で売りに行くのですが、売れないこともありました。とにかく子どもも家の大事な働き手。母親や近所の方から「よく働くね」と誉められ、「ありがとう、ありがとう」 と感謝されてましたね。忙しい両親をみながら、自分の役割を理解し、自ら考え動くことが求められた、そんな時代でした。

高校生の頃、なんとなく山岳部に入部しました。山岳部時代に、日本で初めてヒマラヤ山脈のマナスル山に隊長として登頂に成功した槙有恒(まきゆうこう)さんが宮崎で講演されるというので行ってみました。その講演で見た北海道の山々の写真、北大の山岳部の写真に大変感動しました。北海道大学に入ろうと思ったのも、雪山に憧れたから、というのも理由のひとつなんです。
両親から「勉強をしなさい」と言われたことはありませんでしたし、進路についてもすべて自分で決めました。進路を決める過程においても、両親は何か思うことがあっても敢えて口出しせず、私の意志を尊重してくれていたように思います。


佐伯 浩さん
子育て中のパパママにメッセージをお願いします。 人のせいにしないためには、自分で決めることが大切

現代は良い状態が続かない、先が読めない時代ですね。こんな時代の先のことは親にだってわかりません。失敗することもあるでしょう。失敗した時に「父があの時こう言ったから、母がこう言ったから」と人のせいにしないためには、自分で決めることが大切です。そうすれば結果どうなろうと、我慢ができるし、後悔せずに自分が納得した人生を送ることができるでしょう。自分の人生を誰かのせいにしない人にするために、ぜひお子様には様々な体験をさせ、考えさせ、子どもに選択をゆだねるような育て方をして欲しいと思います。口出しをするということはお子様を信頼していないということです。そのときはわからなくても、後でわかることも多いものです。
我が北海道大学でも、学生に人生を自分で決めてもらいたく、入学してから学部を決定させています。大学に入ってから学部を選べば親の干渉が無くなり、自ら考え決めるようになるでしょう。
また、子どもは育てられて当たり前ではありません。親から投資を受け、それを返す必要があるのです。何もかもされて当たり前という感覚では、やはり自立することは難しいでしょうね。

北海道大学 総長
佐伯 浩

2011年5月掲載

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