ディーン元気選手
やり投げ選手 ミズノ所属
ディーン元気選手
やり投げ選手 ミズノ所属PROFILE
イギリス人の父と日本人の母のもと、三人姉弟の末っ子として1991年12月30日に生まれる。兵庫県神戸市出身。神戸市立平野中学校時代に兄の影響で陸上競技を始め、3年生の時のジュニアオリンピックでは円盤投げで優勝するなど、早くからスポーツの才能をのぞかせていた。尼崎市立尼崎高校進学後にやり投げを始め、3年生の時、インターハイでやり投げ円盤投げの二冠を達成した。早稲田大学スポーツ科学部へ進学後はやり投げに専念し、2010年の世界ジュニア陸上競技選手権で銀メダル、日本陸上競技選手権で3位、翌2011年の日本陸上競技選手権でも2位という好成績をあげた。2012年4月に行われた織田幹雄記念国際大会において、日本歴代2位(当時)となる84m28を投げ、また6月の日本選手権では大会新記録の84m03を投げて優勝するとロンドンオリンピック出場を決めた。初出場となった8月のロンドンオリンピックでは82m07で決勝に進出し、10位という成績を残した。大学卒業後はミズノに入社。現在は2020年の東京オリンピックを目指し、練習に励んでいる。ディーン元気選手の学生時代は・・・
自分には、円盤よりやり投げの方が可能性があると感じた
中学生は砲丸投げと円盤投げしかなくて、僕も最初に始めたのは砲丸投げでした。そして砲丸投げでは全中で4位になり、3年生の時、ジュニアオリンピックの円盤投げで優勝もしました。結果が出ると何事も夢中になれるもので、尼崎市立尼崎高校に進学してからは円盤投げとともにやり投げにも取り組むようになりました。
そして高校時代のインターハイでは円盤投げ、やり投げ共に優勝することが出来ましたが、この頃から自分の中で感じていることがありました。それは僕の体格を考えたとき、円盤投げよりやり投げの方が今後の可能性が圧倒的に大きいということでした。高校時代からやり投げでは世界ランキングも見えていましたが、円盤投げでは世界と戦えるイメージが持てなかったんです。やはりやり投げの方が僕には向いている、世界と競い合う可能性があると思うようになりました。そんな思いもあって、早稲田大学に進学してからはやり投げに専念するようになりました。
日本選手権初優勝でつかんだ、ロンドンオリンピックへの切符
ロンドンに向け、練習に自信もあったし準備は出来ていた
オリンピックも開催される国やエリアによって盛り上がり方も違ったりするのですが、特にヨーロッパでは陸上競技は盛り上がるんです。そんな大観衆が見守る中、僕自身がすごく楽しむことの出来た大会でした。中でも印象に残っているのが陸上の男子10000mです。地元のモハメド・ファラー選手が金メダルを取った瞬間は、スタジアムにいる約10万人の観客の歓声がすごくて、僕が走っている足音も聞こえず、感覚すらなかったことに衝撃を受けました。ちょうどやり投げ決勝の3投目だったんです。本当は待ちたかったけど、制限時間も決まっているので試技をしましたが、記録を伸ばすことは出来ませんでした。でもロンドンオリンピックに出場できたことは何より嬉しかったし、大きな経験となりました。
実はロンドンの後はつらい時期が続きました。僕の選手生活の中で一番苦しかった時期かもしれません。怪我が続き、なかなか思うように投げられなかったんです。でも大学卒業後にミズノに入社し、練習拠点や練習法を改善できたことで、少しずつ調子を取り戻すことが出来たんです。ただ、リオデジャネイロオリンピックに出場できなかったことは残念でした。
ディーン元気選手からのワンポイントアドバイス
多様な練習で、万能な運動能力を身につける
(1)準備運動・・・本練習に入る前に必ず行っていたものです。まずはジョギングから始まり体操、ラダートレーニング、そして100mを3〜5本走ります。準備運動することによって筋肉や関節を柔軟にして専門的な練習に臨みます。またラダートレーニングとは、梯子のようなものを広げて、刻んで走ることによって足腰とボディバランスの強化、俊敏性の強化に友好的なトレーニングです。
(2)本練習・・・実際の投てき練習をします。ただし投てき競技にはウエイトトレーニングも欠かせません。実際に本格的なウエイトトレーニングを始めたのも高校生からでした。またやり投げは走れないといけないので、走って投げる、そして跳躍も大事な練習になります。ただ、高校生の頃はつい無理が出来てしまうので調子がいいと何本も投げてしまいますが、まだフォームや全身の筋肉の使い方が上手ではないので肘や肩を痛めることもあるので注意してください。
基本的な練習は以上ですが、他にもメディシンボールを使って疑似練習をしたり、常に基礎体力をつける練習はしていました。やり投げは全身を使う競技なので、あらゆるトレーニングがプラスになります。僕は4種競技や8種競技もやりましたが、高校時代は何かにこだわり過ぎずに色んなジャンルに挑戦してみることも大事で、万能な運動能力を養うプラスになると思います。また、怪我をしないための練習方法も大事にしてください。
※プロフィール等は2019年1月時点のものです。
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