上野 順恵選手
柔道選手
ロンドンオリンピック女子柔道63kg級銅メダリスト
上野 順恵選手
柔道選手ロンドンオリンピック女子柔道63kg級銅メダリスト
PROFILE
1983年7月1日生まれ。北海道旭川市出身。両親や姉の影響もあり3歳から柔道を始める。柔道の強豪校でもある旭川南高校に進学後は柔道部に所属し、全国高等学校柔道選手権2連覇を果たすなど、めきめきと頭角を現す。卒業後は三井住友海上に入社。その後は全日本選抜柔道体重別選手権をはじめ、国内の大会で数々の優勝を果たすもアテネ、北京オリンピックへの出場はならなかった。しかし2009年、初めて世界柔道選手権の代表に選ばれ、2009・2010年と連覇を果たし、他の国際大会でも優勝を重ね念願のオリンピック代表に選出。姉・雅恵さん(アテネ、北京オリンピック女子柔道70kg級金メダリスト)と姉妹そろってのオリンピック出場はならなかったが、見事、銅メダルに輝いた。上野 順恵選手の学生時代は・・・
柔道が、自分を表現する手段になっていった
中学に入っても学校には柔道部がなかったので、毎日道場に通っていました。学校の柔道部に入部したのは高校からです。高校は姉も通っていた旭川南高校に入学しました。柔道部も強かったし、私も中学時代から何度か練習には参加させていただいていましたが、指導者の先生も立派な方だったので、どうしても旭川南高校に行きたくて受験しました。高校時代も毎日練習と試合の日々で、女子高生らしい生活ではなかったと思いますよ(笑)。修学旅行には行けましたが、卒業式には試合で出席できませんでした。学校でも昼休みには道場に集まって部員の仲間とお弁当を食べるのが日課で、仲も良かったので毎日が柔道一色でしたね。子供の頃はただ柔道が好きで、上手になりたいと練習していました。まだオリンピックなんて遠すぎて夢にもなかったですから。オリンピックを意識しだしたのはやはり高校生になり、全国大会で優勝できたり、アジアジュニアでもいい成績を出せるようになった頃からですね。「オリンピックに出たい!世界を目指したい!」と思うようになりました。
ロンドンまでの長い道のり、そして手にした銅メダル
北京に行けなかった悔しさもバネになった
また、オリンピックに出場するということは結果も求められるので、選手もそれなりの覚悟が必要なんです。だからオリンピックという大会は4年に1度ですが、その準備は1つのオリンピックが終わったときからすでに始まっていると思っています。国内外の大会で結果を出すことも全て、オリンピックへとつながっているんです。
でも、2004年のアテネ、そして2008年の北京オリンピックには代表としていけなかった。特に2008年は全日本選抜柔道体重別選手権で優勝したにもかかわらず、代表に選ばれず、すごく悔しい思いをしました。だからその悔しさも自分のバネになりました。北京オリンピックが終わってすぐに4年後に向けて気持ちを切り替えたし、翌年の世界選手権で代表として出場できたことも自分のモチベーションになりました。そして世界選手権の2連覇、全日本選抜柔道体重別選手権での優勝などひとつずつ目の前の目標をクリアして、ようやくロンドンオリンピック代表に選ばれたんです。だから今回の銅メダルは、格別の重みを感じますね。
上野 順恵選手からのワンポイントアドバイス
毎日の練習の積み重ね、そこから技は生まれます
(1)受け身・・・これは柔道の初歩ですが、自分の体や頭を守ってくれる大事なポイントになるので、練習前にはウォーミングアップの意味も込めてしっかりとやってください。
(2)固技・・・絞技、抑込技など種類はありますが、やればやるほど自分のものにできる技です。反復練習を繰り返して身につけるようにしてください。
(3)立技(投技)・・・立技の中にも足技、手技、腰技とありますが、初心者の練習ではこの基本技を身につけておくことが大事です。そして練習を重ねる中で、自分自身の得意技を見つけてください。
(4)手足を鍛える
柔道の技には腕の力、握る力、足腰の力も必要となります。ちなみに私は綱を登る練習で腕と握力を鍛えていました。また、ランニングの他にも階段の上り下りなど、身近なものを使って足腰を鍛えるようにしてください。
また、私は学生時代に毎日自転車通学をしていたのですが、片道約1時間、絶対に立ちこぎをしないと決めて足の筋肉を鍛えていました。自転車に乗るときも、鍛えるということを意識するのもいい練習だと思いますよ。
柔道とは相手選手と組み合うスポーツです。技の駆け引きも当然必要になってきますが、相手を意識して癖を読むことも柔道の楽しさです。そして互いに切磋琢磨して技を磨いていけるスポーツでもあります。皆さんも毎日の練習を頑張ってください。私は練習した分だけ必ず報われると信じています。
※プロフィール等は2012年9月時点のものです。
2/2ページ
2021年12月 田知本 遥さん(元柔道選手)
手を抜かず、実直に。前を向いてさえいれば、もがいてもいい
|
2021年1月 山部 佳苗さん(柔道家)
目標に向かい、コツコツやる大切さを学んでほしい
|
2017年6月 大野 将平選手(柔道選手)
挑戦する楽しさが、きっと人生の選択肢を増やしてくれる
|
2015年4月 平岡 拓晃選手(柔道選手)
自分のルールを作って頑張ってみるのもいい
|
2014年12月 松本 薫選手(柔道選手)
自分の中で目標をしっかりと持つこと
|
2011年3月 井上 康生さん(元柔道家 シドニーオリンピック金メダリスト)
今の自分がいるのは、周りの支えがあってこそ
|
2008年10月 吉田 秀彦さん(柔道家 バルセロナオリンピック金メダリスト)
何かに打ち込むことが、人生のプラスになる
|
2008年9月 野村 忠宏選手(柔道家 オリンピック金メダリスト)
勝つためには強い思いが必要!
|
2008年7月 瀧本 誠選手(柔道家 シドニーオリンピック金メダリスト)
夢中になれるものが、ひとつあればいい
|
2004年7月 古賀 稔彦さん(柔道家 バルセロナオリンピック金メダリスト)
僕にとって柔道は、自分の成長を感じることができるもの。
|