西岡良仁選手(プロテニスプレーヤー)|有名人スポーツ選手アドバイス

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西岡 良仁選手 プロフィール

西岡 良仁選手

プロテニスプレーヤー ミキハウス所属

PROFILE

1995年9月27日生まれ。三重県出身。4歳からテニスを始め、橋北中学校3年の時に盛田正明テニスファンドの支援を受けIMGニック・ボロテリー・テニスアカデミーに留学するなど当時から注目を集め、ジュニア日本代表としてジュニアデビスカップでも活躍した。青森山田高校時代の2012年には世界スーパージュニアテニス選手権で、シングル、ダブルスでベスト4の成績を残し、2013年のメキシコ・フューチャーズではプロ大会初優勝を果たす。高校卒業後の2014年にプロに転向。同年の札幌フューチャーズに参加、フューチャーズ大会通算5勝目を挙げた。同年初挑戦となった全米オープンでは予選から勝ち上がり、初の本戦に出場した。また9月には上海でATPチャレンジャーツアー初優勝も果たしている。同じく9月の仁川アジア大会では日本人で40年ぶりとなる男子シングルス優勝を果たした。2017年よりミキハウスに所属し、同年には自己最高の世界ランキング58位を記録。2018年にはATPツアーで初優勝を果たしている。そして2020年の全豪オープンでは自身初のグランドスラム3回線進出やデルレイビーチ・オープン準優勝など、今後の活躍から目が離せない。

西岡 良仁選手の学生時代は・・・

留学は、プロを見据えてテニスだけに専念できる環境だった

西岡 良仁選手写真
 僕の父がテニスプロだったこと、そしてテニスクラブを経営していたこともあり、自然とテニスを始めるようになったのが4歳の時でした。テニスクラブでは母がキッズを教えていたので、僕の最初の指導者は母でした。当初からテニスも試合も好きでしたが、実は小学校低学年ぐらいまではテニスよりも友達とドッジボールをしている方が楽しくて好きだったんです。その気持ちに変化が出てきたのは、三重県内だけでなく東海大会にも出場できるようになり、だんだん勝てるようになってきた小学校3年生の終わり頃からです。子供ながらにプロを目指したいと思うようになっていました。そして中学3年生の秋からアメリカIMGニック・ボロテリー・テニスアカデミーに留学できることになりました。
 当時、日本国内の1番になっていた僕は、IMGニック・ボロテリー・テニスアカデミーへの留学支援「盛田正明テニスファンド」の選考を受けるチャンスをもらいました。でも2度の選考に落ちた時は「日本で頑張るしかない」と覚悟していましたが、3度目の選考で留学のチャンスをつかむことができたんです。こうしてアメリカでのプロを目指す厳しい練習の日々が始まりました。
 高校時代をアメリカで過ごしましたが、日本の環境とは全く違った学生生活だったかもしれません。それはやはり、プロを見据えてテニスだけに専念できる環境だったことです。皆さんもご存知だと思いますが僕の留学したアカデミーは日本の錦織圭選手をはじめ、世界の名だたるテニスプレーヤーを輩出してきたアカデミーです。アカデミーでは一日中テニスをしながら本当に多くのことを学びました。特に錦織圭選手をはじめ世界のトップ選手たちに練習をつけてもらえたこと。僕のジュニア時代の最高の思い出です。日本の高校で友達と過ごす学生生活ではありませんでしたが、アカデミーでは年の近いジュニアたちと同じ時間を過ごしたことは、僕にとって素晴らしい高校時代だったし、今でも繋がっている仲の良い友達に出会えたことに感謝しています。

アメリカでの成長、そして18歳でプロに・・・

結果を残し必ず生き残るという、強いハングリー精神が必要

西岡 良仁選手写真
 アメリカに留学してまず感じたことは、やはり選手層の厚さです。アメリカは世界のいろんな国から、いろいろな人種が集まってくるところなので、考え方も多種多様な人たちであふれていました。そんな中では日本の考え方では通用しないこともありました。特にアカデミーでは結果を残すことが一番重要で、そのためには「必ず生き残ってやる!」といった強いハングリー精神が必要なんです。日本人の美徳とされる謙虚さは、ここでは望まれません。競争心が低いと誤解されてしまうからです。日本のようにみんなが一緒に成長していくことよりも、自分が強くなることが最優先という考え方の違いかもしれません。例えば日本では人と違ったことをすれば心配され、みんなと同じ方向を向くように直そうとする傾向があります。でもアメリカではそれを本人の個性と受け止め、その個性を伸ばしていくことを大事にします。そんなアメリカの考え方や環境が僕にはすごく合っていたのか、テニスにおいても僕の個性を伸ばすことができたのは確かです。
 当時は15歳からプロの大会にも出場していましたが、高校卒業後の18歳の時、プロに転向することを決めました。年齢的にもジュニアが終わる時期だったこと、そして盛田正明ファンドの支援がジュニアまでだったこともあります。プレーや気持ちの部分ではアマチュア時代とそんなに変化はなかったのですが、大きく変わったのは金銭面でした。勝てばお金は入りますが負ければ出ていくばかり。仕事としての現実を思い知らされ、お金を稼ぐことの大変さを実感するばかりでした。例えばジュニア時代と違って、海外の試合においても飛行機やホテルの手配など自分ですることが増えた大変さもありました。
 それでもプロとして世界中の大会でプレーすることは、確実に自分のパワーになっていきました。中でもグランドスラム大会は特別です。時期も天候もサーフェスも違う4つの大会ですが、全選手が全力で挑戦してきます。また通常の3セットとは違い5セットマッチという過酷さもあり、体力や技術だけでなく集中力の強さも不可欠です。だからこそ1試合ごとに勝ち進む価値があるのだと思っています。

西岡 良仁選手からのワンポイントアドバイス

どんな練習をどんな風に、誰とするのかが大事になる

西岡 良仁選手写真
 僕は身長170cmと世界では小さい選手の一人ですが、その条件でいかに勝つかをとても考えています。それは自分の個性をどう生かすかということでもあります。僕のプレースタイルのベースには、ボールをたくさん返して粘って相手のペースを崩すというのがあります。加えてしっかりと相手を分析して作戦を立ててプレーすることが大事だと思っています。そんな個性を伸ばす練習をアメリカでは実践していました。
(1)球出しから振り回し・・・相手にボールを打ってもらい、基本的な打ち方や身体の使い方などを身につけていきます。そして球出しを左右に振り回してもらうことで、フォアハンド、バックハンドの練習になります。
(2)ラリー・・・実際に相手と打ち合う練習ですが、僕が心がけていたのはどんなボールでも走って追いかけて、必ず返すことでした。これがフットワークを鍛えることにも繋がったと思っています。

これが主な練習ですが、サーブやスマッシュといった部分練習も欠かせません。またラリーでは試合を意識して返していくことも大事だと思います。毎日5〜6時間の練習とトレーニングにも力を入れていました。毎日練習が終わったら数キロのランニングをします。テニスに必要な基礎体力や脚力を鍛えるためです。そして一番大事なことは、どんな練習をするかも重要ですが、どんな練習をどんな風に誰とするかです。アメリカ時代、自分よりも強いプロの選手たちと練習できることが大きな糧となりました。そして、言われたままに練習するのではなく、練習の意味を自分で考え納得してすることで成長速度も大きく変わってくると思います。

西岡 良仁選手からみんなへメッセージ

苦しんだり悩んだ経験は、その後の人生に必ず生きてくる

西岡 良仁選手写真
 僕は高校時代をアメリカで過ごし、大好きなテニスに打ち込めたことにすごく感謝しています。アメリカでの生活はもちろん楽しいことばかりではなかったし、テニスもコートに入ればたった一人での厳しい戦いです。自分で考え、作戦を決め臨機応変に対応する。ある時は5時間にも及ぶハードなスポーツですが、そこを制した時の達成感が僕は大好きです。皆さんの中には僕のようにスポーツを極めたい人もいれば、そうでない人もいます。どちらが正解とかではなく、自分のやっていることを楽しめることが大事なんだと思います。もちろんスポーツでも勉強でも芸術でも同じです。自分が好きでやっていく過程ではうまくいかない時だってあるけれど、そこをどう乗り越えるかを模索することが実はすごく大事なんじゃないでしょうか。苦しんだり悩んだ経験は、その後の人生に必ず生きてきます。僕は「起こる出来事全ての事に意味がある」と感じながら生きています。だから思い通りにいかない時こそ逆転の発想で「今だから成長できる」とポジティブに行きましょう!辛い時も、もちろん楽しい時も、精一杯前を向いて、好きなことを楽しんでください。

※プロフィール等は2020年4月時点のものです。

土居 美咲選手

2020年1月

駿台甲英高等学校 出身
土居 美咲選手(テニス選手)
興味を持てば持つほど、未来の選択肢はきっと広がる
奈良 くるみ選手
奈良 くるみ選手(テニス選手)
どんなに苦しいときも、前向きにチャレンジしていきたい
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神尾 米さん(元プロテニスプレーヤー)
テニスを通して出会えた、かけがえのない人たちがいた

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一