PROFILE
1983年5月12日生まれ。大阪府大阪市出身。中学時代は陸上部とラグビー部に所属していたが、中学2年生の時に友人に誘われエディタウンゼントジムに入門しボクシングを始めた。中学卒業後に高校進学よりもプロボクサーの道に進むことを決め、卒業後はアルバイトを続けながら17歳の8月にプロ試験に合格、10月にはデビュー戦で4RTKO勝利を収めた。2001年に全日本ライトフライ級新人王のタイトルを獲得、翌年には世界ランク入りを果たした。2005年、WBC世界ミニマム級王者のイサック・ブストスを降し日本国内ジム出身50人目の世界王者となった。2006年、WBA世界ミニマム級暫定王座決定戦では判定でタイトルを獲得。その後2010年から挑戦し続けていたIBFタイトル挑戦では、3度目となる2013年3月に王者マリオ・ロドリゲスと対戦し、ついにIBF世界ミニマム級のタイトルを獲得した。そして2014年にはWBO王座獲得に成功し、日本人初の主要4団体での世界戴冠に成功した。またプライベートでは2014年に愛知県名古屋市の菊華高等学校に入学、卒業後に名古屋産業大学に進学し37歳で卒業。将来は教育の現場で指導者を目指す意思も表明している。
高山 勝成選手の学生時代は・・・
本当にやりたいことは?と考えた時、プロを目指すと決めた
ボクシングを始めて1年くらい経った時、自分の進路について考えるようになりました。このまま高校に進学するのか、それとも自分が本当にやりたいことは?と考えた時、ボクシングが真っ先に頭に浮かびました。そして調べてみると17歳でプロ試験を受けられることを知り、高校進学よりもプロの道を目指すことに決めました。もちろん中学の担任やボクシングのトレーナーからも「高校に通いながらでもボクシングはできるし、教養は大切だから」と説得もされましたが、僕自身は大好きなボクシングにかけてみたい気持ちが強かったので、卒業後はアルバイトをしながらプロ試験を目指しました。
そして卒業後はガソリンスタンドや飲食店などのアルバイトを続け、17歳の8月にプロテストを受けて合格し10月にプロデビューをしました。デビュー戦はすごく楽しみであり、勝負の世界なので怖さもありました。でも「自分はデビュー戦に向けてベストを尽くして練習してきたんだから」という気持ちを胸にリングに上がり、4RTKOで勝つことができました。その後は2001年の全日本ライトフライ級新人王をはじめ快調に勝利を重ねてきましたが、2003年4月、プロボクサーとしてのターニングポイントがありました。
初黒星から昇りつめた世界チャンピオンへの道
絶対に負けられない覚悟で挑んだ、IBFタイトルマッチ
でも一番忘れられない試合は、2013年3月30日、メキシコでマリオ・ロドリゲスと戦ったIBFのタイトルマッチです。日本では認可されていないタイトルなので、JBC(日本ボクシングコミッション)のライセンスを返上してまで挑戦し続けてきたものだったし、何より後ろ盾のない状況で苦労してたどり着いた挑戦権だったので負けるわけにはいかないと強く思っていました。必ずIBFのベルトを手にするんだという情熱と覚悟がありました。
そして次に僕が手にしたかったのは、オリンピックのメダルです。アマチュアとして挑んだ予選でしたが、残念ながらオリンピック出場の夢は叶いませんでした。
高山 勝成選手からのワンポイントアドバイス
基本を繰り返し、続けることこそ強くなる秘訣です
(1)ロードワーク・・・主にランニングですが、ボクシングは持久力と瞬発力を必要とするので長い時間走るのではなく、30mや50mなどのショートダッシュを30分から1時間ほど集中的にやって瞬発力を鍛えていました。
(2)ジムワーク・・・先ずはシャドーボクシングでフォームや打ち方を確認しながら練習します。次は実際にグローブをつけてサンドバッグやミットに打ち込んでパンチ力やスタミナを鍛えます。最後はスパーリングという練習試合で、これまでにやってきた練習や体の動きを試しながら確認します。
(3)フィジカルトレーニング・・・ボクシングの軽量級は筋肉をつけすぎると体重に影響があるので、筋肉強化よりも瞬発系のトレーニングで上半身と下半身の連動性を鍛えることに重点を置いていました。例えば腕立て、腹筋、背筋、スクワット、バービーなどの組み合わせを繰り返すサーキットトレーニングが主流でした。
基本の練習内容は以上ですが、覚えておいて欲しいのは基本練習をしっかり繰り返しやり続けることが強くなる秘訣だということ。決して焦らず、一つひとつを積み重ねることが大事だと思います。また、怪我をすることもあるかもしれませんが、そんな時はしっかりと休み考えることも必要です。考えて再び練習を続けることで自分自身の限界を知り、なおかつその限界のハードルを上げていく。これがスポーツのトレーニングだと考えています。
※プロフィール等は2021年4月時点のものです。
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