PROFILE
1998年3月26日生まれ。京都府京都市出身。アメリカ在住中の4歳からスケートを始め、帰国後は京都のスケート教室に通い濱田美栄コーチの指導を受ける。ジュニア時代は初のISUジュニアグランプリシリーズで2位、全日本フィギュアジュニア選手権では初参戦で優勝を飾り注目を集めた。2012年はISUジュニアグランプリシリーズで初優勝、全日本ジュニア選手権では2連覇し、2013年にシニアデビュー。2014年の四大陸フィギュアスケート選手権では国際スケート連盟主催のシニア大会で初の表彰台に立った。また全日本フィギュアスケート選手権初優勝、2015年の世界フィギュアスケート選手権でも初出場で銀メダル獲得などシニア転向後も次々と好成績を出し、日本女子トップスケーターの地位を確立していった。2017年は怪我に悩まされ氷上を離れたが、12月の全日本フィギュアスケート選手権では4連覇で完全復活、翌年2月の平昌オリンピック出場を決めた。オリンピックでは惜しくも4位とメダルには届かなかったが、翌月の世界選手権では銅メダルを獲得。今後の活躍がさらに期待される。宮原 知子選手の学生時代は・・・
海外試合でも、実力を発揮できる演技がしたい
初めての海外試合は小学校3年生の時でした。その時は初めての海外試合だったので、ただ楽しい思いだけで行ったのですが、コンディションを調整できなくて厳しさも味わいました。でもそれがきっかけで、もっと海外試合でも実力を発揮できる演技がしたいと思うようになりました。はじめてフィギュアスケートの本当の面白さを感じていたと思います。その後は一つひとつの大会でより良い演技がしたい、練習でのいい感覚をそのまま試合にも生かしたいという気持ちで練習に取り組むようになりました。よく濱田コーチが努力家だと言ってくださいますが、私は練習こそが本番での結果につながると強く思っているので、練習しないと不安なのかもしれません(笑)。だから体が疲れてきついなと思うことはあっても、練習が嫌だとかサボりたいと思ったことはありません。中学・高校時代は学校とリンクの往復ばかりでしたが、辛いと思ったことはなかったですね。スケートに一生懸命でよそ見する余裕がなかったんでしょうね(笑)。
ジュニアからシニアへ、そしてオリンピックのリンクへ
怪我からの完全復帰は、代表選考の全日本選手権優勝だった
実際にオリンピックを意識したのはシニアデビューした2013年。この年は2014年のソチオリンピックの代表選考のシーズンで、全日本選手権で4位になれたことで『この調子で頑張っていけば、次のオリンピックの可能性が出てくる』と意識するようになりました。
続く世界選手権では2位になり、海外でも上位につける自信のようなものができてきました。また当時、浅田真央さんや鈴木明子さんといった先輩選手の、オリンピックシーズンに発揮するパワーのようなものもすごく感じていました。特に年末に行なわれる全日本選手権は、代表選考試合だけにみなさんの気迫もすごく、会場の雰囲気まで張り詰めた感じでした。そんな思いを一番感じたのは、昨年(2017年)の全日本選手権でした。昨シーズンは怪我もあって、練習も満足にできず、思うように滑ることができなかった辛い経験をしました。当時は、とにかく早く治してシーズンに間に合わせたい、代表選考の全日本選手権での優勝がずっと心にあって、そこだけを目指して頑張っていたと思います。
そして、やっとつかんだ平昌オリンピックの切符でした。これまでの国際大会と違って、いろんな国のいろんな競技の選手と選手村で生活を共にするオリンピック。会場の熱気さえも新鮮で、一人でウキウキしてました(笑)。そして名前がコールされてリンクに立った時『やっと、この場所に来たんだ』という思いと、いい演技をしたい気持ちでいっぱいでした。メダルには届きませんでしたが、楽しく滑ることができ、魔物は感じませんでした。
宮原 知子選手からのワンポイントアドバイス
技術力と表現力を磨くには、氷上以外の練習も大事
(1)氷上練習・・・スケーティングやジャンプ、スピンなど細かな調整をしながら部分練習をします。そしてシーズン中は曲や振り付けを入れたプログラムとしての全体練習をします。また、ジャンプは特に重点的に練習しています。
(2)バレエ・・・フィギュアスケートでは芸術性が求められるので、スケート技術だけでなく表現力も必要になります。バレエでは優雅で美しい動きを身につけて表現力を磨くようにしています。また、美しい姿勢も身につけることがでるので、多くのフィギュア選手が行っている練習だと思います。
(3)陸上練習・・・体幹を鍛えるのが一番の目的です。腹筋や背筋を鍛えるようにしています。また足を鍛えるトレーニングやジャンプのトレーニングも大事だと思います。例えばジャンプトレーニングには縄跳びもいいと思います。特に体幹を鍛えることは、スケーティングはもちろん、ジャンプでの空中姿勢を保つためにも必要だと思います。
練習内容は以上ですが、技術や表現力以外にジャッジへのアピールも得点につながるので、顔の表情や目線も練習では心掛けるようにしています。そして一番のアドバイスは「スケートが好き」という気持ちを忘れないことですね。
※プロフィール等は2018年4月時点のものです。
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