PROFILE
1985年11月22日生まれ。大阪府出身。小学校3年から体操を始め大阪体育大学附属中学校から岡山の関西高校を経て日本体育大学に進学。高校時代から日本で初めて跳馬のロペス(伸身カサマツとび2回ひねり)を成功させ、2005年の全日本大会ではゆかと跳馬の2つのタイトルを獲得した。大学卒業後はコナミに所属、そして2008年の北京オリンピックに初出場し、団体で銀メダルを獲得した。得意種目は跳馬とゆか。沖口 誠選手の学生時代は・・・
大阪体育大学附属中学から、さらに上を目指して岡山・関西高校へ
中学は大阪体育大学付属中学校に進み、体操部に入部しました。練習は大学でやっていましたが、練習も本格的になっていきました。練習時間も長くなるし、今までの楽しいだけの体操ではなくなりましたね(笑)。でも、得意の跳馬で優勝したいという大きな目標があったので、しんどい練習も頑張れたんだと思います。だからもっと上手く強くなりたかったので、高校進学では体操競技の強豪校だった岡山県の関西高校を選びました。ただ、僕は附属中学だったのでそのまま高校・大学と進むものだと周りも考えていたので、事実、かなり反対もされました。でも、中学時代の先輩も関西高校に行ってすごく上達していたので練習にもすごく興味があり、この学校なら僕ももっと上手くなれると思って選びました。
関西高校に入学してからは、まずは体操部でレギュラーになることが最初の目標でした。当時の部員は約30名、その中でレギュラーになれるのは6人だけです。寮生活を送りながら、毎日長時間の練習をこなすのが精一杯でしたね。結局、1年の時はレギュラーになれず、2年からレギュラーとして大会に出場することができました。その他の高校時代の思い出といえば、文化祭です。男子校だったので、外から女子高生がたくさん来ていたのがすごく新鮮でした(笑)。かわいい男子高校生ですよね。
大学卒業後はコナミに、そしてオリンピックの舞台へ
オリンピックの銀メダル、でも力を出し切れなかった悔しさも
学生時代は、ただ体操競技をやっていることに充実感を得ていたので、将来のことはそんなに気にしていなかったと思います。体操を続けていく上での将来を真剣に考え出したのは、2007年の大学4年生の時、初めての世界選手権に出場した頃からです。初の代表入りを経験し、翌年のオリンピックへの期待も自分の中で大きくなっていきました。ただ翌年は社会人ですし、それでも体操を続けたいという思いでコナミに所属することになりました。
そして翌年、2008年の北京オリンピック代表に選ばれ、初めてオリンピックの雰囲気を体験しましたが、やはり特別のものがありましたね。他の世界大会に増して各選手の本気がひしひしと伝わってきました。でも不安もありました。オリンピックの前に怪我をしてしまって、治りきらないままの出場でした。なので自分の力や、練習の成果を出し切れなかったという思いが残りました。特に団体のチームメンバーには申し訳ないという思いがありました。団体の決勝では、ゆかに出場しました。本来なら得意の跳馬にも出場したかったんですが出られませんでした。結果は銀メダルでしたが、自分自身が力を出し切れていなかった悔しさが残るオリンピックでした。でもこれが4年に一度しかないオリンピックなんだ、だからみんなが目標とする特別な舞台なんだと感じました。
沖口 誠選手からのワンポイントアドバイス
体操選手の体作りは、まず柔軟から
1 朝練習・・・柔軟から始まってランニング、その後に基本練習です。股関節や手首、足首、肩などもしっかりと柔軟をして柔らかくしていきます。体操競技には持久力も必要ですが、ランニングは持久力を鍛えるためにも効果的です。
2 午後練習・・・柔軟とランニングは欠かせません。まず体を温めて筋肉をほぐし、柔らかくしておくことが重要です。これを怠ると怪我につながることもあるのでしっかりと柔軟を行ってください。
3 各種目の練習・・・男子の体操競技はゆか・あん馬・つり輪・跳馬・平行棒・鉄棒の6種目です。毎日それぞれの種目を順番にこなし技を取得していきます。特に合宿などでは各種目それぞれ1時間は練習していました。
4 体幹(たいかん)トレーニング・・・体操競技では全身の屈伸のほかに姿勢を保ち、バランスをとることが重要になります。そのためにも体を締める体幹トレーニングが大事です。腹筋や背筋はもちろん、倒立も欠かせないトレーニングです。特に倒立は全ての体操競技において必要な要素です。
他にも鉄棒を使ったスイングの練習も大事だと思います。力を入れずにやることがポイントです。しっかりと柔軟をして基礎練習を大切にしてください。
※プロフィール等は2013年7月時点のものです。
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