前園 真聖さん
元サッカー日本代表選手
前園 真聖さん
元サッカー日本代表選手PROFILE
1973年10月29日生まれ。鹿児島県出身。兄の影響で幼少期からサッカーを始める。中学時代には陸上部に所属しながら、サッカー部の創部に貢献した。鹿児島実業に進学後、1年時からレギュラーに抜擢され、高校選手権やインターハイで活躍する。高校卒業後は全日空(横浜フリューゲルス(現横浜F・マリノス))へ。その後はJリーグのみならず海外でもプレー。1994年キリンカップオーストラリア戦で、日本代表デビューし、1996年のアトランタ五輪代表では、主将として強豪ブラジルを撃破。「マイアミの奇跡」として名を残した。2005年5月19日に現役引退を表明。現在はサッカー解説のほか、「ZONOサッカースクール」を開講するなど、少年サッカーの普及促進活動に注力している。前園 真聖さんの学生時代は・・・
幼少期から、プロサッカー選手になりたかった
ところが中学に入学すると、僕の通う中学校にはサッカー部がありませんでした。しかたなく陸上部に所属したものの、どうしてもサッカーを続けたかったので、陸上部の練習が終わってからの時間を利用して、仲間とサッカーを始めたんです。そんな姿勢が届いたからか、中学2年の頃には、サッカー部を創部することができました。そして高校は、鹿児島実業へ。鹿児島県で一番サッカーの強い高校に行きたいと思っていましたから。練習は厳しかったですね、すごく(笑)。僕と一緒に入部した部員は60人くらいいましたが、1年後には20人程度しか残っていませんでした。もちろん僕だって「もう、やめようかな…」と弱気になったことがあります。親元を離れて下宿をしなければならない寂しさと、練習のしんどさとで、気持ちが折れそうになりました。それでも、高校へ行かせてくれた親への感謝と、「1年からレギュラーをとるために、どんどんアピールしていこう」という強い気持ちがあったから、僕は続けられたんです。そしてなによりも、悩みを打ち明けられる仲間がいたからこそ頑張れたと思います。
前園さんにとって、サッカーの魅力とは・・・
心から楽しみたいなら、巧くなること
だから、下宿に戻る頃には、夜も深い時間になっていたし、休日もほとんどありません。ゴールデンウィークも、夏休みも関係なく、練習漬けの毎日。だからサッカーを楽しむ余裕なんて、まるでなかったですね。ただし、うわべだけではない、“本当の意味でのサッカーの楽しさ”が何であるか、高校時代に学ぶことができたと思います。僕は、「巧くならなければ、本当の楽しさは味わえない」と思うんです。2回しかできなかったリフティングが10回できるようになれば、ぜったいに楽しいはずですよね。僕もそう。マラドーナにあこがれてサッカーを始め、一生懸命ドリブルの練習をして、それが試合で生かされ、相手を抜き去ることができた瞬間に、「ああ、楽しいな」って…。たとえ練習はつらくても、積み重ねてきたことが無駄ではなかったことがわかったときは嬉しかったし、自信になりましたね。
サッカーを心から楽しみたいなら、遊ぶだけのサッカーから抜け出すこと。ひとつでもうまくできるようになったり、ステップアップしようと努力することが「サッカーの楽しさ」につながっていくのではないでしょうか。
前園 真聖さんからのワンポイントアドバイス
練習に、自分なりのテーマを持とう
(1)判断力を速くする
サッカーが上手になりたければ、体だけではなく、頭を使ったプレーをすること。試合中は相手選手のプレッシャーがあって考える時間も少なくなります。次の相手の動きを予測してパスを出すなど、普段の練習から判断力を速くするように心がけましょう。
(2)基本的な練習を繰り返すこと
パス、トラップ、ドリブルなど、基本的なテクニックをしっかり身に付けましょう。
(3)フットサルでボールに慣れる
ボールに馴染むことが、上達の第一歩です。そのためにも、これからサッカーを始めようという人は、フットサルから入っていくと覚えやすいと思います。フットサルはボールに触れる回数やシュートチャンスが多いので、ボールの蹴り方(どこに当てれば、どのように飛んでいくのか)がわかりやすいでしょう。
※この記事は2007年6月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。
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