【特集】清岡幸大郎選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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清岡幸大郎選手 プロフィール

清岡 幸大郎選手

レスリング選手
パリ2024オリンピック レスリング男子フリースタイル65kg級 金メダリスト

PROFILE

2001年4月12日生まれ。高知県出身。小学6年生ではじめて全国チャンピオンに輝く。中学3年生の時に全国中学生選手権47kg級で優勝、高校2年生の時にはインターハイ55kg級で頂点に立った。日本体育大学へ進学した後も実力を伸ばし、学生チャンピオン、全日本チャンピオンに輝く。2023年の全日本選手権男子フリースタイル65kg級、翌年のパリ2024オリンピックアジア予選男子フリースタイル65kg級で優勝し、オリンピック出場権を獲得。パリ2024オリンピック男子フリースタイル65kg級で金メダルに輝いた。

清岡幸大郎選手の学生時代は・・・

高知の地で、レスリング人生における“夢”と“軸”を築く

清岡幸大郎選手写真
 レスリングを始めたのは4歳の時。母の知り合いがレスリングクラブを立ち上げ、初期メンバーとして誘ってもらったことがきっかけでした。はじめはボール遊びやマット運動からスタートし、5歳くらいから外部の試合に出るようになりました。道具を使わず、自分の身体だけで戦うところが面白くて、すぐに夢中になりました。自分の狙った通りに相手を倒したり、動かしたりできると、とても楽しかったです。ただ、すぐに輝かしい結果がついてきたわけではなく、小学生時代は全国的に見て中堅以下の時もありました。それでも“楽しむ”素質だけはあったんです。県外に遠征に行った時、同じグループの他メンバーは全員エリートという状態でスパーリング(実戦形式の練習)をやったのですが、コーチから「むっちゃ楽しそうだった」と言われました。何事も楽しく、プラスに捉えられる強みは今も変わっていません。
 はじめてオリンピックを意識したのは小学5年生の時でした。全国大会に出場した際、同じ会場でロンドンオリンピックの壮行会が行われていて、赤いブレザーを着た代表選手団を目にしたんです。その姿がすごくかっこよくて、「自分もあそこに立ちたい」という想いを抱きました。僕のレスリング人生における、大きな目標ができた瞬間でした。
 その後、地元の中高一貫校に進み、レスリング部に入りました。レスリング選手として一つ殻が破れたと感じているのが、中学3年生の時に出場した国民体育大会です。出場資格を持つ中高生だけが出場できる大会で、それまで中学生で入賞した選手はいませんでした。目立ちたがりで、“前人未踏”や“初”が大好きなので「優勝できたら、めちゃくちゃすごくない⁉ 名前を残せるチャンスだ」と思ったんです。チャレンジャー精神で楽しんで倒しにいった結果、決勝まで進出。優勝を目指し、それ相応の努力をして、実力がつけば、学年や経験値が上の選手にも勝てると実感できました。
 高知県はレスリングをやっている人がそう多くなく、練習環境も決して万全の状態とは言えないと思います。そのため、ずっとコーチから「遠征で強い選手と対峙したときに、どれだけ吸収して地元に持って帰ってこられるかが大事」と言われていました。そのおかげで人から学び、吸収する力がつきました。より恵まれた環境で練習できるようになってからもその習慣は続いており、成長につながる軸を高知時代に育ててもらったと思っています。

夢を叶えるために日本体育大学へ

オリンピック出場が決まる前に、金メダル獲得を確信していた

清岡幸大郎選手写真
 高校時代に練習に呼んでいただいたことをきっかけに、卒業後は日本体育大学へ進学しました。他の大学に進む選択肢もありましたが、トップレベルの選手たち、最強のコーチ陣、実戦練習の殺伐とした空気、練習後の和やかな雰囲気から、オリンピックに一番近い場所はここだと確信し、入学を決めました。
 大学時代で特に思い出深い試合は大学3年生の時の東日本学生リーグ戦です。大学対抗の団体戦で、各校が7人ずつ出場して勝敗を決めます。高校時代は人数が足りなくて出られず、大学1、2年生の時はコロナ禍で試合がなかったので、人生ではじめての団体戦でした。観客席からは応援合戦ばりの熱のこもった声援が聞こえてくるなど、まるでお祭りのような雰囲気。勝った瞬間、今までに味わったことのないくらいアドレナリンが出て、ガッツポーズで会場を盛り上げました。レスリングの面白さを改めて感じ、さらにとりこになりました。
 大学4年生の12月には、パリオリンピック代表選考会に出場しました。長年、夢に見たオリンピックまであと一歩。試合前はいつも通り、音楽を聴いたり、応援メッセージを読んだりして気持ちを高めていました。すると突然「これに勝ったら恩を返せる。報われる」という気持ちが沸き、これまでの練習や試合が一気にフラッシュバックしてきたんです。ぼろぼろと涙が溢れ、その瞬間オリンピックで金メダルを獲ったと思いました。10年以上レスリングをしてきて、はじめての体験でした。
 その後、良い予感は現実となり、パリオリンピックに出場することができました。文田健一郎選手の応援ではじめて会場に入ったのですが、人の数、会場の広さ、歓声の大きさを全身で感じて興奮がとまりませんでした。あまりに興奮してその日の夜は眠れなくなってしまったので、その後は会場に行くのをやめ、ホテルで中継を見ることにしました(笑)。いざ自分の試合を迎えると、待っていたのは、観客席で見るよりもはるかに広い会場と、国内試合では浴びることのない声援。遊園地にきたかのような高揚感でいっぱいになり、初戦のマットに向かいながら、「この胸の高鳴り、ドキドキ、わくわくは、今回だけじゃ味わいきれない! ロサンゼルスオリンピックも目指すしかない!」と考えていました。まだ一度も戦っていなかったのにも関わらず、そんなことを考えている自分にびっくりするとともに、必死で集中力を取り戻していました(笑)。試合はあまり緊張することなく、とにかく楽しかったです。しかしいざ実際に金メダルが決まった瞬間だけは、完全に脳がキャパオーバーしていました。周囲の人が涙を流して喜んでくれている中、全く理解が追いつかず「なんや、これ……どういうこと?」という感情でした。控室に戻って冷静さを取り戻し、表彰台でメダルをかけてもらったり、優勝の証である会場の一番高いところへ掲げられた日の丸を見たりして、ようやく金メダルを獲ったことを実感できました。はじめてのオリンピックで金メダル。もう二度と味わうことはないであろう経験となりました。

清岡幸大郎選手からのワンポイントアドバイス

人と比べず、小さな「自分がんばった」に目を向けてあげよう

清岡幸大郎選手写真
 レスリングの基本は“構え”の姿勢。安定していないとフラフラと倒れてしまうので、良い構えにつながるトレーニングをご紹介します。

(1)エアロバイク(自転車)で足の動きを軽やかにする……足の筋力を高める、持久系トレーニングです。30秒漕ぎ、10秒休憩を7セット繰り返します。ペダルの重さは体重によって変わりますが、30秒で90~100回転くらい回し続けられる重さがベスト。体力を消耗してバテてくる試合後半でも足が動きやすくなり、良い構えの姿勢を保ちやすくなると思います。

(2)フロントスクワットで倒れにくい身体に……バーベルを持ちながら行うスクワットと言うと、首の後ろでバーベルを支えるバックスクワットが一般的だと思いますが、僕のおすすめはフロントスクワットです。鎖骨の位置でバーベルを支えながら、スクワットを6回×5セットくらい行います。僕は80kgのバーベルを使っていますが、それぞれ無理のない重さで行ってください。足腰やお尻が鍛えられるうえ、バックスクワットよりも構えに適した体幹を鍛えることができるので、相手と組んだ時に前に倒れにくくなります。

(3)T字バランスで重心を乗せる感覚を掴む……構えの姿勢に欠かせない、体幹を鍛えるトレーニングです。片足立ちの状態から、上半身が地面に対して平行になるように前に倒れます。ただし、意識するのは上半身よりも股関節。浮いている足をまっすぐ後ろに伸ばすイメージで行ってください。8回×片足3セットずつを毎日続けることで、股関節が使えるようになり、構えのときによりスムーズに重心を乗せられるようになると思います。

 メンタル面のトレーニングとしては、モーニングページがおすすめです。毎日ノート1ページ分くらい、その瞬間に思っていることを書き出すんです。「おなかすいた」「眠い」「疲れた」など、自分と会話しているかのように書いていくと、頭の中が整理されます。すると自分の考えていることを言語化しやすくなります。緊張している理由を明確化できたり、解決方法を導き出しやすくなったり、良いパフォーマンスができた日のノートを見返せばメンタル状態を参考にできたりもします。僕は毎朝やっていますが、1日の終わりにやっても良いと思います。
 何かに打ち込んでいると、時にしんどいと感じることもあると思います。でも考え方を変えたら、それは自分の強みに変えるチャンスでもあります。たとえば、僕は毎朝、あえて少しだけ「練習行きたくないな」と考えるんです。でも、必ず行きます。すると、ちゃんと練習に行った自分偉いって思えるんです。人と比べず、自分なりで良いので、がんばっていることや乗り越えられたことに、ぜひ目を向けてみてください。

MESSAGE

清岡幸大郎選手から
みんなへメッセージ

清岡幸大郎選手写真

時に、大人の意見に耳を傾けてみてほしい

 高校生の皆さんには、とにかく今を楽しんでもらいたいです。卒業式を迎えた時に「もっとこうしたら良かったな」などと思ってほしくないので、後悔のない選択をしてもらえればと思います。僕は高校時代、友だちと一緒にいる時間がとても楽しかったです。テスト期間は部活が休みなので、勉強会や息抜きでバスケットボールをした思い出が強く残っています。一つのことをやりすぎると辛くなる瞬間が必ずくるので、うまく0にリセットできる場所はあったほうが良いです。リフレッシュできれば、一生懸命取り組んでいる物事に対しても前向きになれて、もっとがんばろうと思えるはずです。
 もう一つ伝えたいのが、まわりの大人が掛けてくれる言葉は意外と正しいということです。親身になってアドバイスしてくれたり、注意してくれる人は、それだけ自分のことを想ってくれている証拠です。僕もそうだったのでよくわかるのですが、思春期ということもあり、つい反抗したくなるんですよね。でも一度素直に聞いてみてもよいのかもしれません。そうやって見守ってくれている存在に気づけたら、一人じゃないと思えたり、しんどい時にも前を向けたりするのではないかなと思います。

※掲載内容は2025年2月の取材時のものです。

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一