藤光 謙司選手
陸上競技選手(短距離)
ゼンリン所属
藤光 謙司選手
陸上競技選手(短距離)ゼンリン所属
PROFILE
1986年5月1日生まれ。埼玉県さいたま市出身。中学時代から陸上を始め、高校時代は世界ユース選手権日本代表に選出され、メドレーリレーで銅メダルを獲得した。日本大学進学後は2007年のアジア選手権で200m優勝などの記録を残した。社会人1年目の2009年は日本選手権200mで3位、初の世界選手権では400mリレーでアンカーをつとめ4位入賞。同年のアジア選手権では400m、1600mリレーで共に金メダルを獲得した。また同年の東アジア大会では200mで金メダルを獲得している。2010年の日本選手権では200mで自己ベストをマークし初優勝。全日本実業団対抗選手権でも200mで初優勝を果たした。2012年、ゼンリンと所属契約。翌年の全日本実業団対抗選手権200mでは3年ぶり2度目の優勝を果たした。2014年は300mで日本新記録およびアジア新記録を樹立、同年の全日本実業団対抗選手権では100m初制覇、200mで2連覇を達成した。その後も国内外の大会において自己ベストを更新するなど好成績を残し、2017年世界陸上選手権大会では4×100mリレーで決勝のアンカーをつとめ銅メダルを獲得した。藤光 謙司選手の学生時代は・・・
個人競技なら、自分が出した結果に納得ができる
でも中学時代は、単純に努力したことが結果になる手段としての陸上競技だった気がします。競技に対する興味を感じるようになったのは高校生になってからでした。高校進学当時は自分でもまだやりたいことが見つかっていなかったので、とりあえず勉強と競技を両立していこうくらいでした。ところが高校生になると、徐々に結果が出てくるようになり、どんどん記録が上がってくるのを実感できるようになったんです。特に僕の通っていた市立浦和高校は、生徒の自主性を尊重するような校風がありました。クラブ活動にしても、自分で考えながらというスタイルでした。だから自分自身を知った上で高めていきたいという、陸上競技に対しても自我が目覚めた高校時代だったと思います。すると陸上競技への面白さも感じるようになり、世界ユースの日本代表に選ばれるなど新しい世界が広がっていきました。そして大学進学では、はっきりと自分のやりたいことが見えていたので、自分のスタイルで陸上競技に打ち込める環境を考えて日本大学を選びました。
日本大学から社会人へ、そして世界陸上のトラックに・・・
ステージが上がることで、目指すところも変わっていった
そして競技に対して求めることは大きく変わりませんが、どんどん自分のステージが上がっていく実感はありましたし、目指していく目標も変わっていきました。大学時代はまず代表に選ばれることがひとつの目標だったし、その次は代表の中で自分の力を確認し、次の目標に向けてどんどんステップアップしていくことで、世界で戦うという思いを意識するようになりました。日本選手権からアジア選手権、世界選手権からオリンピックと、選手としてやることは同じですが、意識というかモチベーションは人それぞれ違うんじゃないでしょうか。特に4年に一度しかないオリンピックや、2年に一度の世界陸上などは、そこでどう結果を残せるかは大きいですから。また世間の注目度も違うので、僕自身オリンピックでは気持ちが入りすぎて結果に結びつかなかったこともありました。でも、そういった経験を重ねたことによって、うまく意識が変えられるようになってきました。昨年の世界陸上のリレーにおいても、若い頃の僕ならアンカーを任されることへの重圧やらプレッシャーがあったと思いますが、あの時は走ることに、レースに集中できていました。そして日本チームが手にしたメダルは、もちろん個人の能力やバトンリレーの技術もありますが、何より4人が同じ目標に向かう気持ちで繋がったバトンだと思います。
藤光 謙司選手からのワンポイントアドバイス
単純にこなすのではなく、目的意識を持った練習をする
(1)ジョギング&ドリル・・・これは毎日やる練習の中で基本的に体を確認するためのものです。ジョフィングはあらゆるスポーツの基礎だと思います。そしてドリルとは、ひざあげ走りやダッシュ、ジャンプや股関節柔軟・ストレッチなど体の動作を確認する練習です。こういったドリル練習で、自分自身の体と対話することも重要だと思います。
(2)走るメニュー・・・これは毎日同じ練習とは限らずにいろんなメニューをやっていました。例えば100mを10本、1分に1本走る。この練習では100mを速く走れば走るほど、次の100mまでのインターバルが長くとれるということです。そして10本のアベレージが自分の走りの基本になっていました。走るメニューは日々変えて練習していましたが、どの練習にもどういった目的を持ってやるかという意識が大切だと思います。
僕は高校時代から、自分自身でメニューを考えてトレーニングするという環境を経験してきました。そのためにはいろんな情報を集め、自分にプラスになるだろう練習方法を考えてはアレンジし、取り入れてみるというスタイルでした。それだけに目的意識を持った練習ができていたと思います。僕が皆さんにアドバイスしたいのは、どんな練習を何のためにするのか、ただ単純に言われるままにするのではなく、自分自身で目的意識を持った練習をしてほしいということです。
※プロフィール等は2018年1月時点のものです。
2/2ページ