岩崎 恭子さん
元水泳選手(バルセロナオリンピック 200m平泳ぎ 金メダリスト)
岩崎 恭子さん
元水泳選手(バルセロナオリンピック 200m平泳ぎ 金メダリスト)PROFILE
1978年9月21日静岡県沼津市生まれ。5歳から水泳を始め、小学生の頃からさまざまな大会への出場で記録を伸ばし、1992年、1996年と2度のオリンピックに出場を果たす。92年のバルセロナでは200メートル平泳ぎで金メダルを日本史上最年少で獲得し、「今まで生きてきた中で一番幸せ」の名フレーズで一躍、時の人となる。98年の競技生活引退後は米国へ児童の指導方法を学ぶために留学(2002年)。現在は、水泳の楽しさの伝えるためにイベントの出演・水泳のレッスンを中心としながら、メディア・トークショー出演、執筆活動などを行う。またJOC環境アンバサダーを務めるなど「環境」をテーマとした活動にも取り組んでいる。
BS日テレ『SpoMaga』(毎週土曜22:00‐54)
スポーツ情報番組。3回に1度の割合で出演中。
ブログ http://ameblo.jp/kyoko-iwasaki/
岩崎 恭子さんの学生時代は・・・
泳ぐことを楽しんでいるうちにオリンピックへ
転機が訪れたのは14才の時、バルセロナのオリンピック。200メートル平泳ぎで金メダルをとってからです。まだ幼く、泳ぐことを楽しんでいたので、オリンピックでの金メダルの意味もはっきりわかっていなかったように思います。それよりも、自分のベストタイムを伸ばせたことがうれしかった。
この時が大きな転機となりました。それまで、大会ごとに順調にタイムが伸びていたのですが、大きなプレッシャーを感じ、タイムが伸びなくなってしまったんです。オリンピック後、あまりにも注目されてしまったために、いつも大きなプレッシャーを感じていました。“目立ちたくない”という気持ちが、泳ぐことやタイムを伸ばすという目標までも無くしてしまいました。当然、練習も“ただこなしているだけ”で、意欲的ではなかったように思います。そんな状態ですから、タイムも伸びない。今まではやればやるだけ結果が出たのに、何で思い通りにならないのだろうと、とにかく、もがいていました。
もう一度オリンピックへ・・・目標を持つことの意義
身近な目標への積み重ねが、自分を動かす原動力
“目標を持つ”ということの重要な意味。それに向かって努力することの大切さ。それを実感することができました。大きな目標だけではなくて、身近な目標からコツコツとやっていくことでいいと思います。その積み重ねが、自分を動かす、本気にさせる原動力です。私が2年間もの長い葛藤から抜けだせたのは、目標を持つ事ができたからだと思います。それと、家族や友だちが支えてくれたということも-。水泳って、個人競技で、選手一人で戦っているようですが、実はそうではないということも実感しました。確かに、プールで記録に向けて泳いでいるのは、自分一人です。でも、家族や友だちの支えがないと何もできないことに気付きました。体調を気づかってバランスのよい食事を手作りしてくれたり、練習に集中できる環境を整えてくれたり、励ましてくれたり・・・。心身共に支えてくれた家族や友だちに、感謝しています。
岩崎 恭子さんからのワンポイントアドバイス
大切なのは、練習と日常生活
(1)泳ぎこみ 泳ぎながら筋力をつけ、心肺機能、持久力をアップさせます。競技のときと同じようにタイムを競ったり、水をつかむ感覚や、水の重さの感じなどの感覚的なこともつかめます。
(2)陸上トレーニング ジムなどで器具を使ったサーキットトレーニングを行い、背筋や腹筋など競技ごとに必要な筋力を補強します。体幹を鍛えることで、筋パワーがつき、競技成績に反映できます。専門のトレーナーに指導していただくのが望ましいと思います。
どのスポーツもそうですが、練習だけでなく、心がけて欲しいことがあります。それは、食事と睡眠です。一見、普通のことのようですが、これがいちばん大切です。バランスのよい食事が身体づくりの基本です。また、睡眠はベストコンディションをキープするためには必要です。精神面にも影響します。毎日の生活リズムをキープするというのは意外と大変です。練習もそうですが、毎日の食事や睡眠にも、目標を設けてチャレンジしてみてはいかがですか。その積み重ねが、いい結果につながると思います。
※この記事は2008年1月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。
2/2ページ