PROFILE
1977年10月29日生まれ。広島県出身。大阪府立箕面高等学校に入学し、アメリカンフットボールを始める。QB(クオーターバック)としてチームメートたちと練習を重ね、高校アメリカンフットボール選手権大会で、公立高校としては当時異例の準決勝まで勝ち進む。その後、関西学院大学へ進学し、「関西学院大学ファイターズ」の主力として活躍。4年生の時には年間最優秀選手にも選ばれる。卒業後、TBSアナウンサーとして、スポーツ番組などを担当していたが、2004年に同局を退社し、再びアメフトの世界へと現役復帰を遂げる。現在、「アサヒビール シルバースター」のQBとして活躍中。有馬 隼人選手の学生時代は・・・
悔しさを知って自分が変わった
そこで、高校ではそんな自分を変えようとアメリカンフットボールを始めたんです。アメフトはぶつからないと始まらないし、全員が全力でぶつかり合うスポーツだから、ここで自分を変えてやろうと思いました。1年の始めは辛かったですね。先輩たちがどんどんぶつかってきて、「これはダメかな」って諦めそうになったんです。そんな時、練習試合に出場する機会があったんですけど、いきなりものすごく大きくて強い選手に吹き飛ばされたんですよ。「あ~、やっぱり3年生は違うなぁ」って、勝手に先輩だと思い込んでいたんですが、試合後に、実はその選手は同じ1年生で、しかもつい最近アメフトを始めたばかりだと聞かされたんです。その時初めて、「悔しさ」を知って火が付きましたね。今思えば、そこからぶつかり合いも怖くなくなり積極的に動けるようになったと思います。その後は、同学年のチームメートと一緒に、もっと強くなろうと話し合って、チームの研究や自主練習を始めました。コーチがいなかったこともあり、ほとんど自分たちでメニューを考えましたね。3年生の秋頃に、その努力が実って選手権大会の準決勝まで行けたんです。何ともいえない喜びでした。全員が1つの目標に向かって進めてるんだと実感しましたね。
その後、関西学院大学でもアメフトを続け、4年生の時には年間最優秀選手までもらうことができました。本当に充実した学生生活だったと感じています。
アナウンサーから再びアメフト選手へ
自分はまだ最後までやりきっていないと感じた
そこで様々なスポーツ選手に出会い、取材する中で、限界までやりきっているスポーツ選手を目の当たりにしました。自分で区切りを付けた私にとって、その人たちがすごく格好良く見えて。それと同じ時期に、関学の後輩たちがライスボウルという大会で、社会人チームを倒したんですよ。始めは純粋に「おめでとう」という気持ちが強かったんですが、大学時代、社会人チームに負けてアメフト生活を終えた私にとって、悔しいという思いもありました。そこで「年齢的にもチャンスはこのタイミングしか無い」と感じてアナウンサーを辞め、もう一度アメフトの世界に飛び込んで、最後までやりきろうと決めました。
約3年のブランクがあり、トレーニングもほとんどしていませんでしたから、最初はやっぱり大変でした。それでも、自分の決断を信じて、トレーニングやチームメイトとの練習をひたむきに続けて行くうちに、アメフト選手としての体格や感覚を取り戻せましたね。
有馬 隼人選手からのワンポイントアドバイス
いかにチャンスを見つけるかが大事
(1)情報をたくさん取る
自分に関係の無い試合も含めて、数多くの試合を観てください。同じ高校生の練習試合から、大学や社会人、NFLまで。そしてその試合について、チームメートとどうすれば攻略できるかを必死で話し合ってください。そのようにコミュニケーションを取ることで、チームメートの考えや細かい動きが分かるようになってきます。
(2)責任を人に押し付けない
自分に起こることは、全て自分の責任だと思うことが重要です。例えば、パスを出してチームメートがキャッチをミスしたりすると、相手だけの責任にしてしまう。そのように考えていると、パス自体にも影響してきます。なぜなら、責任を人に押し付けてしまう人は、そのパスにも責任を持たないからです。良いパスは、相手の動きや仕草、目線など、常に注意深く見ているはずです。そうすると、自然とパスに対しての責任感が生まれると思います。
(3)自分を理解する
パスを出すタイミングやランを決めるタイミング。それは決して運では起こりません。いかにチャンスを見つけるかが大事です。そのためには、まず自分を理解することが大事です。自分が出来ることや出来ないことをしっかり見定めてください。例えば、今のポジションで自分の肩では味方にパスが届かないのなら、そこで諦めるのではなく、自分ならどこまでパスが届くのか。ランはどうか。など、自分としっかり向き合っていれば、プレーの選択肢が増え、きっとチャンスを見つけることが出来るはずです。
※プロフィール等は2012年4月時点のものです。
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