小学校では野球、中学校ではバスケットボールをしていました。どちらの競技もソツなくこなせていたんですよ。でも、どちらもレギュラーにはなれなかった。というのも、実は当時の私は、良く言えば優し過ぎる性格、悪く言えば弱気な男だったんです(笑)。特にバスケは、先生から高い評価をもらっていながら、いざ試合になると、相手選手がドリブルで突破してきても体を入れて止めることができないし、逆に自分が攻める時でも、ディフェンスが前にいると突っ込めない。全然、練習の成果が活かせなかったんです。どうしても、相手にぶつかっていくという積極的な行動が取れなかったんですね。 そこで、高校ではそんな自分を変えようとアメリカンフットボールを始めたんです。アメフトはぶつからないと始まらないし、全員が全力でぶつかり合うスポーツだから、ここで自分を変えてやろうと思いました。1年の始めは辛かったですね。先輩たちがどんどんぶつかってきて、「これはダメかな」って諦めそうになったんです。そんな時、練習試合に出場する機会があったんですけど、いきなりものすごく大きくて強い選手に吹き飛ばされたんですよ。「あ~、やっぱり3年生は違うなぁ」って、勝手に先輩だと思い込んでいたんですが、試合後に、実はその選手は同じ1年生で、しかもつい最近アメフトを始めたばかりだと聞かされたんです。その時初めて、「悔しさ」を知って火が付きましたね。今思えば、そこからぶつかり合いも怖くなくなり積極的に動けるようになったと思います。その後は、同学年のチームメートと一緒に、もっと強くなろうと話し合って、チームの研究や自主練習を始めました。コーチがいなかったこともあり、ほとんど自分たちでメニューを考えましたね。3年生の秋頃に、その努力が実って選手権大会の準決勝まで行けたんです。何ともいえない喜びでした。全員が1つの目標に向かって進めてるんだと実感しましたね。 その後、関西学院大学でもアメフトを続け、4年生の時には年間最優秀選手までもらうことができました。本当に充実した学生生活だったと感じています。
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