体操を始めるまではサッカーをやっていたんです。元々、跳び箱を跳んだりするのは好きだったんですが、きっかけはテレビでオリンピックの体操競技を観て、「僕もやりたいな」と思ったからです。小学校2年生の時でした。すると両親が日本体操協会に電話をして、真剣に探してくれたのが埼玉県大宮市のサトエスポーツクラブでした。子供の頃は母に車で送り迎えをしてもらったり、僕の体操にすごく協力してもらいました。 ところが僕はどちらかというと体が硬い方だったので、子供の頃は基礎練習や柔軟も痛くて苦手だったんですよ(笑)。だから体操が本当に好きになって楽しくなってきたのは、高校生になってからですね。自分で考えて練習できたし、得意種目もわかってきたりすると、やりたい技を考えて練習するのが楽しくなってきました。最初はあん馬が得意で、鉄棒やつり輪は実は苦手種目でした。特に鉄棒は頑張ってもなかなか上手くならなかったし、やっぱり向き不向きはあるのかなと考えさせられる種目でした(笑)。またつり輪は、特に力がものを言う種目で、トレーニングも地味で辛く、どれだけ我慢できるかが問われる種目ですが、それだけに出来た時の喜びも大きいと、段々と思うようになりました。 内村航平選手に出会ったのは、高校2年の関東大会でした。当時からいろんな大会に出場すると、彼も必ずといっていいほどいましたね(笑)。だから自然と仲良くなっていきましたが、僕にとって一番のライバルでもありました。「航平には絶対に負けたくない!」と思っていましたから。そして高校3年生の高校総体個人総合で僕が優勝し、航平の三冠を阻止することができました。高校時代はプライベートでは会うこともあまりなかったのですが、彼とは体操を通して刺激しあえる関係だったし、人間としても好きなところが多いんです。二人揃って日本体育大学に進学を決めたのも、そういった気持ちが大きかったからかも知れません。
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