田中 美南選手
サッカー選手 日テレ・ベレーザ所属
田中 美南選手
サッカー選手 日テレ・ベレーザ所属PROFILE
1994年4月28日生まれ。タイ出身。母の母国であるタイで生まれ、すぐに帰国し神奈川県川崎市で育った。兄の影響で5歳からサッカーを始める。小学生までは地元の少年サッカーチームに所属していたが、中学生になるとその素質を認められ日テレ・ベレーザの下部組織である日テレ・メニーナに入団した。2010年のFIFA U-17女子ワールドカップでは3試合に出場し1得点を挙げた。2011年には高校生でありながら、トップチームの日テレ・ベレーザに2重登録されなでしこリーグに初出場・初得点を挙げている。翌2012年に日テレ・ベレーザ昇格。この年日本で開催されたFIFA U-20女子ワールドカップにも出場した。2013年に神奈川県立百合丘高校を卒業。同年、アルガルヴァ・カップ2013でA代表初出場・初ゴールを決めた。2015年、チームは13回目のリーグ優勝を果たし、ベストイレブンに初選出された。その後2018シーズンまでチームの4連覇に貢献し、4年連続ベストイレブン、3年連続得点王、そして2018シーズンはMVPも受賞した。また2017年の皇后杯全日本女子サッカー選手権大会では3大会ぶりの優勝を果たし、ますます期待がかかる選手でもある。田中 美南選手の学生時代は・・・
兄に負けたくなくて、兄を追い越すことが最初の目標だった
もう一つ目標ができたのも小学生の時でした。それは将来、日テレ・ベレーザに入ることです。当時の日テレ・ベレーザは、澤穂希選手や大野忍選手が活躍する最強のチームでした。サッカー少女にとってチームへの憧れは日増しに大きくなっていたと思います。そして夢へのステップとして選んだのが、下部組織の日テレ・メニーナに入ることでした。もちろんセレクションを受けましたが、100人中5人ほどしか受からないという難関です。でも、受かる気しかしなかったですね(笑)。
中学・高校時代は学校が終われば毎日、電車とバスを乗り継いでメニーナの練習に通っていました。当然ながら、友達と遊んだりする時間はありませんでしたが、私にはそれ以上に好きなサッカーがあり、ベレーザに入るというはっきりとした目標を持っていました。
メニーナからベレーザに、そしてチームを代表する得点王に
ベレーザには、勝ちに行く意識の高さや気迫が満ちていた
また当時、メニーナはやはり学生がほとんどで、みんな仲はいいけれど本音を言って嫌われるのが怖いみたいな、全員がサッカーだけに集中できていないと感じていました。それだけみんな若いというか、まだ子どもだったのかもしれません。試合に向かって全員が本気になれていないと感じることもありました。ところがベレーザは、やはりみんなの本気度が違ってました。勝ちにいく意識の高さや気迫といったものが満ちあふれて、これがプロ意識というものだと強く感じました。
高校1年生の間はメニーナとベレーザの両方に登録されていましたから、なでしこリーグに初出場したのも高校1年生でした。そして高校2年からはベレーザ1本でプレーすることになり、なでしこリーグでは昨シーズンまでチームは4連覇を続けています。その強さは、どんな状況にあっても勝ちにこだわったプレーができるところにあります。ボール保持だったりゴールに向かっていく姿勢は、なでしこの中でも最強だと信じています。
田中 美南選手からのワンポイントアドバイス
基礎をしっかり身につけたうえで、プレーの精度を高めていく
(1)パス&コントロール・・・両サイドにボールの出し手、受け手に分かれパス練習をし、正確なコントロールとパスの技術を身につけます。この時、ボールは動きながら受けるようにします。
(2)リフティング・・・ボールをよく見て頭で受けてパスすることで、ボールを自由に操れるようにする練習です。パス&コントロール同様に正確に止めてパス(蹴る)で相手にボールをつないでいくことが大切です。
(3)ボールポゼッション・・・3対3や5対5などに分かれ、決められた時間の中でボールをキープし合う練習です。敵チームの選手と対峙しながらなので、正確なパスはもちろん、相手選手の引きつけ方や味方選手のサポートの仕方なども身につけます。
(4)シュート・・・ボレーやリバウンドなど色々なパターンのシュート練習をします。連続で何本も蹴ることによって、シュートの感覚を身につけます。
(5)対人練習・・・1対1や2対2などで、ボールキープやドリブル、パスの練習をします。相手をいかにかわして抜いていくか、どうやって崩すかを考えながら練習します。
(6)フィジカル&筋トレ・・・やはり基本は走ることです。足腰を鍛えながら体力をつけるには有効な練習です。また背筋や腹筋といった基礎的な筋トレや体幹を鍛えるトレーニングも高校時代から取り入れていました。
以上が主な練習メニューですが、最後にはこれまでの練習を生かして実践を意識したゲーム形式の練習も欠かせませんでした。このように練習メニューはたくさんありますが、私がアドバイスしたいのは基礎の「止める、蹴る」をしっかりと身につけて、そのうえでキックの精度を高めていくことが大事だと思います。また高校生くらいになると、自分の得意な部分を磨いて伸ばすことも考えて練習してください。
※プロフィール等は2019年6月時点のものです。
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