【特集】昌子源選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

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昌子 源選手 プロフィール

昌子 源選手

プロサッカー選手 ガンバ大阪所属 日本代表

PROFILE

1992年12月11日生まれ。兵庫県神戸市出身。両親の影響で小学3年生からサッカーを始め、中学生になるとガンバ大阪ジュニアユースに入団。しかしその後、怪我で満足にプレーができなくなり中学3年で退団した。しばらくサッカーを離れていたが、米子北高校サッカー部のコーチの誘いで練習に参加したことをきっかけに、米子北高校に進学。入学当初はFWとして入部したが、途中からCBとして力を発揮するようになり、高校3年でU-19日本代表候補にまで実力を伸ばしていった。卒業後の2011年に鹿島アントラーズに入団。2014年にはリーグ戦全試合出場を果たし、Jリーグ優秀選手賞を受賞した。その後もチームのリーグ優勝FIFAクラブワールドカップ準優勝など、チームのディフェンスの中心として高い評価を受け日本代表としても定着していった。2018年のロシアW杯ではJリーグ組唯一のレギュラーとして活躍、海外チームからもオファーを受けた。そして同年11月には鹿島通算20冠目であり念願だったAFCチャンピオンズリーグのタイトルを獲得、年末にフランスリーグのトゥールーズFCへの移籍を発表した。そして2020年2月4日、ガンバ大阪への完全移籍を発表。今後はガンバ大阪の新勢力としての活躍が期待されている。

昌子 源選手の学生時代は・・・

突然の練習参加が、再びサッカーに向き合うきっかけに

昌子 源選手写真
 僕は小学校3年からサッカーを始めましたが、特にきっかけがあった訳ではなかったと思います。ただ僕の場合、母が元サッカー選手で父がサッカーのインストラクターという環境で育ったので、サッカーはすごく身近なスポーツだったことは確かです。地元のジュニアチームに入っていましたが、サッカーに限らずスポーツが大好きな子だったようで、野球やバスケットボールなどもやったりしていました。特に野球は父とよくキャッチボールをしましたが、父があげるフライがなかなか捕れなくて何度も挑戦し、やっと捕れた時に満足してしまい、やっとサッカーに気持ちが向いていきました。
 中学生になると、なぜか地元神戸のチームではなくガンバ大阪ジュニアユースに入団したんです。ところが入団してみると、本当にうまい子たちが集まっていてびっくりしました。その中で自分が勝てるとは思えなかったし、選ばれてユースに上がれるとも思いませんでした。そのうえ2年の時に怪我をして、結局3年生の途中で退団。当時は高校に進学してもサッカーを続けることは考えていませんでした。ところが再びサッカーを始めるきっかけとなったのが、父の知人で米子北高校サッカー部の中村コーチとの出会いでした。サッカーから離れていた僕に「練習に参加してみないか?」と声をかけていただき、この練習に参加したことがきっかけとなり米子北高校に進学することになったんです。
 高校時代は寮生活をしながら毎日サッカーの練習できつかったし、何度も辞めたいと思ったことがありました。米子北高校は決して強豪チームでもなかったし、FWをやりたかったのにCBを命じられたりしました。でも、CBとして試合にも出られるようになると、少しずつ結果を出せるようになった。あの時の監督の判断が、サッカーにおける僕の可能性を引き出してくれたと思います。だからこそJリーグチームの目に留まり、鹿島アントラーズへ入団という大きなチャンスを手にすることができたんです。

JリーガーとしてW杯へ、そしてフランスでの挑戦・・・

W杯でのプレーが、世界へ挑戦する新たな扉を開いた

昌子 源選手写真
 当時、鹿島アントラーズに入って感じたことは、当たり前のことですが「プロ中のプロが集まっている」ということでした。そのうえ何度も優勝経験を持つビッグチームですから、常にピリピリとした緊張感がありました。「このチームでは2位や3位ではダメ、1位しか求められていないんだ」ということは、僕だけじゃなく選手やスタッフ全員が強く意識していたと思います。そんな中だからこそ気を抜いたり怪我をすれば、すぐにCBのポジションも奪われてしまうという緊張感が持っていられたんです。そんな中、2014年に初めて日本代表に選ばれ、W杯への道が見えてきました。
 W杯は僕の中でもやはり特別で、2002年に父と一緒に日本対チュニジア戦を観戦した時のことを今でも覚えています。小学生の僕が初めて肌で感じたのは、国の壁を超えたスポーツの一体感でした。あの素晴らしい感動をくれたピッチに、数年後に自分が立てるとは当時は想像もできませんでした。
 しかし一度は日本代表に選ばれましたが怪我で辞退し、再び代表に復帰してピッチに立てたのは2015年からでした。その後W杯アジア予選をはじめ国際試合にも出場することができ、ついに2018年ロシアW杯出場を果たしました。初戦のコロンビア戦で実際にピッチに立ち、会場の雰囲気に驚きました。特に優勝候補とされていたコロンビアが登場した時の歓声は鳥肌もので、迫力にのまれそうになりましたが、W杯において初めて日本チームが南米チームに勝利した印象に残る試合でした。また個人的には両親を招待して、W杯でプレーする姿を見てもらえたことは嬉しかったです。
 その後フランスのトゥールーズFCからオファーをいただきましたが、鹿島アントラーズでACLのタイトルを目指していたので一度断っていました。でもACL優勝を果たした後に再びオファーをいただき移籍を決めたんです。世界の五大リーグであるフランスでプレーできたことは大きな経験になりましたし、改めて日本での施設やグランドといった環境がいかに素晴らしいかを実感できました。

昌子 源選手からのワンポイントアドバイス

基本となる“止めて蹴る”の正確な技術を身につける

昌子 源選手写真
 ジュニアクラブチーム、ジュニアユースなどで練習をしてきましたが、高校時代がやはり一番練習した時期だと思います。ではどんな練習メニューだったかというと・・・
(1)ブラジル体操・・・少年時代からサッカーをしていた人は結構知っていると思いますが、手足や体を伸ばしながら動かしていくストレッチのような体操です。体を温めて筋肉を緩めることで、競技パフォーマンスの向上や怪我の発生を抑える効果があると言われています。
(2)動きの基礎練習・・・サッカーは足を使ってプレーしますが、その基本となる動きを鍛え、俊敏に動けるようにするステップやダッシュ系のトレーニングは欠かせません。
(3)技術の基礎練習・・・次はボールを使ってまずは基本のパス、そしてドリブルやシュートなど。サッカーに必要な技術を身につけます。特に基本中の基本であるパス・コントロールは大事な練習です。サッカーの基本となる「止めて蹴る」を正確にできることが重要なんです。
(4)ゲーム形式・・・これまでの動き、技術の基礎練習を生かしてゲーム形式の練習をします。実戦で相手の動きを意識した攻撃と守備の練習です。
(5)仕上げの走り・・・高校時代はやはり走り系のトレーニングが多かったと思います。走ることはスポーツの基本ですが、高校時代は練習の最後に100mダッシュを数本走ったりもしました。

以上が高校時代の練習ですが、やはり一番のアドバイスはパス・コントロールの技術を磨くことだと思います。世界で活躍するトップ選手たちのプレーを見てください。彼らの技術力の基本はやはり正確で上手なパス・コントロールで、その重要性を証明しています。

昌子 源選手からみんなへメッセージ

辛い経験だからこそ、反骨心を持って次につなげてほしい

昌子 源選手写真
 今シーズンからガンバ大阪でプレーできることに、凄くワクワクしています。僕が思うガンバはすごく攻撃的でアグレッシブなプレーをするチームです。その中で僕がすべきことは、とにかく点を取られないように守備を強固にすることだと考えています。バランスよくカバーリングをして守ること。フィジカルでも外国人選手に負けない自信はあります。そしてチームの一員として三浦キャプテンを支えられるようなプレーをして、優勝を狙います。
 このコロナ禍の状況の中で、スポーツを愛するすべての人たちが悔しく辛い思いをしていると思います。特に高校生のみなさんはインターハイや甲子園の中止で、高校3年間の思いを出し切る場をなくしてしまったことは、本当に辛い経験です。でもこの経験を、悔しさを糧に反骨心を持って何かを変えていく力にしてほしいと思います。そして、その力を次につなげていってくれたらと、今は願うばかりです。僕もこの状況で改めて感じたのは、サッカーとは、スポーツとは人々を笑顔にするものだということ。僕たちは今後一層、みなさんに勇気や元気を与えられるプレーをすることがJリーガーとしての役割だと思っています。

※プロフィール等は2020年6月時点のものです。

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田中 明日菜選手(サッカー選手)
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平山 相太さん(プロサッカー選手)
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柳沢 敦選手(サッカー選手)
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加地 亮選手(サッカー選手)
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秋田 豊さん(元サッカー日本代表選手)
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前園 真聖さん(元サッカー日本代表選手)
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三都主 アレサンドロ選手(サッカー選手)
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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一