PROFILE
1980年8月20日生まれ大阪府出身
大阪府茨木市で小学校から「茨木ラグビースクール」に通いラグビーを始める。関西大倉高校の入学を機にラグビーからアメリカンフットボールへ転身。その後、アメリカンフットボールの強豪、立命館大学へ進学し「立命館パンサーズ」では主要メンバーとして活躍。大学4年生で日本代表に選ばれる。卒業後、松下電工に入社し「松下電工インパルス」に所属。
2003年のW杯ドイツ大会にも日本代表メンバーとして出場を果たす。
また2003年12月、NFL日本人選手トライアウトにも合格。
小路 浩之選手の高校生時代・・・
アメフトを始めた高校生の頃、ケガで一度は諦めかけたことも…
アメリカンフットボールを始めたのは関西大倉高校入学後。僕は痩せていたので身体作りの筋肉トレーニングが必要でした。ところが、試合中に靱帯を切るという大ケガをしたんです。「アメフトのような激しいスポーツは出来ないんじゃないか。プレーヤーとしては無理かも…」と真剣に考えた。そのうえ入院中にとてもショックな出来事もありました。でも、それがきっかけで、ケガで諦めかけている自分がすごく小さく思えてきて、プレーヤーとしてもう一度チャレンジする勇気がわいてきた。リハビリも含め長い一年でしたが、僕にとっては貴重な時間。この時「アメリカンフットボール選手として有名になりたい」という確かな夢が見えてきました。そして大学時代、オクラホマ大学への合宿で初めてアメリカのフットボールを経験したことで、「やるからには最高のレベルを目指したい!アメリカでプレーしたい!」と強く思うようになりました。大学4年生の時に日本代表に選ばれ、2003年のW杯ドイツ大会に出場することができたときは嬉しかったですね。夢のハードルをひとつずつクリアしていくようで。
アメリカンフットボールは、自分を一番表現できる手段
僕にとってアメリカンフットボールは、自分自身を高めてくれるものであり、自分を一番表現できる手段だと思っています。まだまだ日本では、メジャーなスポーツとしての認知度は低いかもしれませんが、高い意識と技術力を持ってプレーすることで「もっとアメフトを知ってもらいたい、楽しんでもらいたい」と思っています。そして、いつか僕たち日本人選手が世界のフィールドで活躍できるように頑張りたいですね。
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小路 浩之選手からのワンポイントアドバイス
激しいスポーツに対応できる強い身体を作る
高校、大学、実業団とレベルの違いはありますが、基本的な練習は同じです。大事なのは、アメフトのような激しいスポーツに対応できる強い身体を作ること。
タックルなどでは身体と身体が全力でぶつかり合うことになるので、身体の重心や下半身がしっかりしていないと相手のパワーに負けてしまいます。ケガの原因になることもあります。それだけに、ほとんどの選手がウエイトトレーニングには力をいれていますね。
ポイントは身体の部位ごとのトレーニング
チームとしては、練習時間も限られているので、自己管理を含めて自主トレは欠かせません。
僕の場合、週に5日は会社内のクラブハウスでウエイトトレーニングをしています。
ポイントは身体の部位ごとにトレーニングすること。がむしゃらに全身に負担をかけると、筋肉を痛めたりすることもあるので、注意が必要ですね。また、体内の代謝をよくするために水分をたくさん取り、エネルギーとなるタンパク質の多い食事も心がけています。それに加えて、プロテインやサプリメントといった栄養補助食品も上手に使えば効果的ですね。また、練習後のアフターケアも重要なポイントです。スポーツで駆使した筋肉は、緩めて疲れをためないこと。アイスバスを使ったりしながら、筋肉を交互に温めたり冷やしたりすると効果的です。
チームとしての練習は週に3日。メニューは次の通りです。
(1)ウォーミングアップ
(2)それぞれのポジションごとの動きの練習
(3)チームとしての合わせ練習を数種類
(4)ランニング
以上が基本練習のメニューです。
自分のプレー、他人のプレーを観察しよう
どんなスポーツにも言えることですが、自分のプレーを厳しくチェックすること、そして他人のプレーをよく観察することは大事ですね。特に上手な選手のプレーは、自分のプラスとして取り入れる努力も必要ではないでしょうか。また、選手同士のコミュニケーションも必要です。チームプレーヤーとしての柔軟性を身につけることが重要だと思いますね。
小路 浩之選手からみんなへメッセージ
高校生という大きな可能性を持った今だからこそ、できることをしよう!
僕は、アメフトという自分が一番好きなことに夢中になれて最高にハッピーだと思います。高校でアメフトと出会い、大学、実業団と夢を持って突き進んでくることができました。スポーツを通して自分自身を高め、人間として成長できたと思っています。手段は何であれ、自分自身が興味を持ったことにチャレンジしてみることが大事ではないでしょうか。スポーツでも芸術でも学問でも、思いっきり楽しんで遊んでください。高校生という大きな可能性を持った今だからこそ、できることがあるはずです。
※この記事は2004年6月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。
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