PROFILE
1975年4月2日生まれ。東京都出身。小学生の時から少年野球チームに入り、修徳高校時代は甲子園出場でベスト8に進出。その後、駒澤大学から東芝へ進み、1999年の第70回都市対抗野球で優勝を飾り優秀投手に選ばれる。同年のドラフトで1位指名を受けて巨人に入団。2000年には初登板初完封を記録するなどの活躍で優秀選手賞を受賞。2007年4月、月間5勝を挙げるなどの快挙を達成。シーズンでも自己最多となる14勝を挙げリーグ優勝に大きく貢献した。またこの年、初の個人タイトルとなる最優秀防御率も獲得し、最優秀バッテリー賞やベストナイン(最優秀投手)にも選ばれている。高橋 尚成選手の学生時代は・・・
甲子園ベスト8の原動力は、両親の存在だった
中学からは野球部に入りましたが、まだ遊びの延長でしたね(笑)。でも高校の野球部は甲子園を目指すようなところだったので、いきなり練習も厳しくなって、ついていくのも必死でしたね。それに高校時代は基本的には自宅からの通学だったんですが、大会前になると合宿所に入って練習中心の生活をするんです。合宿といっても大会が多いので、ほとんど寮生活のようなものです。始めて親元を離れての生活と厳しい練習、この環境が僕自身をどんどん野球に打ち込ませてくれたと思います。
それと、黙って見守りながら応援してくれている両親の存在も僕のエネルギーだったと思います。何度も辞めたいと思ったことはありましたが、合宿所からたまに自宅に帰って両親の顔を見ると「辛いから辞めたい」なんて言えなかったし、ここで諦めたら自分は挫折感を味わって落ちていくだけだと思っていましたから。高校時代に諦めないで頑張れたから目指す甲子園でベスト8にもなれたし、野球で特待生として駒澤大学にも進学できたんだと思います。
大学から社会人、そしてプロへ
大学での4年間があったから、今の自分がある
この頃から少しずつ実業団やプロといった世界を意識し始めたんだと思います。4年生の時に何社かから声をかけていただき東芝に進みましたが、駒澤大学の4年間で培った経験や野球感があったので不安はありませんでしたね。そして2年後、東芝からドラフトで巨人に入団できたことも、大学での4年間の野球人生があったからだと思っています。
高橋 尚成選手からのワンポイントアドバイス
練習も楽しくできることが継続のポイント
(1) ピッチング+ランニング・・・10球投げてグラウンドを1周走るというセットを10セットします。ランニングは全てのスポーツの基本ですし、下半身の強化にもなります。
(2)ウエイトトレーニング・・・特に下半身を鍛えることが重要だと思います。
(3)スナップの練習・・・仰向けに寝てボールを天上に向かって投げるんですが、ぎりぎりのところで当たらないように同じ位置、同じ高さに投げることでスナップの使い方の練習になります。
ここまでは高校時代の練習ですが、大学では自分たちで考えた練習や監督のユニークなアイデアのものもありました。
(1)ピッチャーだけで2チームに分かれてリレーをやる・・・走るトレーニングにあわせて、競争心や勝負根性を養いました。
(2)ゲーム形式のシミュレーション・・・ただし夜の真っ暗なグラウンドでボールも何も使わずに思ったとおりに動いてみる。人の動きをイメージすることができ、自分の動きにもバリエーションができる。
(3)太極拳やヨガ・・・呼吸法の練習や精神統一、集中力を養うこともできる。
ユニークな練習をしていましたが、今思えばすべて将来に役立っていると思います。基本練習はもちろん大切ですが、プラスαして自分たちなりの練習方法を考えてみるのもいいんじゃないでしょうか。
そして、どう練習すれば楽しいかを考えることも継続の大事な要素だと思いますよ。
※この記事は2008年8月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。
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