PROFILE
1996年2月27日生まれ。宮城県名取市出身。中学3年の夏まで野球をやっていたが、部活引退後にバレーボールを始めた。するとすぐに2010年の全国都道府県対抗中学バレーボール大会に出場し周りを驚かせた。高校は、元学生バレーボール選手だった父の母校である東北高等学校に進学しバレーボール部に所属、同年の春高バレーにもレギュラーとして出場した。2012年にはアジアユース選手権のメンバーに選出され銅メダルを獲得、翌年には世界ユース選手権の全日本メンバーにも選出された。高校卒業後は東海大学に進学、2015年4月には全日本メンバーに初招集されている。2017年12月、VリーグのJTサンダーズ広島への入部が内定すると翌年の1月からVリーグの全試合に出場。2018-19シーズンはベスト6を受賞し、2019-20シーズンにはスパイク賞、ブロック賞、ベスト6受賞しW杯にも出場した。2023年6月からサントリーサンバーズへ移籍、直後に行われたネーションズリーグ2023では日本代表として出場し3位の好成績を残した。そして10月に行われたワールドカップバレー2023では2位となり、2024年のパリオリンピック出場が決まった。
小野寺太志選手の学生時代は・・・
野球少年がいきなり県選抜になり、バレーボールへの挑戦が始まった
高校は父の母校でもあり、バレーボール日本一を目指すほどの強豪校である東北高等学校に進みました。とはいえまだ僕は素人も同然ですから、周りの先輩たちに教えてもらいながらの毎日で覚えることもたくさんありました。そんな中で僕なりの次のステップは「勝つために何をするか」で試合に勝つことを意識するようになったのが高校生からです。目の前の試合に勝ち、その先の全国大会で優勝するという目標ができました。そしてアジアユースや世界ユースに出場できるまでになり、練習に合宿、試合や大会とバレーボールしかないような毎日でした。でも一番の思い出は、3年の春高予選で県選抜のメンバーがたくさんいるにも関わらず負けてしまい、春高バレーに出場できずに部活を引退したこと。この悔しさと後悔は今も忘れられません。
大学卒業後にVリーグに所属、そして日本代表選手に・・・
何でもできるミドルブロッカーの強みが、Vリーグへ導いてくれた
大学卒業前からVリーグのJTサンダーズ広島に声をかけてもらい、選手として試合にも出場し、卒業後に正式に入部しました。最初は社員で入りましたが、実質はプロと同じでバレーボールしかしていないので結果を出さないといけない厳しさがあり、学生時代とは大きく変わった部分です。このチームで自分がやらなければいけないことは明確で、パフォーマンスを高めることに集中し、いかにアピールするかを考えるようになりました。その後はチーム、そして日本代表としてもプレーし、2021年からプロ選手として過ごしたJTサンダーズ広島を2023年に退部し、サントリーサンバーズに来ました。対戦していた時からバレーが上手で楽しそうにプレーするチームだという印象があったので、これまでと違った環境で僕自身が成長して活躍できたらと思っています。
小野寺太志選手からのワンポイントアドバイス
練習の意味を頭で考え理解することが、上達への近道になる
(1)サーキットトレーニング・・・高校生はまだ体ができていない人が多いので、バレーボール(スポーツ)ができる体を作ることが重要です。ウエイト器具を使い背筋や腹筋、腕の筋肉も鍛えます。ハードルを使いジャンプの練習です。他にもタイヤを押したり走り込みをしたり。体を作るとともに瞬発力や持久力も養います。
(2)ボールを使って・・・バレーボールに必要な基礎技術を身につけます。パス、レシーブ、スパイクといったボールを使った基本の動きや技術を反復練習します。
(3)試合形式で・・・次は6対6での実戦形式の練習です。基本のパスやレシーブ、スパイクといった動きを流れの中で身につけていきます。
(4)ブロック・サーブ練習・・・全体練習の他に、ブロックやサーブ、スパイクなど個人的に伸ばしたい、強化したい部分を練習していました。
以上が部活時代の約3時間の練習メニューですが、他にも朝練を毎日やっていました。内容はボールを使ったりトレーニングだったりと個人で違いますが、自分の弱い部分や苦手なプレーを補強するための練習も有意義だと思います。そして練習のポイントとしては、今やっていることの意味、例えばこの筋肉を鍛えれば何に役立つのか、この動きはチームにどう役立つのかなど頭を使い考えて取り組むことが上達への近道だと思います。そして試合でも周りを見て考え判断することができれば、チーム力も上がり勝ちにつながるのです。
※掲載内容は2023年10月の取材時のものです。
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