【特集】山本愛選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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山本 愛選手 プロフィール

山本 愛選手

バレーボール選手 アテネオリンピック日本代表
(JTマーヴェラス所属)

PROFILE

1982年3月24日生まれ。宮城県仙台市出身。中学1年生よりバレーボールを始め、全国都道府県対抗中学バレーボール大会に宮城県代表として出場。仙台育英学園高校時代は世界ユース選手権大会優勝、アジアユース選手権準優勝を経験し、卒業後にNECレッドロケッツに入団。同年には全日本代表に初選出され、ワールドグランプリで代表デビューを果たすなどの活躍をみせ、第7回Vプレミアリーグ最優秀新人賞を獲得している。2004年には日本代表としてアテネオリンピックへも出場。2006年に結婚・出産を期にNECを退職するが、2008年久光製薬スプリングスに入団しVプレミアリーグに復帰。その後、2009年にJTマーヴェラスに移籍。チーム期待のミドルブロッカーとして、またママさんVリーガーとして注目を集めている。

山本 愛選手の学生時代は・・・

さわやか杯出場は、バレー人生の大きなチャンスになった

山本 愛選手写真
 私がバレーを始めたのは中学からです。当時から背が高かったので、友だちのお姉さんからバレー部に誘われたのがきっかけでした。それまではスポーツってあまりやったことがなくて、そのとき初めて学校のチームに入ってスポーツをすることになったんです。でも1年目はあまりまじめに練習してなかったです。結構さぼったりして(笑)

 ところが中学2年のとき、クラブに新しくきたコーチのおかげで、バレーが面白いと思えるようになれたんです。元NTTでセッターをやられていた方で、バレーの基本であるアンダーハンドパス、オーバーハンドパスから教えてもらいました。厳しかったけど全てのことが初めてで新鮮に思えたんです。毎日の練習が楽しみで、疲れるなんてこともなかったです。

 中学時代はバレーボールの技術なんてそんなになかったと思いますが、身長だけはあったので、さわやか杯(全国都道府県対抗中学バレーボール大会)にも出場することができたんだと思います。緊張はしましたが、すごく刺激になりました。どれも初めての経験ばかりで、何もかもが楽しくて、自分の中にバレーの技術や知識がどんどん吸収されていくのがわかりました。そんな経験があったから、スポーツの名門校だった仙台育英学園高校に入学することができたんだと思います。育英には中学時代からさわやか杯の練習でよく通っていたし、さわやか杯のメンバーも多かったので、気負いなくバレー部に入っていけたことは良かったと思います。また育英は私が目指していたコンビバレー(セッターとアタッカーによる連携プレー)のチームで、中学校時代には考えられないほどの高レベルなところが自分にとっても新たな挑戦のように感じていました。

 高校時代もバレーに夢中で、日々挑戦していくことによって刺激を受けたり、自分が上達していくことがすごく楽しかった。そんな中で将来のことを考えはじめたのは高校3年生の頃でした。世界ユースなどに出場して世界と戦う楽しさは感じていましたが、実業団に入れるレベルとは自分でも思っていなかったんです。日本代表に入れるとも思っていなかったし、オリンピックに出たいという意識も当時はありませんでした。

卒業後は実業団へ、そして日本代表メンバーに・・・

求められている嬉しさが、頑張るモチベーションに

山本 愛選手写真
 バレーは好きだったし楽しかったけど、将来のことまで考えていませんでした。ところが高校3年のとき、育英のコーチに「おまえは日の丸を背負える選手なんだから」と言われたことで、新たな挑戦の意欲がわいてきました。そして、高校時代からユースなどの合宿でお世話になっていたNECに声をかけていただき、即決で入団を決めました。監督の指導法にも共感していたということもあり、チームの練習を見に行った帰りに、新幹線を降りてすぐ返答の電話をしたんです。また当時、チームには名セッターの竹下さんもいて、そのチームでプレーできることも自分にはプラスだと思いました。そして何より、スカウトしてくれたことで自分が求められていることがわかって嬉しかったし、頑張りたいというモチベーションにもなりました。

 実業団に入ってからは、本当に様々な経験をさせてもらいました。NEC時代には6年間で3度のVプレミアリーグ優勝、そして日本代表に選ばれたことも私にとって大きな挑戦でした。高校時代から世界ユースやアジアユースに日本代表として出場しましたが、プレッシャーは全然違いました。世界ユースなどのメンバーと、また日本代表として再び一緒にプレーできる嬉しさはありましたが、世間の注目度も違うし、背負っている日の丸の重さは高校時代とは全然違う。期待される嬉しさの反面、ミスは確実に自分にかえってくるという厳しさは身をもって感じていました。しかしその中で、自分ができることはミスを恐れずチャレンジすることだと指導者にも言われたので、経験を積むことが大事な課題だと考えるようにしていました。

 そして迎えた2004年、アテネオリンピック最終予選のイタリア戦、韓国戦は忘れられません。特に最終予選初戦のイタリア戦は、しばらく日本代表を離れていたので「早く戦いたい!」という気持ちが強かったんです。イタリア相手に苦しい試合でしたが、勝つことができ、アテネへの一歩が踏み出せた試合でした。そして、最後の韓国戦では宿敵とされていたチームだったので、試合中はオリンピックのことよりも、一点、一点を決めて韓国に勝つんだという気持ちの方が強かったと思います。

山本 愛選手からのワンポイントアドバイス

まずは、バレーの基本の形を身につけること

山本 愛選手写真
 どのスポーツでも同じだと思いますが、やはり基本が大事です。私も、バレーボールの基本の形を教え込まれました。例えば私が高校時代にやっていた練習や、心がけていたトレーニングを紹介します。
(1)レシーブ・・・バレーボールの基本はレシーブやパスでボールをつないでいくこと。どんなスピードやコースかを予測し、正確にセッターに返すことを意識して練習してください。
(2)スパイク・・・ジャンプ力やパワー、タイミングが必要とされますが、まずは正しい姿勢、フォームで打てるように練習してください。
(3)ブロック・・・相手の動きやコースを予測する守備であり攻撃ですが、ブロックフォームの基本の形を身につけるようにしてください。
(4)サーブ・・・一人でできるサーブ練習は先輩やコーチなどに見てもらいながらすると、正しいフォームも身につくと思います。
(5)体づくり・・・私は特に細かったので、体づくりには力を入れていました。PNFトレーニング(神経、筋機能、関節の可動領域などの向上を目的とした、ひねりを入れたトレーニング)を日課にしていました。
以上のメニューに加えて、試合前にはチーム練習で試合のように攻撃や守備を重点的に練習していました。また、バレーボールは個人競技ではないのでチームワークが重要です。そのためにも普段からチーム内に壁を作らないような雰囲気を大事にしていました。練習でも、それ以外のときも言葉をかけ合ったり、仲間にも礼儀を持って接することが信頼関係にもつながると思います。そして何より、好きなバレーボールを楽しんでください。

山本 愛選手からみんなへメッセージ

経験できること、そして人との出会いを大切に

山本 愛選手写真
 昔は、人とのコミュニケーションが下手だったんです。でもバレーボールを始めたことで、挨拶だとか人と話すことを教わった気がします。スポーツを通して自分が変わったのがわかるんです。特にバレーボールはチームプレーで、仲間や相手と関わることが多いスポーツです。たくさんの人と知り合い、コミュニケーションすることで自分が成長できたと感じています。特に高校時代はバレーボールしか知らない学生時代だったけど、中身も濃く、得るものも多かった時期でした。その中でも、友人や指導者との出会いはその後の私に大きなプラスとなりました。みなさんも、スポーツを通してたくさんの経験と出会いをして欲しいです。
 最後に、私の今後のチャレンジは、今シーズンからJTマーヴェラスという新しいチームに移籍して「勝たなければいけない」という意識は強いのですが、同時にチームワークを大事にしていきたいと思っています。そしてもうひとつ、私のように子どもを持つ同じような立場の人に、元気を与えられるようなプレーをしたいです。これからも、応援よろしくお願いします。

※この記事は2009年12月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。

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小野寺 太志選手
小野寺 太志選手(バレーボール選手)
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迫田 さおりさん
迫田 さおりさん(元バレーボール選手)
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自分にとって「楽しいこと」は、武器になり、自信になる
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井上 香織選手(元バレーボール選手)
苦しくても前を向けたのは夢があったから
柳田 将洋選手
柳田 将洋選手(バレーボール選手)
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福澤 達哉選手
福澤 達哉選手(バレーボール選手 全日本代表)
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清水 邦広選手(バレーボール選手 全日本代表)
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高橋 みゆき選手(元バレーボール選手)
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山本 隆弘選手(バレーボール日本代表)
時には自分に対して、厳しさも必要
吉原 知子さん

2007年2月

妹背牛商業高等学校 出身
吉原 知子さん(元バレーボール選手・日本代表)
限界を作らずに、夢を持ってチャレンジしてほしい
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竹下 佳江選手(バレーボール選手)
一度逃した夢、だからこそ絶対につかみたかった
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加藤 陽一選手(プロバレーボール選手)
今すべきことを目標にひとつずつステップアップしていく
大林 素子さん
大林 素子さん(元バレーボール日本代表 スポーツキャスター)
今しかない、チャレンジできる時を大切にしてください。

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一