【特集】千葉真子選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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千葉真子選手写真

千葉 真子選手

マラソン選手 2003年パリ世界選手権マラソン銅メダリスト 豊田自動織機所属

PROFILE

1975年7月18日、京都府生まれ。立命館宇治高校で本格的に陸上を始める。95年、旭化成に入社。96年4月に1万メートルで日本最高記録(当時)をマーク。同年アトランタ五輪1万メートルで5位入賞。97年1月、東京シティーハーフマラソンで1時間6分43秒の日本最高をマークして優勝。同年アテネ世界選手権で1万メートルでの銅メダルを獲得。2001年1月、旭化成を退社し、その後豊田自動織機の女子陸上競技部員として、佐倉アスリート倶楽部・小出義雄監督のもとで修業を積み、2003年パリ世界選手権マラソンで銅メダル。世界初のトラック、マラソン両方でのメダルを手にする。2005年2月より、競技人生の集大成として独立。スポーツで世の中を元気にしたいという目標にも挑戦中。

千葉真子選手の学生時代は・・・

駅伝に絶対に出るんだっていう気持ちはすごく持っていました

千葉真子選手写真
中学生時代は3年間テニス部に所属していたんです。夏に引退したあと、冬にあった駅伝で陸上部の助っ人として呼ばれて、それで走ったことがきっかけとなって高校の監督に誘っていただいたんです。陸上をやらなかったらおそらく普通に公立高校に進んだと思うんですが、すごくやってみたいという気持ちを持って、進学したんです。ですから、高校生のときは、駅伝に出たい、駅伝に出て全国優勝したいということが最大の目標でしたね。そのためにそこの学校に行ったんだから、絶対に出るんだって気持ちはすごく強く持ってました。ただ、全国各地から集まってきている選手が女子の長距離だけで30名以上いて、選手で走れるのは5名なので、すごい競争ですよね。最初は、気持ちだけは強く持ってましたが、一日目に練習に行ったとき、もう翌日の朝起き上がれなかったですね。足には豆が10個くらいできて、全身筋肉痛で。そのときは「私は道を誤ったわ」と思いましたけど(笑)。それでも駅伝を目指して、1年生のときから出るぞって思っていましたが、やはりそんなに簡単にはいかないですね。1年生のときは補欠にも入れないし、ただただ応援するだけで、同じ1年生で走っている仲間をまぶしいなと思いながら見ていました。2年生になってようやくメンバーになれたんですが、駅伝の直前の練習でいつも5番の中に入ってないとだめですから、本当にいつもドキドキで、練習でもすごい必死でした。2年生のときの駅伝では2区で走って、17人抜きをしたんですけど、ともかく緊張よりも必死の気持ちが上回っていて、一つでも前にいかなきゃと無我夢中。どこをどう走ったかも覚えてないような状態でした。逆に3年生では1区を走ったんですが、40秒遅れてしまい、後半追い上げてくれたんですがチームが2位に終わったんです。そのときは本当に申し訳なくて「このままでは終われない」と思いました。それが社会人でもうちょっと頑張りたいという思いにつながりましたね。

何か一つのことに向かって一生懸命やることが好きなんです。

千葉真子選手写真
練習は好きじゃないですよ(笑)。だって苦しいですもん。でも、練習は嫌いなんだけれども、何か一つのことに向かって一生懸命やることが好きなんですよね。それが今はマラソンなのかなという感じです。何か一生懸命やってるときって人って輝いていると思うので、少しでも輝けるときがあったらいいなという気持ちです。マラソン選手にとって大切な要素は、ひとことで言えば「心の持久力」ですね。コツコツ積み重ねることがやはりすごく力になるし、大切だと思います。スポーツだけでなく、何に関してもそうだと思います。そのとき大切なのは、いっぺんに無理し過ぎないことですね。マラソンも同じですけど、最初から飛ばし過ぎると最後まで持たないですから、少しずつでいいからという軽い気持ちで、自分のペースで始めればいいと思います。それと、スポーツやっていてよかったなと思うのは、世界中にお友達ができたり、いろんな出会いがあったりすることですね。世界のいろいろなレースに行くのですが、走るときはもちろん真剣勝負ですが、一歩試合から出ればいいお友達。トップに行けば行くほど、人間としてもすごくできている方が多いんです。スタートラインに並んでからも、お互いに肩を叩いて「グッドラック!」という感じで。私自身の目標ということでいえば、スポーツで世の中を元気にしていけるようなマラソンランナーになりたいなと思っています。苦しい競技なんですけど、少しでも楽しんできるように工夫をしながらやっていきたいと思っています。

千葉真子選手からのワンポイントアドバイス

基本的なこと、シンプルなことを大事にして、土台づくりを。

千葉真子選手写真
千葉真子選手写真
まず、目標をしっかりと持ったほうがいいと思います。目標は個人個人で何でもいいんですが、それがないと苦しいときにそれを乗り越えることができないと思うので。そして、中学や高校時代は、やはり基本的なことを大事にしてもらいたいです。練習をガンガンやるというよりも、基礎的なことを大事にして、無理をせず、土台をしっかり作るということですね。私の高校生時代も、当時はきついと思ったんですが、今考えると練習も少なめでした。成長期なのでやり過ぎて壊れちゃうことがないように、そのあたりは配慮していてもらっていたなと感じます。シンプルなことって忘れがちですが、シンプルだけど難しいことっていっぱいあるんです。ストレッチをよくやるとか、そういうちょっと面倒くさいことも含めて、一つ一つをていねいに、きちんとやっていくことが大切だと思います。

【生活の一部にする】
練習メニューにこれという決まりはないと思います。ただ、私にとって走ることは生活の一部なので、走らない日はないんです。ガンガン走るとかではなくて、走るということになじむということが大切です。

【土の上を走る】
コンクリートの道路などはすごく硬いので、私も高校生まではコンクリートはなるべく走らず、土のグラウンドを走るようにしていました。スポーツ選手にはやはりケガが一番辛いと思うので、準備体操やストレッチを入念に、きちんとやるということもとても大切です。

【クロスカントリー】
土や芝生で起伏のあるコースなどがあれば、そこをクロスカントリーで走るのはいいトレーニングになると思います。起伏があれば心肺機能なども追い込めるので、そういう場所で走り込むと強くなれると思います。今の日本ではなかなかそういう場所もないんですが、そんなイメージを持って練習するのはいいでしょうね。

千葉真子選手からみんなへメッセージ

エンジョイする気持ちを忘れずにチャレンジしてください。

千葉真子選手写真
エンジョイということを大切にしてほしいなと思います。誰でも最初は楽しそうだからクラブに入ったんだと思いますが、もし苦しいことがあったら、最初のその気持ちを思い出して。初心に戻って、できるだけ楽しんでやれるようにやったほうがいいんじゃないかなと思います。私のモットーは『ベストスマイル』という言葉なんですが、「ゴールをしたあとに本当にみんなでいい顔で喜び合いたいね」という気持ちがこもった言葉です。原点は「好き」ということなんだと思います。自分の人生では誰しもみんな自分が主役なんだから、自分で少しでも楽しいなと思ったことに、ぜひチャレンジしてほしいですね。

※この記事は2005年8月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。

川内 優輝選手
川内 優輝選手(マラソン選手)
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有森 裕子さん(女子マラソン五輪メダリスト)
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やり続けることによって、初めて目標は達成される

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一