【特集】上村愛子選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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上村 愛子選手 プロフィール

上村 愛子選手

スキーフリースタイルモーグル選手 '98長野、'02ソルトレークシティ、'06トリノオリンピック日本代表、北野建設スキー部所属

PROFILE

1979年12月9日、兵庫県生まれ。長野県立白馬高校出身。まだあどけなさの残る高校生ながら出場した'98長野オリンピックで、一躍その名が全国区に。以降、先の'06トリノまで通算3度オリンピックに出場。その中で確実に進化を遂げ、滑り・技・メンタル面とも円熟味を増して日本を代表するスキーヤーの1人に成長。'03年シーズンには、ついに念願のワールドカップ初優勝を達成。その後ルール改定により苦悩を強いられるも、逆にそれをバネに人々を魅了する3Dの大技を習得。愛子スマイルと内に潜むストイックでひたむきな姿勢は多くのファンの心を捉え続けている。'06トリノでは惜しくも5位入賞にとどまり、2010年バンクーバーオリンピックに向け、さらなる挑戦を続けている。

上村 愛子選手の学生時代・・・

中2の冬、カナダで見たワールドカップに一目惚れ

上村 愛子選手写真
最初アルペンのチームに入ったのは小学校1年生のとき。白馬の八方のジュニアチームは強いチームだったんですが、「入りたい!」って自分から母に言ったんです。小学校6年間ずっと、シーズンになると学校終わったあと、5時くらいからナイターが終わるまで、毎日滑りに行ってましたね。家に帰ってご飯食べながら寝ちゃうくらい(笑)。本当にもう元気な子って感じでした。モーグルを始めたのは中学2年生からです。実は中学に入ってからアルペンをやめて、陸上をやってたんです。でもスキーは本当に大好きだったから、高校生になったらまたやるかなと思ってました。そんな私を母が見かねて、中2の冬に「カナダに滑りに行っておいで」と言ってくれました。
そのカナダ滞在の時に、たまたまモーグルのワールドカップをやってたんです。モーグルは話で聞いたことはあっても、エア台とか、コブなんて怖いじゃんって思ってたんです。でもそのとき見たら、すごい大きいエア決めて、あんなコブできれいな滑りなんてできるわけないと思ってたけど、「できるんだ!」って。「なんだろう、この人たち。スキー、すごい上手い!」。人が怖いと思うようなところを自分も攻めれるようになったらすごい気持ちいいだろうなと思って、そのカッコよさに一目惚れみたいな感じです。そのあとはもう母に相談も何もせずに、やるわって(笑)。ですから始めたのがちょうど長野オリンピックの4年前ですが、それからあれよあれよと。たぶんイメージがとても良かったんです。ワールドカップのイメージはあるし、自分はできると信じてた。学校は高校もそんな人数の多い学校じゃなかったから、普通にさっと帰れる感じでしたね。「遠征また行ってくるね」、「いってらっしゃーい」みたいに。みんなが普通に受け入れて、頑張ってねって言ってくれるところでよかったなと思います。長野オリンピックには学校からも何人も見にきてくれて、すっごい楽しかったですよ。

自分だけができるスペシャルなものがあれば自信になる

上村 愛子選手写真 上村 愛子選手写真
モーグルは、スタートからゴールまで、2回のエアを決めてどんどん攻めていきます。すごいスピードでああいうコブ斜面を一気に降りるっていうのはすごく気持ちいいですよ。それと、最初に見たワールドカップの滑り、そういうイメージを追っているから、それが少しずつできるようになっていくのがすごく楽しい、成長が楽しいんです。いくら上手くなっても、もっと上手くなれるところがいっぱいあるから、どんどん目標や課題を見つけて、どこの大会でこういう滑りができるようにとか考えるのがすごく楽しい。あと、私の場合は、ほんとに1人でしてるって感じがしないんです。たくさんの人に応援してもらって、いろんな人が支えになってくれていて。オリンピックでメダルを取りたいというのもあるんですが、その前にいろんな人が支えてくれるからできることのうれしさの方が大きい。自分は頑張れる立場にいるし、自分にできるだけのことをやっていける環境にあるから、妥協とかしないで、上手くなりたいという気持ちを忘れずにやっていきたいですね。  ソルトレークシティーオリンピックのあとは、ルール改正があって、1年間くらい大スランプに陥りました。大会に出ても、スキーをしていても楽しくなくて、怖くて怖くて、自信がなかったんです。それで、自分のできることは何かなあと考えて、自分だけができるスペシャルなものがあれば自信につながると思いました。それで挑戦した技が3Dなんです。女のコではできない、女のコであの高さを出してあの回り方はできないって言われるようなことをやるのが、すごく気持ちいいんですよね。そういうところに負けず嫌いが出てきます。人それぞれだと思いますが、何か自信を持てるものというのは必要なんだなと思いますよ。

上村 愛子選手からのワンポイントアドバイス

上手くなるためには、どんどん研究するのはすごく大事

上村 愛子選手写真
高校時代は、まだ身体ができあがってないから、あまり重いウエイトトレーニングとかではなく、基礎体力をつける時期ですね。走ったりする有酸素トレーニングや、腹筋とか、まずは基本的なところをしっかり固めて、身長が止まってから、徐々に大きな筋肉をつけたり、必要なトレーニングを始めてください。やっぱり基礎がないと何もできないし、それは体もそうだし、スキーもそうです。私も、オリンピックに出てすごい選手だとみんな思ってくれてるかもしれないけど、やってることは変わらなくて、基礎練習もいまだにやるし、こぶだけ滑るわけじゃなく、練習でフラット(平らなところ)を滑って板の操作を確認したりとか、そういう努力もいっぱいやっています。それと、やはりプロだったりとか、すごい人を見て勉強するのはとても大事だし、役に立つと思いますよ。

(1)自分に合った練習方法を
絶対こうしなきゃいけないというのはないし、自分に合った練習方法があると思います。ただ、そういうのはなかなか1人じゃ考えられないから、先生やコーチなど、自分の近くに成功してる人たちがいたら、その人たちにアドバイスを求めるのがいいと思います。上手くなるために、どんどん研究するのはとても大事です。

(2)反復練習で身体で覚える
最初のきっかけはコーチの目だったり、ビデオに録ってもらってアドバイスしてもらったりして、どこかでいいよという感覚をつかんだら、あとは反復練習ですね。自分の身体が覚えるまでやって、ようやく普通にできるようになります。

上村 愛子選手からみんなへメッセージ

とにかく自分の好きなもの、打ち込みたいものを見つけて!

上村 愛子選手写真
スポーツでも何でもそうですが、まずとにかく自分のすごく好きなもの、打ち込みたいと思えるものを見つけることが第一だと思います。周りが、すすめてくれるのも大切ですが、まずは自分がやってみて、楽しかったりとか、イメージがしやすいものを見つけることですね。「これがやりたい!」というものが見つかるまでは、そんなに焦らなくてもいいと思います。ただ、人に決められたら逃げ道もできちゃう。私はアルペンもモーグルもそうでしたが、やはり自分でやろうと決めることが大事。それで、自分はこれで頑張りたいというもの、夢があったら、とにかくできるところまで一生懸命チャレンジすること。自分ができることはすべてやり遂げるくらいの気持ちですね。それが夢につながればいいし、そうでなくても、頑張った努力は絶対残るし、そこまでやった自信も絶対つくはずです。でも、すごい頑張っちゃったら、やめられないと思いますけどね。

※この記事は2006年4月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。

小野塚 彩那さん

2024年7月

新潟県立湯沢高等学校 出身 専修大学 出身
小野塚 彩那さん(スキー選手(フリーライド))
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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一