PROFILE
1991年6月25日生まれ。静岡県御前崎市出身。小学3年生から陸上を始め、中学1年時のジュニアオリンピックDクラス100m優勝や3年時のジュニアオリンピックAクラス200m優勝など早くから活躍を見せていた。藤枝明誠高校進学後は国民体育大会やインターハイで記録を残し更に注目を集めた。2010年、中央大学に進学。同年の関東学生陸上競技会の4×100mリレーではアンカーとして出場し、38秒54の日本学生記録を樹立して優勝、翌日の200mでも優勝を決めた。また同年の日本学生陸上競技個人選手権大会の200mを制した後、7月の世界ジュニア陸上競技選手権大会の200mでは男子日本選手初優勝となる快挙を達成し、平成22年度JOCスポーツ賞新人賞を受賞した。2012年6月の日本選手権の成績により、8月のロンドンオリンピックに出場。200mでは結果を残せなかったが、男子4×100mリレーでは4位入賞の記録を残した。その後も日本選手権やユニバーシアード、世界選手権などで活躍し、大学卒業後の2014年にミズノに入社した。同年のアジア大会では200m4位、4×100mリレー2位、4×400mリレーでは16年ぶりの金メダルに貢献した。そして2016年のリオデジャネイロオリンピック男子4×100mリレーでは二走を務め、予選で出したアジア記録を更新する37秒60で見事、銀メダルを獲得。今後も日本を代表するスプリンターとして活躍が期待されている。飯塚 翔太選手の学生時代は・・・
インターハイで活躍して、オリンピックを目指したい!
中学に進むと陸上部に入り、部活の練習に加え夜や休日にはクラブチームにも通って練習していました。この練習の成果がジュニアオリンピックでの優勝でした。中学生の頃にはオリンピックは漠然とした夢ではなく、出場するためには自分の走りに何が足りないのかを考えるようになっていました。当時から練習の様子を父にビデオで撮ってもらっては一緒に見て研究もしていました。父は陸上選手だったわけではありませんが、僕が決めた目標のためにいつも応援してくれました。
高校進学の時にはいくつかの高校から声をかけていただき、見学にも行きました。中でも藤枝明誠高校は、全国大会でいつも競い合っている県内のトップ選手が集まっているので、進学を決めた大きなポイントでした。ライバルでもある彼らの良い刺激を受けながらインターハイで活躍したい、そしてその先にはオリンピックを目指したい。中学時代から100mも走ってきましたが、やはり得意の200mやリレーで結果を出したいという思いは強かったので、高校3年時のインターハイでの200m優勝は特別な思いがありました。
大学生でつかみ取った、夢のオリンピック出場・・・
自分の走りを研究、試行錯誤しながら挑む楽しさがある
そして徐々に海外での大会でも記録を出せるようになり、2012年、ついにオリンピックの出場が決まりました。最初のロンドンオリンピックに出場した時は大学生で、中央大学や地元の皆さんが壮行会をしてくれたのを覚えています。そういった声援・応援の大きさもオリンピックなんだと思いました。また現地では様々な国のいろんな競技の選手たちと選手村で過ごすのですが、あんなに他種目の選手と関わったりテレビですが毎日のように観戦したことも初めてで、すごく刺激になりました。
最初のロンドンではメダルに手が届きませんでしたが、ミズノ入社後の2016年に二度目のリオデジャネイロオリンピック出場が決まりました。僕の場合、リレーは他の200mと比べて競技プラス遊び心のある種目でした。入場もパフォーマンスのようで楽しくて、4人の思いとチームワークが最高の走りにつながり銀メダルを手にすることができたと思います。僕にとっても小学生の頃から目標にしていたオリンピックでのメダルですから、とにかく嬉しくて、半分夢のような感覚でウイニングランをしていたと思います。
飯塚 翔太選手からのワンポイントアドバイス
練習を継続するためには、自分なりのテーマが必要
(1)マット運動・・・これは毎朝の練習メニューですが、体の柔軟性を高めるにも欠かせない練習メニューです。
(2)40秒完走・・・40秒間、休憩なしに走り続けるメニューです。最初は250mくらいから始めて、毎週、徐々に距離をのばしていきます。スプリンターが普段は知らない長い時間を走るためには、いい走りを意識するようになるので、フォーム作りに効果的な練習だと思います。また、ゴールを目指すのではなく、自分の限界に挑戦することにもなります。週末には1分間完走という練習もあり、更に限界を上げていました。
(3)スタート練習・・・短距離ではスタートがタイムを大きく左右することになります。そのためにも、より良い動きやタイミングなどを意識して練習するようにしていました。
(4)坂練習・・・スタートから加速する走りを、坂道を登りながら行う練習です。坂道という負荷を加えることがポイントです。
(5)ストレッチ・・・良い走りをするため、怪我をしないためには最適な体づくりが不可欠です。正しい姿勢でのスクワットやハードルなど。体の部位や筋肉の強化を意識して行っていました。
基本のメニューの他に、ストレッチや体のケアも忘れずに行っていました。また、自分の走りを撮影してチェックすることで、長所や短所を知り更に改善していくことができます。
練習の内容は指導者によっても違いますが、大事なのは練習に向かう姿勢です。今自分に与えられた課題練習がベストだと信じて取り組むことが、きっと記録につながると思います。
※プロフィール等は2020年6月時点のものです。
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