丸大食品株式会社 常勤顧問 小森 嘉之 さん| 私の幼少期~両親の教え~ - 日本の学校
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私の幼少期 ~両親の教え~
(お名前の五十音順です)
※プロフィール等は取材時点のものですので
ご了承ください。

丸大食品株式会社 常勤顧問 小森 嘉之 さん プロフィール

記者の目

やりたいと言ったことを一つも反対しなかった父の“体験主義”が、視野を広げてくれました。

父に教わったこと 父に教わったこと 働いている姿を見せる 子どもの自発的な行動を尊重し、まずは体験させる

小森 嘉之さん

父は大正11年(1922年)生まれです。家が裕福ではなかったので、尋常小学校卒業後は証券会社で丁稚奉 公をしていました。働きながら夜間の青年学校を出て、戦争に行って、帰ってきたら株を扱うマーケットもないから、食べるために行商のようなことをやっていたようです。そのうち中央卸売市場に出入りするようになり、「商売せぇへんか」と声をかけてもらって仲買を始め、鯨肉などを扱ったと聞いています。魚肉ソーセージに進出したのは、昭和30年代のことで、これが丸大食品創業のルーツです。

私が生まれた頃は社員も20人くらいで、家も会社も一緒でした。玄関を上がって左が事務所で、奥が家族の住まい。横には寮があって、若い人はそこから出勤です。母が社員みんなの食事を作り、祖父母は会社を手伝って、社員は一緒に暮らす家族のようなものでした。

そんな環境で生まれた私は、両親の働く姿をずっとそばで見てきました。市場の仕事は朝が早いので「父はいつおるんかな」と思うくらい、顔を合わせることが少なかったのですが、寂しいな、嫌だな、ということはなくて、野球や相撲、行きたいところへは祖父や母が連れて行ってくれました。だから父に「あぁせい」「こぅせい」と言われたこともありません。いい意味での放任主義で体験主義者だったと思います。

子どもの頃から自分から「したい」と言ったことには何をするにも反対されたことはありませんでした。よく「体験せぇへんかったら、分からへんやないか」と言っており、何でもやらせてもらえました。心配をかけたこともあった とは思いますが、「やってみなはれ」と反対されたことはありませんでした。高校生の時に一人でアメリカ旅行に行きたいと言った時も、今思えばかなり無茶だったと思いますが、費用も黙って出してくれ、応援してくれました。

この徹底した体験主義は、小学校を出て丁稚奉公していた父の実体験に基づくものだったのだと思います。


父に教わったこと 常に天に見られていると思って判断をする人の痛み、感謝の気持ち、思いやりを大事にする

小森 嘉之さん

父は信心深くて、よく神社やお寺に寄進していました。感謝の気持ちというか、ごく自然で、それが当たり前のことのようでした。会社でも家でも、勉強や仕事をしなさいというようなことは言わず、人間としてどう生きるべきか、人の目を基準として判断するのではなく天が見ているので常に天に見られていると思って判断しなさいと父はよく言っていました。こういった信心深い父の考えが、私の中に知らず知らずのうちに浸透し、身についたのではと思い、感謝しています。

私がすることには何も言わない父でしたが、風呂の時間について言われたことを思い出します。まだ18時や19時なのに、「食事が終わったら風呂に入れ」と父が言いました。もう少しテレビが見たいと言ったら、「おまえらが入らへんと、一番最後に入るお手伝いさんが寝られへんやないか」と。人の痛みだとか、自分がしたらいけないことなどが、丁稚奉公から身に染みていて、思いやりを大切にする父でした。

商売人としての顔もよく見られました。お金の話をすることは卑しいとか、人前でしてはいけないとかいうこともなく、普通に話していましたし、私がもらったお年玉を「全額貯金するんやったら、わしが倍にしてやるけど、どうする?」と聞かれたこともありました。私の家ではごく普通の会話でしたが、そんなやりとりが大好きでした。やはり、根っからの商売人気質だったと思います。

改めて“教育” というものをされた記憶はありませんが、生活の至るところで人への感謝の気持ちや金銭感覚などを教わったように思います。


母から学んだこと 良いことと悪いことの区別はきちんとつける

母は弘法大師・空海の生まれた土地として有名な香川県の善通寺市に生まれました。四国八十八ヶ所巡りが盛んな善通寺では「お接待」と言って、お遍路さんをもてなす風習があります。お茶を出したり、果物を差し上げたりしますが、「自分の代わりに参ってきてくださいね」という気持ちを込めたものです。過酷な道を行く人に自然と手を差し伸べようとする“思いやりの文化” でもあり、それが根付いている土地です。そこで育った母は、あえて意識することなく他人への思いやりや感謝をにじませる人でした。父については、一度も悪く言うのを聞いたことがありません。何かにつけ「お父さんがやってくれたんよ」とか「お父さんのおかげ」と言っていました。

忙しい父の代わりに、子どもたちの躾は母の役目です。小学生の頃の私は、「どっちがええ?」と聞かれればパパッと選ぶ、大阪の下町の子らしい子どもでした。4人兄弟で男は私一人だったので、いたずらをしてはよく叱られました。いたずらといっても隣の家の柿を食べたり、走ってはいけないところをパーッと走ったり、かわいいものです。母にはよくお灸をすえられました。良いことは良い、悪いことは悪い、それをきちんと教えてくれました。

周りの環境から学んだこと 温かく、厳しく、周りの人が見守ってくれる環境が必要

小森 嘉之さん

昔と今と大きく違うのは、地域の人との関わりでしょうか。私が育った大阪の下町では、近所の人はみんな知り合いでした。子どもたちのこともみんな知っています。学校が終わったら、そろばんや習字に行って、またみんなで学校へ戻って野球をやって……という時代です。学校の前の家の友達のところでおやつを出してくれて、悪いことをしたらその家の子と同じように叱られたりしました。ときには温かく、ときには厳しく、周りの人たちに接してもらって育てられる、あの時代の環境はとても良かったと思います。

私のすることに何も言わなかった父ですが、先に申し上げました高校生で一人でアメリカに行ったときや大学のクラブでグライダーに乗り始めたときなど、父の友人のおじさんたちが「お父さん、ものすごい心配してるで」って教えてくれました。子どもの冒険を手放しで応援できない親の不安をそっと隠して、背中を押してくれたことに感謝するばかりですし、こそっと教えてくれた周りの人たちにも感謝です。おせっかいだとか思わずに、伝えるべきことは一歩踏み込んで伝えてくれる、それが温かさだと思います。


父から学んだこと 父からの「思うままに生きよ」を息子たちへ

父が社長を務めていた当時は、約40人の営業所長を毎年2~3週間アメリカへ研修旅行に行かせていました。パートさんは入社5年後から100~200人規模で香港へ連れて行きます。

きっかけは、父がかつて経営について悶々としていたとき、知人に誘われて1ヵ月半くらいヨーロッパ、アメリカを旅行したことからです。行った先で刺激を受け、いい体験をして考え方が変わったらしいのですが、行ったことのない人に説明をしても、その体験から得るものはなかなか伝わりません。それなら「行くのが一番や」と思い、実際に社員を海外に行かせたことから始まりました。体験主義の父らしい行動でした。費用のかかることですから、かつて、その効果のほどを周りの得意先から聞かれたことがありました。父は「子どもができて、その子がそこそこやったら大学に行かしたいと思うやろ。大学行ったからって、みんなが学者になるんとちゃうんや」と言っていました。感じるものが違ってもいいから体験させなさい、体験できる環境をつくりなさい、ということだと理解しています。

私にも息子が2人いますが、日本と海外でそれぞれ好きな仕事をしています。父が私に様々なことを体験させて、自分の思う道を選ばせてくれたように、息子たちにも「思うままに生きよ」とメッセージを送りながら育ててきました。

記者が気になる周辺情報

仕事について

丸大食品株式会社

当社には創業当時より、「至誠通天」という社是があります。この言葉には、日々誠意を尽くして業務に当たれば、いつかその誠意は通じるものである、という意味が込められており、その考え方が脈々と受け継がれてきております。当社はお客様に、より安全でより安心して召し上がっていただける食品を提供する総合食品メーカーとして、真に社会的存在価値が認められる企業へ向かって、あるべき姿を模索し、志を高く、常に新たな挑戦を行っております。

ハム・ソーセージ事業、調理加工食品事業、食肉事業

丸大食品の伝統を受け継ぐ、それがハム・ソーセージ事業です。「燻製屋熟成あらびきポークウインナー」をはじめ、お客様のニーズを高いレベルで満たした品揃えが特長です。素材や工程など安全性を徹底的に追求し、魅力ある製品をお届けいたします。

食を囲むことは、家族や仲間がひとつになること。多様化するライフスタイルに合わせて調理の利便性を高めるとともに、多くのお客様が食べる楽しさを感じていただけるよう、多彩な惣菜を産み出している調理加工食品事業も展開しています。

食肉事業として、国内はもとより、デンマーク・カナダ(豚肉)、米国・豪州(牛肉)、ブラジル(鶏肉)等、丸大食品では世界各国の様々な食肉を取り扱っています。それら全ては安全で高品質なものを厳選し、グループ会社を通じ、素材の特徴を生かした商品を新鮮な状態でお客様にお届けしています。またお客様のニーズに対応した商品へと加工し、量販店や外食店等、様々なお客様にお届けしています。

バラエティ豊かなラインナップ

丸大食品グループでは、様々なシーンやニーズに対応できるよう、多彩なラインナップの商品をご用意しています。おいしい焼肉やデザート、新鮮なフルーツを生かしたヨーグルトなどおいしさも様々で、遊び心とおいしさを兼ね備えた商品をお届けしています。また、ギフトにピッタリのハムやデザートも人気の定番商品で、多くのお客様にご利用いただいています。

2019年12月掲載

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