経営工学を学ぶには

経営工学

経営管理の問題点を解決する方法を研究する学問

　経営工学とは、工業生産の効率化のための技術教育と研究をする学問だ。企業経営、生産管理などを数学、自然科学、工学などの手法を用いて分析し、製造業において発生する諸問題の解決策を研究する。現在では工場の生産活動にとどまらず、営業や管理部門の活動も含む企業活動全般、さらには交通や人口を交えた都市環境、社会、環境や地球全体までもが研究の対象になっている。経営工学は、経営系の経営管理論とかなりの部分で研究領域が重なり合うことになる。ただ、経営管理論は人間関係を中心とした組織管理のあり方や、その分析などに研究活動の重心があるのに対し、経営工学では作業研究、データベースの構築や理論的・概念的な研究に重点が置かれている。また、経営工学の一つの特徴となっているのは、数理モデルが用いられる点だ。これは一定の現象を数学的・論理的な手法で分析するため、さまざまな条件を数値化して表現する方法だ。たとえば製造過程を図式化、数値化し、その中から問題点を明らかにしていく。他の自然科学のように実験を簡単に行うことができないため、経営工学では数理モデルがひときわ重視され、研究手法として確立されてきた。
　経営工学は経営の問題点を発見し、新しい経営管理システムを構築できる能力を修得するために、数理的なモデルの構築や、シミュレーションなどの実習にも多くの時間をかけ、数学的思考で、経済を見ることのできる人材の育成を目指している。

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