PROFILE
1988年4月16日生まれ。神奈川県横須賀市出身。野球チームのコーチだった父の影響で2歳頃から野球を始め、小学校・中学校時代は地元の野球チームに所属していた。その傍ら中学校では陸上部にも所属し、脚力を磨いた。横浜創学館高校進学後は、野球部で1年時よりレギュラーとして活躍するも甲子園出場は果たせなかった。高校卒業後は八戸大学(現:八戸学院大学)に進学し硬式野球部に入部、1年時よりレギュラーとなり、春秋連続でベストナインを受賞。4年時には優秀選手賞、首位打者、最多打点、ベストナインの4冠に輝いた。そして2010年のプロ野球ドラフト会議で埼玉西武ライオンズより指名を受け入団した。ルーキーシーズンは新人外野手として30年ぶりに開幕スタメンで起用され、2013年には中堅手としてフルイニング出場を果たし初のゴールデングラブ賞を受賞した。また2015年にはシーズン歴代最多安打記録(216本)を達成、埼玉県の彩の国スポーツ功労賞を受賞した。2017年には全試合フルイニング出場を果たし、初の首位打者と最多安打をダブル受賞した。また「侍ジャパンマッチ2012」、「2015WBSCプレミア12」、「2017ワールド・ベースボール・クラシック」では日本代表に選出されている。秋山 翔吾選手の学生時代は・・・
野球に妥協しない、父のような厳しさを僕自身も求めていた
中学進学後は野球部に入るのか、それともシニアチームに入るのか迷いました。そして僕が所属したシニアチームにとんでもない衝撃を受けたコーチがいました。野球に妥協しない厳しさは、どこか父に通じる部分が感じられて、すごく惹かれたんです。ところが中学時代はチームでもなかなかレギュラーになれなくて、野球を辞めようと思ったこともありました。でも特待生として高校進学のチャンスをもらい、「高校までは野球を続けられる」というのが嬉しかったです。すると学校や試合にもプロのスカウトの方が見に来ることもあって今度は「ドラフト」という言葉が頭をかすめるんです。プロになれるチャンスがあるのかもしれないと思えるようになったんです。僕の中には父の思いもありましたが、母が苦しい生活の中で高校まで通って野球をできるようにしてくれたという思いもありましたから。
大学からドラフトで埼玉西武ライオンズへ入団
仲間の存在があったから、目標を見失わずに頑張れた
でも実際にプロへの道が見えてきたのはドラフトの前です。実は大学の同期で注目されていた選手がいたんです。彼がいたからたくさんのスカウトの方が見に来るようになり、自然と僕も見てもらえるチャンスが増える。ある意味、彼がいたからチャンスもあったし、プロへの目標を見失わずに頑張れたのかもしれません。特に大学生の時は現実が見えてくるし、仲間が頑張る姿、存在は大きなモチベーションになっていました。
そしてドラフトで埼玉西武ライオンズに決まったときは、嬉しさと安堵の気持ちで一杯でした。TV番組の中継が入っていたんですが、母に伝える場面では緊張しましたが、とにかくホッとしたことを覚えています(笑)。家族はもちろん、監督や応援してくれた方々にやっと良い報告ができると思いました。
僕が入団した当時の埼玉西武ライオンズは、優勝して2年目ぐらいだったと思いますが、若い選手がのびのびとプレーをしている印象を受けました。その中で、自分はプロとして何を目指すのか、どのようにしてチームの力になれるのか。学ぶべきことはたくさんあると感じました。そして何より、子供の頃から父と共に夢見たプロ野球の世界。そのスタートラインに立てた思いがしました。
秋山 翔吾選手からのワンポイントアドバイス
どのような練習も、継続してこそ初めて結果につながる
(1)ランニング・・・野球に限らずスポーツ全般において、脚力は大きな強みになると思います。実際に僕は、父に言われて小学時代に中学の陸上部の練習に参加させてもらっていましたし、中学時代にも学校では陸上部に所属していました。この練習が今の脚力につながっているのだと思っています。
(2)バッティング・・・ピッチャーが投げた球を打つ基本練習ですが、高校時代はとにかく数をこなすことに重点を置いていました。数を打ち込んで感覚を体で覚えることも大事なことだと思います。自主練習としてティーバッティングを取り入れるのも有効的だと思います。また、素振りも個人練習としてよくやっていました。バッティングのフォームや投球されたコースをイメージしながらスイングすると、より効果的だと思います。
(3)シートノック・・・自分の守備位置についてノックを受ける練習ですが、野手にとってはより実践的な練習になると思います。
練習内容は打つ、投げる、受ける、そして走るとすごく基本的なことですが継続することが大事で、チームスポーツだという意識をみんなが持てる環境も大事だと思います。他にも肩を鍛えるためのウエイトトレーニングも自分なりにやっていましたが、大事なことは継続すること。特にこれから冬場のしんどい時期を迎え、練習したことがすぐに結果に表れないこともありますが、とにかくやってみる。練習したことは無駄にはならないし、成果という可能性を狭めないで続けて下さい。
※プロフィール等は2017年11月時点のものです。
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