【特集】柿谷曜一朗選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

アスリートからの熱いメッセージ

柿谷 曜一朗選手

柿谷 曜一朗選手

プロサッカー選手(セレッソ大阪所属)

PROFILE

1990年1月3日生まれ。大阪府出身。4歳からセレッソ大阪の育成組織で育ち、2006年にクラブ史上最年少の16歳でトップチームとプロ契約を結ぶ。各年代の日本代表として活躍し、2006年のAFC U-17選手権2006では日本の12年ぶりの優勝に貢献し、MVPを獲得する。翌年のFIFA U-17ワールドカップ2007でもその活躍が注目され、メディアからも「天才」と称された。2009年から約2年半、徳島ヴォルティスに期限付きの移籍を経験し、選手としてもさらに磨きをかけて2012年からセレッソ大阪に復帰。今後の活躍が期待されるミッドフィルダー。

柿谷 曜一朗選手の学生時代は・・・

育成組織の恵まれた環境で、サッカーに打ち込めた

柿谷 曜一朗選手写真
 僕が3歳の時にJリーグが開幕し、その影響からか「サッカーをやりたい!」と親に言ったそうです(笑)。両親は僕に何かスポーツをと考えていたそうですが、本人がサッカーに興味を持ったことと、どうせならセレッソのようにしっかりと指導してもらえるところでと考えてくれて、4歳の時にセレッソ大阪のサッカースクールに入りサッカーを始めました。僕のサッカー人生は、そのときから始まったと言えますね。その頃から学校に通いながらサッカーの練習に通うという生活が当然になっていきました。また、小学校時代に教えてもらっていたコーチがすごく巧くてかっこよくて「自分ももっと巧くなりたい!」と思えたことが夢中になるきっかけでもありました。小学校時代はよくJリーグの試合を観に連れて行ってもらっていたし、クラブで練習をしていると年上の先輩達の練習を見る機会も多く、すごく刺激を受けていました。サッカーが、そしてJリーグが常に身近だったので、小学生の頃にはもう「将来はサッカー選手になるんだ」とはっきり意識し、目標が決まっていました。今思えば、すごく恵まれた環境でサッカーに打ち込めていたと思います。
 環境といえば、小学校時代に出会った指導者の存在も大きかったと思います。すごく尊敬していたコーチが当時から上級生と練習をさせてくれたりもしました。体の大きさも、力も違いましたが、強い相手と練習する手応えのようなものは子供ながらに感じることができていたと思います。だから、サッカーをすることが楽しくてしょうがなかったんです。
 中学・高校時代も部活ではなく、ほとんど毎日、セレッソのチームで練習していましたから、サッカーしかしてこなかった学生時代とも言えるでしょうね(笑)。

クラブ最年少の16歳でプロ契約、そして日本代表に

移籍という大きな壁を乗り越えてこそ、見えてきたもの

柿谷 曜一朗選手写真
 僕は子供の時からセレッソで育ってきたので、長い時間をサッカーに接することができて本当に良かったと実感しています。また小学生の時から森島寛晃選手や西澤明訓選手といった、素晴らしい先輩のプレーを身近で意識できたこともすごくプラスになっています。16歳でセレッソ大阪とプロ契約できたこと、そしてU-17の日本代表として世界を相手にプレーできたことも、セレッソという育成組織のクラブで育ててもらったからです。
 だから練習がどんなにきつくても、調子が出なくてスランプになった時も、一度もやめたいとは思ったことはありません。ただ、自分の中でターニングポイントというか、一番大きな超えなければいけない壁はありました。それは2009年から約2年半の徳島ヴォルティスへの移籍でした。この経験は自分の中ですごく大きかったし、改めて自分を見直すこともできました。本当に自分がサッカーをしたい場所はどこなのか、何のためにサッカーをやってきたのかなど、自分と向き合って確認できたことで、ある意味、選手として成長できたと感じています。特に僕はセレッソしか知らずに育ってきたところがあるので、移籍して違うチームの雰囲気や空気感を経験することは貴重でした。ただ結果的には残念ながら、徳島ヴォルティスのJ1昇格はなりませんでしたが、僕自身にとってはがむしゃらに頑張ったという実感は確かにあります。
 この思いを持って今年、セレッソ大阪に復帰できたことで新たに挑戦したいという気持ちが強いですね。この2年半の経験で成長した自分を、チームにもサポーターのみんなにも認めてもらえる活躍をすることが今の目標です。

柿谷 曜一朗選手からのワンポイントアドバイス

楽しいと思えることを、しっかりとやること

柿谷 曜一朗選手写真
 サッカーの面白さは、実際にプレーしてこそわかるものだと思います。とは言っても90分間走り、常に動き回らなければいけないスポーツです。それだけにもちろん基礎体力、オールラウンドの技術やプレーセンスが必要になると思います。特に僕の場合はセレッソ大阪の下部組織というクラブで練習していたので、体力や技術に加えて精神面での育成も充実していたように思います。でも、僕が皆さんにアドバイスできることは、決して難しいことではありません。
(1)ボールにできるだけ触れる・・・リフティングやドリブル、シュートやパス練習など。できるだけボールに触れることが大事だと思います。ボールが体の一部のように扱えることは、技術を身につける上でも大きなポイントになります。ちなみに僕は、いつも練習の2時間前から延々とリフティングをしていました。
(2)90分走りきれる体力・・・特に僕はランニングを重視する訳ではありませんが、ピッチ上で90分間動き回れる体力はサッカー選手にとって不可欠です。走るなどの基本練習に加えて、自分にあったトレーニング方法で基礎体力を身につけることは大事だと思います。
(3)長所を伸ばす・・・体力面・技術面においても短所を無くしていくことは大事だと思います。ただ、人には無い自分だけの長所を見つけて伸ばすことも大事なことだと思います。それが選手の個性であり特性になるからです。例えばパスの正確さ、俊足、ドリブルの強さなど、これだけは誰にも負けないという特性を持つことは、その選手の強さでもあります。もちろんオールラウンドで技術を身につけることは理想ですが、まずは自分の長所を見つけ、伸ばすことから始めてみてはどうでしょうか。

サッカーはチームプレーなので、一人だけがずば抜けて巧くても試合には勝てません。チームとして上達するためには指導者のもと、基礎練習をみっちりとやることも大事なことです。そして僕が一番大事にしていることは、自分が楽しいと思えることです。嫌々にやる練習は苦痛で効果的とは思えません。好きなサッカーを楽しみながら、しっかりと練習してほしいですね。

柿谷 曜一朗選手からみんなへメッセージ

好きという気持ちを忘れなければ、頑張れる

柿谷 曜一朗選手写真
 僕は人間としても、そしてサッカー選手としてもまだまだ未熟ですが、好きなことをやっているという自信だけはあります。だから辛いとは思いません。落ち込むことや、上手くいかない時があっても、好きという気持ちを忘れなければ頑張れるはずです。だからこそ自分の目標や進むべき道にしっかりと踏み出せるんです。
 今の目標は、長居競技場で一試合でも多くスタメンで出場すること。そして「やっぱり柿谷だ!」と、自分のプレーをみんなに認めてもらいたい。やはりこのチームが好きだし、何よりサッカーが大好きだから、この気持ちは大事にしていきたいですね。僕がこのセレッソ大阪で先輩たちのプレーを見て育ったように、いつか後輩からも目標にしてもらえる選手になりたいと思っています。みんなも、好きという気持ちを大事に、自分の道に一歩を踏み出してください。

※プロフィール等は2012年8月時点のものです。

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一