渡辺 勇大選手
バドミントン選手
BIPROGY所属
東京オリンピック混合ダブルス銅メダリスト
渡辺 勇大選手
バドミントン選手BIPROGY所属
東京オリンピック混合ダブルス銅メダリスト
福島県立富岡高等学校
PROFILE
1997年6月13日生まれ。東京都杉並区出身。小学校入学後に両親の影響でバドミントンを始め、小学校2年生から小平ジュニアバドミントンクラブに入部。中学校からは父の勧めで福島県富岡町立富岡第一中学校に進学し、寮生活を送りながらバドミントンの練習を積んだ。一時期、東日本大震災の影響で、猪苗代中学校に拠点を移して活動を続けた。2012年には富岡第一中学校の1年先輩である東野有紗選手と初めてペアを組んでいる。福島県立富岡高校進学後は1年生の時に高校選抜の個人複で初めて日本一になり、2年生では全日本ジュニア単複で二冠を達成した。2016年、高校卒業後に日本ユニシス株式会社(現BIPROGY)に入社。その後は全日本総合選手権大会で男子ダブルス、東野有紗選手と組んだ混合ダブルスで優勝し、2018年には歴史ある全英オープン混合ダブルスで、2019年にはアジア選手権のダブルスで日本人として初優勝という成績を残した。全英オープンではその後、2020年、2021年とダブルスで2連覇を達成している。初出場した東京2020オリンピックでは、混合ダブルスで日本勢初の銅メダルを獲得し、日本中の注目を集めた。その後も国内外の大会で結果を残し、2024年のパリオリンピックに向けても活躍が期待されている。渡辺 勇大選手の学生時代は・・・
初めての寮生活と過酷な練習で、いつも家に帰りたかった
高校生になり朝練はなくなりましたが、練習のレベルもバドミントンに対する意識も更に強くなっていきました。ただ自分なりに練習と学生生活の切り替えもできるようになり、試合でも成績を残せるようになりました。高校1年生の選抜大会で初めて日本一になり、これからも一番で居続けるためにはと考えることがモチベーションにもなりました。この頃からバドミントンって楽しいなと実感できるようになった気がします。
初のオリンピック、そして世界ランキング1位に
世界ジュニア3位の自信が、オリンピックへの意欲を掻き立てた
また僕にとってダブルスは、シングルスと比べてコート内での動き幅が違うのはもちろんですが、シングルスとは違う可能性を感じています。例えば1+1=2ですが、二人で力を合わせれば3にも4にもなれる可能性を秘めている。二人で答えをいかに最大数にしていくかの楽しさがあるんです。もちろんマイナスになる怖さや難しさもあります。だからプラスにできた時の嬉しさも大きくなるんです。またダブルスでは技術だけでなくパートナーとのコミュニケーションがすごく大事だと思っています。コート内で試合を組み立てる戦術を確認しあうのはもちろんですが、互いの弱みを打ち明けて、自分の今のコンディションや思いをパートナーに理解してもらったうえでゲームを組み立てていけることが結果的に強さになっています。
高校卒業後はバドミントンを続ける上で最高の環境と考えて、東野選手も所属している日本ユニシス株式会社(現・BIPROGY)に入りました。その後もダブルス、混合ダブルスで成績を残すことができましたが、2018年の全英オープンの優勝は嬉しかったし、皆さんの印象に一番残っているのは2021年の東京オリンピックの銅メダルだと思います。オリンピックを意識し出したのは高校3年生の頃で、東野選手と共に出場した世界ジュニアで3位になったことで「世界と戦える」と思えたので、オリンピックへの意欲も高まっていったと思います。オリンピックが他の世界大会と比べて格別とは僕は思っていませんが、注目度は違うしバドミントンを見てもらえる大きなチャンスでもあり、そこで結果を出せれば人生が変わるのは実感しました。応援してくださる方も増えたし、僕自身、いろんなことに挑戦できる機会が増えたことは嬉しいです。
渡辺 勇大選手からのワンポイントアドバイス
どのような練習でも、100パーセントで取り組むことが大事
(1)ランニング・・・練習の初めに体育館内を走り、体や筋肉を温めて激しい運動に備える意味もあると思います。
(2)フットワーク・・・コートの中を前後左右に、迅速に動くためにはフットワークを鍛えることが重要です。
(3)打ち方練習・・・ドライブやスマッシュ、サーブなどあらゆる基本の打ち方を身につけます。また、フォアハンドやバックハンドといった打ち方も練習します。
(4)打ち合い・・・実際に相手と試合を意識して打ち合うことで、スピード感や技のコンビネーション、フットワークを身につけます。
以上が主な練習ですが、学生時代はどんな練習でも100パーセントやり切ることが大事だと思います。なんとなく流してしまったり、セーブしてしまうと僕は身につかなかったので、練習とそうでない時をしっかり分けてオン・オフを切り替えることで集中した練習になると思っています。
※掲載内容は2023年8月の取材時のものです。
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