【特集】山本隆弘選手からの高校生へのメッセージ | 日本の学校

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アスリートからの熱いメッセージ

アスリートからの熱いメッセージ

山本 隆弘選手

山本 隆弘選手

バレーボール日本代表 (松下電器・パナソニック・パンサーズ所属)

PROFILE

1978年7月12日生まれ。鳥取県出身。スポーツ一家に育ち小学校時代は野球に熱中。バレーボールをはじめたのは中学1年生から。最初は弱小だったバレーボール部だがめきめきと実力をつけ、高校はバレーボールの名門・鳥取商業高校へ進学。1年からレギュラーに抜擢され全国大会にも出場し、ジュニア代表やユース代表にも選出される。その後、日本体育大学に進学し、卒業後は松下電器・パナソニック・パンサーズに所属。また、在学時代より全日本代表に選出され、2000年4月の日米対抗戦でスーパエースとして全日本デビューを果たす。2003年のワールドカップではベストスコアラーとMVPを獲得するなど、日本のエースとして活躍するがアテネオリンピックへの切符は惜しくも逃してしまった。その後2年ほど日本代表から離れるが、2006年に代表復帰。2メートルを超える長身から放たれる驚異的スパイクで、チームを北京オリンピックへ導くサウスポーのスーパーエース。

山本 隆弘選手の学生時代は・・・

廃部をまぬがれるための、バレー部入部だった

山本 隆弘選手写真
僕の家族は、父が野球、母がバレーボールをやっていて、その環境の中で育ったので兄弟三人も自然とスポーツが好きな子どもでした。僕も小学校時代は父の影響で少年野球をやっていたのですが,夢中になりすぎて野球肘になり辞めてしまいました。その後は、友達に誘われたので、バレーボールを始めました。しかも、その理由は廃部をまぬがれるため。当時、男子バレー部には部員が一人しかいなくて、180cmと身長の高かった僕に目を付けた友達に勧誘されたんです(笑)。最初は練習といっても指導者も先輩もいませんでしたから、何をしていいのかわからずにお手本は女子の練習でした。いつも横目で女子の練習を見ながら「ちょっと、マネしてみるか」っていう感じでしたね(笑)。だから当然、女子と試合をしても負けてばかりでした。他にもテレビでバレーボールの中継などがあると、みんなでレシーブのマネをしたり。僕たちの練習は、マネをすることから始まりましたね(笑)。そうこうしているうちに、少しずつ色んなことができるようになっていくもので、段々と楽しくなってくるんです。やがて女子にも勝てるようになり、市の大会にも出場できるようになりました。
その甲斐あって、バレーボールの名門・鳥取商業高校に進学することができましたが、バレーボールのレベルは全く違っていました。練習がハードなのはもちろんですが、中学時代にはやったことのない練習ばかりでついていくのが精一杯。特に「三人レシーブ」といって監督が真ん中に入って延々とレシーブをするというのが一番きつかったですね。

学生時代の夢は・・・

春高バレーから実業団、オリンピックへ

山本 隆弘選手写真
高校時代の夢は「春の高校バレー」や「インターハイ」でしたね。鳥取商業高校バレー部は県でトップ、全国でも強豪校でしたから、使命感もあったし、みんな目標意識がしっかりありましたね。遠征試合や合宿も多かったし。特に合宿では一日に20セットも練習試合をするんですよ。みんなもうバテバテで、バスの中でもいつもぐったりいう感じでした(笑)。今から思えば、バレーばかりで遊びを知らない高校生だった気がしますが、バレーボールというひとつの夢・目標に一生懸命になれた学生時代だったんです。だから、好きなことをやっているという気持ちが強かったから、いい言い方をすれば、遊びも女の子も目に入らなかったのかも知れませんね(笑)。でも当時、僕にとってバレーボールはまだ部活動の延長でしかなく、卒業したら就職するつもりでいました。ところが、今度は日本体育大学から誘いがあってバレーを続けることになり、するとやはり将来は実業団に行けたらいいなと思うようになりました。オリンピックというものを何となく意識し始めたのもこの頃からでしょうね。やはりみんな、高校時代とは違って実業団、全日本、オリンピックという大きな目標をもって日々頑張っているわけですから。

山本 隆弘選手からのワンポイントアドバイス

「マネすることで、バレーの楽しさを知ることも大切」

山本 隆弘選手写真
全てのスポーツにおいて、基本は一番大事な練習だと思います。でも、それだけじゃなく、楽しむことも大事だと僕は考えています。例えば僕たちがやってきたようにテレビとかでプレーを見てイメージを膨らませるのもいいし、何より「マネしてみたい!」と思えることが楽しさに繋がるんじゃないでしょうか。そのことを踏まえた上で、僕からのアドバイスです。
(1)オーバー&アンダーハンドパス・・・バレーボールの中でパスは最も基本的な技術です。その為にはオーバー、アンダーの形をしっかり練習して身につけておきましょう。
(2)レシーブ・・・ボールを落とさない唯一の競技がバレーボールです。勝敗の行方もレシーブ力にかかってきます。スパイクやサーブなどあらゆるパターンとコースを想定してレシーブ力を身につけてください。
(3)スパイク・・・一番の攻撃がスパイクです。ただ、スパイクとは腕の力だけで打つとどうしてもボールが軽くなってしまいます。強力なスパイクの決め手は、体のしなりで打つこと。その為にも下半身の筋肉と腹筋を鍛えることは有効だと思います。
(4)ブロック・・・ブロックは守備であり攻撃でもあります。相手の動きを良く見ること。予測とタイミングが大切です。ちなみに僕は、相手のブロックをかわすため、ネットの所にパイプいすを並べてスパイクの練習をしていました。
(5)サーブ・・・サーブには色んな種類があります。確実に相手のコートに入れることが基本ですが、自分にあったサーブを見つけ技術を高めていくこともチームを強くするには大事なことです。
バレーボールは6人がそれぞれの個性と特性を活かし、作戦を立て、相手を観察して攻撃するゲームです。コートの中ではそれぞれの役割があり、それが絡み合ってひとつのチームになります。それがバレーボールの面白さだと僕は思っています。技術を上げることは大事ですが、その中から何かひとつ、自分にしかできない個性・特性、飛び抜けたものがあれば、それを伸ばすことも大事なんじゃないかな。選手にとって大事な要素とは、技術+個性だと思いますね。

山本 隆弘選手からみんなへメッセージ

時には自分に対して、厳しさも必要

山本 隆弘選手写真
 高校時代はたった3年間、あっという間に終わってしまいます。だから、みんなには何か目標や夢を持って過ごして欲しいと思います。僕の高校時代はバレーボールという夢中になれるものがあり、春高バレーや全国大会という目標がありました。そんな中で自分なりに頑張ってきたつもりでしたが、一度だけ全国大会を逃したことがあったんです。その原因は練習をさぼったから。そのことが後悔として残りました。だから今、僕がみなさんにアドバイスできることは、時には自分への厳しさも必要だということです。そして悔いのない高校生時代を過ごしてください。
 僕のこれからの目標は、2008年の北京オリンピックです。年齢的にも最後の挑戦になると思うので、その為にも頑張ってナショナルチームでできるだけプレイを続けたい。そして将来は、バレーボールの楽しさをもっとたくさんの人たちに知ってもらえるように、何かできたらいいなと考えています。

※この記事は2007年8月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。

小野寺 太志選手
小野寺 太志選手(バレーボール選手)
精一杯挑戦して、後悔のない密度の濃い時間を過ごしてほしい
迫田 さおりさん
迫田 さおりさん(元バレーボール選手)
がむしゃらに突っ走れる時間を大切にしてほしい
江畑 幸子さん
江畑 幸子さん(元バレーボール選手)
自分にとって「楽しいこと」は、武器になり、自信になる
井上 香織選手
井上 香織選手(元バレーボール選手)
苦しくても前を向けたのは夢があったから
柳田 将洋選手
柳田 将洋選手(バレーボール選手)
勝つことの楽しさ、積み上げることの大事さを伝えたい
福澤 達哉選手
福澤 達哉選手(バレーボール選手 全日本代表)
向上心こそが、夢に近づく一番の方法
清水 邦広選手
清水 邦広選手(バレーボール選手 全日本代表)
楽しいこと、悔しいことがあったから今がある
石島 雄介選手
石島 雄介選手(バレーボール選手)
学生だからこそ、今やるべきことがあるはず
高橋 みゆき選手
高橋 みゆき選手(元バレーボール選手)
ハンデを、自分の最大の武器にする
山本 愛選手
山本 愛選手(バレーボール選手)
経験できること、人との出会いを大切に
越川 優選手
越川 優選手(バレーボール 北京オリンピック日本代表)
夢のままで終わりたくない、だから決して諦めない!
吉原 知子さん

2007年2月

妹背牛商業高等学校 出身
吉原 知子さん(元バレーボール選手・日本代表)
限界を作らずに、夢を持ってチャレンジしてほしい
竹下 佳江選手
竹下 佳江選手(バレーボール選手)
一度逃した夢、だからこそ絶対につかみたかった
加藤 陽一選手
加藤 陽一選手(プロバレーボール選手)
今すべきことを目標にひとつずつステップアップしていく
大林 素子さん
大林 素子さん(元バレーボール日本代表 スポーツキャスター)
今しかない、チャレンジできる時を大切にしてください。

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株式会社JSコーポレーション 代表取締役社長 米田英一