【特集】奥原希望選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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奥原 希望選手 プロフィール

奥原 希望選手

バドミントン選手 日本ユニシス所属
バドミントン日本代表
リオデジャネイロオリンピック銅メダリスト

PROFILE

1995年3月13日生まれ。長野県大町市出身。父の影響で小学校2年生からバドミントンを始め、小学校時代からANAアジアユースジャパン、U13で優勝するなど、その才能を予感させていた。中学校進学後は全日本ジュニアバドミントン選手権大会で、新人部門シングルス優勝、ジュニア部門シングルス2位の成績を残す。埼玉県立大宮東高等学校に進学後は、全日本ジュニア選手権やインターハイを連覇し国際試合にも出場。オーストリアインターナショナルチャレンジで優勝、世界ジュニアバドミントン選手権大会では銅メダルを獲得した。また2011年の全日本総合選手権では史上最年少で優勝し、バドミントン日本代表に初選出された。2012年は世界ジュニア選手権において団体で準優勝、女子シングルスでは金メダルを獲得している。高校卒業後は日本ユニシスに入社。2015年のヨネックス・オープン・ジャパンでスーパーシリーズ初優勝、全日本総合選手権では2度目の栄冠を手にした。また同年のスーパーシリーズファイナルズでも日本人初の優勝を果たした。そして2016年は全英オープンで優勝、世界ランク3位となり、8月のリオデジャネイロオリンピックでは日本バドミントン史上初のシングルス銅メダリストに輝いた。

奥原 希望選手の学生時代は・・・

試合や練習で登校できなかったほど、100%バドミントンだった

奥原 希望さん写真
 私は長野県出身で、子供の頃に父が高校のスキー部の顧問をしていたんです。でも冬しか活動できなくて、夏はバドミントン部の副顧問をしていました。そこで、まだ小学校1年だった私を、休日は子守をするために練習に連れて行っていたのがバドミントンとの出会いで、姉や兄も一緒にバドミントンを始めました。最初の頃はラケットにシャトルが当たったり、ラリーが少しでも続くことが楽しかった。でも試合をするようになると勝つ嬉しさや負ける悔しさを知るようになり、もっと強くなりたいと思うようになっていきました。中学時代はNABAクラブチームに入って練習をしていましたが、その頃には生活の100%がバドミントンで、ぼんやりとですが将来は実業団でプレーすることも既に考えていたと思います。
 そして私が進学した埼玉県立大宮東高校は県立ですが、あらゆるスポーツに力を入れ、文武両道を重んじる学校でした。私も長野県から単身で寮生活を送りながら、更にバドミントン漬けの毎日を過ごすようになりました。この頃には全日本ジュニア選手権やインターハイで優勝できるようになり、試合の遠征や練習が忙しくて授業に出られない時もありました。1ヶ月に3日しか登校できなかったこともありましたね(笑)。それくらい高校時代はバドミントンに夢中で、目の前のシャトルを必死で追いかけていました。また、この頃からトップの実業団チームに練習で通わせてもらえる機会もあって、トップの選手達のプレーを実際に体験しながら練習できたことが、2年の2011年の全日本総合選手権の優勝に結びついたと思います。
 この優勝は私にとって大きなターニングポイントになったと思います。なぜなら、私自身トップで戦っていける自信も出てきましたし、目指すべきところもしっかりと見えてくるようになったからです。この優勝後に日本代表にも選出されましたから、よりトップの選手達とシャトルを交えて練習する機会も増え、意識も高まっていきました。
 もうひとつ、高校時代に印象に残っている試合は高校3年生の時に開催された世界ジュニア選手権です。日本の千葉で開催された大会で、団体で日本は準優勝でしたが、個人で優勝できたことは印象深いですね。

実業団・日本ユニシスに入社、そしてオリンピックのコートへ

最高の練習環境があったから、オリンピックのメダルにつながった

奥原 希望さん写真
 オリンピックを確実に意識し出したのも、高校2年生の頃でした。全日本総合選手権優勝と日本代表選出で、初めてオリンピックを狙えるスタートラインに立てた思いがしました。ただ、2012年のロンドンオリンピックレースには参加できませんでしたが、次のオリンピックは確実な目標になりました。そして日本代表として初めて世界トップクラスの選手と戦ったとき、負けはしましたが、果てしなく高かった世界の壁が、頑張れば私にも越えられるといった確かな手応えを感じたんです。
 高校卒業後に選んだのは、実業団のチームです。いくつかのチームから声をかけていただきましたが、中でも代表クラスのトップ選手が男女とも多く所属している日本ユニシスは、練習環境も考えた上で最高のチームだと思えました。また、社長自らが毎回試合を観戦してくださるほどバドミントンにも造詣が深く、理解やサポートも申し分のないチームです。そのうえ何よりも男子選手が多く、スパーリングの相手もしてもらえるのが嬉しいですね。
 そんな中で迎えた2016年のリオデジャネイロオリンピック。選手としての一番の目標でしたし、バドミントン競技にとっても最高の大会だと思います。ただ、そのコートで初めて戦ったときに感じたことは、これまでの国際大会と同じだということ。確かに観客も多く、世界中の注目度も高い。選手村でお湯が出ないなどの不都合もありましたが(笑)、私がコートの中でやることは同じです。ただ集中してシャトルを追いかけるだけ。自分のメンタルに打ち勝ってプレーできなければ、オリンピックでなくても勝てません。そう感じられたので落ち着いてプレーできたのだと思います。でも実は、メダルの重みを実感したのは帰国後でした。世間の反応もすごかったし、改めてオリンピックメダルの重み、誇りを痛感できました。

奥原 希望選手からのワンポイントアドバイス

自分の強みとなる、プレースタイルを見つけてください

奥原 希望さん写真
 私が通っていた高校は、あらゆるスポーツに力を入れていたので、普通の体育の授業そのものがトレーニングでした。なので部活動ではより専門的な練習に取り組めたんです。ちなみにバドミントン部ではキャプテンの私が練習メニューを考えたりしていましたが、一番大事にしていたのは個人にあった練習メニューを考えて実践することでした。
(1)走る・・・これは全てのスポーツの基礎になるトレーニングです。ちなみに私たちの高校では、体育の授業で5kmのタイム走をやっていました。きつかったけれど、基礎トレーニングになっていたと思います。
(2)コート内での練習・・・サーブやレシーブ、ショットやスマッシュなど、いろんな打ち方を体で覚えていきます。特に私はクリアーといって、相手コートのバックライン際に高く飛ばす打ち方をよく練習しました。いろんな打ち方にチャレンジする中で、自分の強みや弱みを知り、自分自身のプレースタイルを作り上げていくことが大事だと思います。

 バドミントンはネットをはさんだ心理戦のスポーツです。シャトルを打ち合いながら、いかに相手を誘導させて自分のペースに持ち込むかを考え、流れを作りながら試合を進めていきます。高校時代は拾って、拾って、相手のミスを待つというスタイルでしたが、守りながら攻めるプレースタイルに改善していきました。練習や試合を重ねる中で、自分の得意なスタイルがわかってきたからです。バドミントンは知れば知るほど奥深いスポーツです。そんな駆け引きの面白さも味わいながら、プレーしてください。

奥原 希望選手からみんなへメッセージ

何事もチャレンジできる、パワーを伝えたい

奥原 希望さん写真
 小学校1年生からバドミントンを始め、学生時代の100%をこのスポーツに打ち込んできました。それはバドミントンの面白さに夢中になれたから、もっとチャレンジしたいという気持ちになれたからだと思います。もちろん楽しいことばかりではなくて、怪我で先が見えなくてもがいた時もありました。でも、その全てがなければ今の私はないと思うし、オリンピックのメダルにも辿り着かなかったかも知れません。
 これからの目標は、もちろん2020年の東京オリンピックも視野に入っていますが、もっと大きな目標はというと「日本を変えたい」と思っています。私はバドミントンというスポーツを通して、いろんな可能性や夢、パワーをもらった気がします。だから今、キラキラした人生を送れているんです。今回、オリンピックメダリストという発信力のある立場になれたことも、私たちアスリートが日本を元気にするチャンスをいただいたと思っています。だから高校生のみなさんにも、何事にもチャレンジできるパワーを伝えたい。失敗なんて怖がらないでください。その失敗も必ず将来のパワーにつながります。

※プロフィール等は2017年7月時点のものです。

藤井 瑞希さん
藤井 瑞希さん(元バドミントン選手)
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髙橋 礼華さん
髙橋 礼華さん(元バドミントン選手)
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東野 有紗選手(バドミントン選手)
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2023年9月

福島県立富岡高等学校 出身
渡辺 勇大選手(バドミントン選手)
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松友 美佐紀選手
松友 美佐紀選手(バドミントン選手)
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西本 拳太選手
西本 拳太選手(バドミントン選手)
人生で一度の高校時代は、人生の分岐点かもしれない
小椋 久美子さん
小椋 久美子さん(元バドミントン選手)
今までどれだけ頑張ってきたかが自信や財産になる
佐藤 翔治選手
佐藤 翔治選手(バドミントン選手)
なんだっていい、楽しくやることが一番大事!
陣内 貴美子さん
陣内 貴美子さん(元バドミントン日本代表 スポーツキャスター)
無我夢中で一生懸命にやったことは、必ず自分の自信となり、プラスになるはず!

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一